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贅を尽くした限定カレーを村田倫子がリポート

カレーの祭典が再び! 好評を博した「六本木ヒルズ カレーグランプリ」が2年ぶりに帰ってきました。六本木ヒルズが誇る18の名店が提供するスペシャルカレー、なかでも注目のずわい蟹を使った限定カレーを、カレー愛好家で知られるモデルの村田倫子さんがリポートします。

PHOTO BY YUKA UESAWA
EDIT & TEXT BY RCKT/Rocket Company*

イタリアンの熟練と創意を詰め込んだずわい蟹のカレー
——ヒルズ ダル・マット

イタリアンの人気店、ヒルズ ダル・マット。ラグジュアリーな雰囲気の店内は、写真のカウンター席のほか、開放的なテラスサイドのボックス席や個室もありさまざまな用途に対応しています。

ずわい蟹の殻を使った特別なソースは、鉄鍋で二度出汁を取ります。フレッシュな一度目の出汁、蟹の香りを余すところなくとじ込めた二度目の出汁、ずわい蟹の身とトマトソースで作ったベースソース、様々なスパイスで作ったソースの4つを絡めて、スペシャルなカレーが出来上がっていきます。

ずわい蟹の脚と爪を、オリーブオイルとニンニクを使ってソテー。香りが引き立てられ、食欲が刺激されます。

きのこと甲殻類の出汁で炊いたリゾットは、仕上げにバター、茸、ミニトマトを絡めていきます。

フルーティなイタリア産ロゼワイン「ランゲ ロザート」をペアリング。目の前に広がる香りを楽しみつつ、村田さんの料理への期待感も最高潮に。

ずわい蟹が圧倒的な存在感を漂わせる、ヒルズ ダル・マットのスペシャルカレーメニュー〈グランキオ〉。リゾットの上に乗った蟹の甲羅の下には脚も隠れていて、ぷりぷりの蟹の身がたっぷり味わえます。そして付け合わせには赤ワインで漬けたらっきょう。ここにもイタリアンらしいこだわりが詰まっています。

ずわい蟹の爪はそのままで食べるのもよいですが、「ここはカレーと絡めて一口でいきたい」と村田さん。手掴みで豪快に食すと醍醐味を味わえます。

贅沢な味わいに思わず笑顔が溢れる村田さん。「蟹、カレー、リゾット、付け合わせの蟹のほぐし身、赤ワインで漬けたらっきょう。それぞれ単体で食べても美味しいのですが、絡めて食べると味わい深くて感動します」

料理もさることながら、ペアリングのワイン「ランゲ ロザート」(グラス ¥1,430)の香りにも惹かれたという村田さん。「普段カレーを食べる時は、ビールかワインを合わせることが多いのですが、これまで飲んだ中でもカレーとの相性が見事なワインでした」

〈グランキオ〉¥3,300(ヒルズ ダル・マット/六本木ヒルズ ウェストウォーク5F) ※提供時間 11:00〜16:00(L.O.15:00)、17:30〜22:00(L.O.21:00) ※テイクアウトOK ※1日限定15食

ヒルズ ダル・マットは、予約の取れないイタリアンとして知られる西麻布の名店「ダル・マット」の美食が六本木ヒルズでも味わえると、長年支持を集め続けている人気店。2022年以来、今年で2回目となる「六本木ヒルズ カレーグランプリ」にも前回に引き続き参加しています。そんなヒルズ ダル・マットの、今回の特別限定メニュー〈グランキオ〉を、村田倫子さんが試食しました。

「私にとってカレーは、癒しとエネルギーをチャージできる料理です。一皿で完結するからこそ、カレーはオーナーの哲学を詰め込むことができる料理だなと思っています。正解がないですし、食べる度に、新しいお店に行く度に発見がある。クリエイティビティを発揮できるフードカルチャーだと思います。

ファッションブランドのディレクションを手掛けているのですが、普段からアウトプットをしていると、時々行き詰まることがあり、その際にフードからインスピレーションを得ることがあります。カレーはその中でも特に刺激を与えてくれる存在ですね。ファッションとフード、一見接点のない両者ですが、カレーは作り手の創意工夫が見える料理なので、その創意を感じることで、自分自身のアウトプットにも繋げていけるんです。カレーの連載をしたことがあるのですが、一食たりとも似ているものがなく、食べても食べても飽きないですね。

今回味わった〈グランキオ〉は、見た目、香り、味わいの三拍子揃って華やかさがありました。メインのカレーとリゾット、ずわい蟹はもちろん、付け合わせも全て一品一品が音楽でいう“サビ”のよう。個々で食しても美味しいのですが、付けたり混ぜたりして食べた時も味が喧嘩しないところに、驚きがありました。トマトを使った上品な演出が巧みで、イタリアンのお店だからこそ創り出せるカレーなんだなと思いました。海の香りの上質な部分を体験できて、すごく幸せです。また、ペアリングでいただいたワインもとても美味しかった! カレーとはまた違った華やかさのある香りで、相性抜群でした」

ほかにも、六本木ヒルズの名店が考案した絶品カレーが目白押し

❶ 羊の旨みとスパイスが重層的に絡み合う薬膳スープカレー——中国料理 ゴールデンタイガー

羊スペアリブの薬膳スープカレー ¥2,000(中国料理 ゴールデンタイガー/ヒルサイド1F) ※提供時間=11:00〜23:00(L.O.21:30)

羊スペアリブをフェンネルとクミンとともにじっくり炊いてくさみを消し、骨からほろりと外れるほど柔らかくなってから、香ばしく揚げました。羊の旨みが溶け込んだスープをベースにしたカレーは、四川火鍋をイメージして香辛料をブレンドし、辛いだけではない、複雑な奥行きを表現。ナスやじゃがいも、ハスの実などの具ともよく合います。熟成20年の「紹興老酒」(グラス¥1,000)とぜひ。

❷ 隠し味にコチュジャンとジャム、甘辛バランスの妙——KOREAN BBQ 水剌間

水剌間特製タッカルビの石鍋カレーピビンバ ¥2,600(KOREAN BBQ 水剌間/六本木ヒルズ ウェストウォーク5F) ※提供時間=ランチ11:00〜15:00(L.O.14:15)

パチパチと音を立てて運ばれてくる極熱の石鍋ピビンバに、特製カレーをかけ、よ~く混ぜて召し上がれ。自家製コチュジャンや棗(なつめ)ジャムが隠し味のカレーは、甘みのあとから奥深い辛さが押し寄せてきます。ヨーグルトやガラムマサラに漬け込んで焼いた存在感ある大和肉鶏のもも肉、5種のナムルも食べ応え満点。発泡性の「福順都家 ソンマッコリ」(グラス¥1,300)で辛さをなじませて。

❸ ほろほろ柔らかな鴨もも肉のコンフィと、キレのあるスパイスカレ——リゴレット バーアンドグリル

フランス産骨付き鴨肉の コンフィとスパイスカレー ¥2,310(リゴレット バーアンドグリル/六本木ヒルズ ウェストウォーク5F) ※平日ランチタイムのみサラダ・ドリンク付き ※提供時間=ランチ11:00〜15:00(L.O.14:30)

フランス産の鴨もも肉をしっとり柔らかくなるまで3時間ほど油で煮たコンフィがジャスミンライスの上にドン! それを受け止めるのは、鶏ガラをじっくり煮込んでとったスープにスパイスを加え、辛さと甘みのバランスがよくキレのあるさらさらとしたカレー。フレッシュなパクチーや赤玉ねぎ、フライドオニオンが風味と食感を添えています。2つの美味しさが素敵に混じり合う「チャイラッシー」(¥680)と一緒にどうぞ。

六本木ヒルズ カレーグランプリ2024
期間 開催中〜5月6日(月) 2024年春、六本木ヒルズにカレーの祭典が帰ってきました! 名店のシェフたちが創意工夫を凝らして生み出した今まで誰も見たことがない、斬新なカレーの数々がずらりと並びます。参加するのは、六本木ヒルズ内にある18店舗。ふだんから人気のインド料理やカレー専門店はもちろんイタリアン、中国料理、韓国料理、日本料理まで、ジャンルの垣根を越えて、カレーの名のもとに集まりました。この期間、この場所でしか出合えない美食をぜひご堪能ください!

profile

村田倫子|Rinko Murata
1992年千葉県生まれ。モデル、ファッションブランド「idem」、「ANU」ディレクター。 ファッション雑誌をはじめ、大型ファッションショー・テレビ・ラジオ・広告等の様々な媒体で活躍中。連載を持っていたことでも知られる趣味のカレー屋巡りは、食に関する多数の媒体や企画等でも注目を集め、自らの執筆活動の領域を広げている。

※2024年4月現在の情報です。
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