FOOD THINKERS 06

スノーエイジングによる熟成肉が絶品!「ザ タヴァン グリル&ラウンジ」の “自然が育てる” ひと皿——ニッポンの美味しい食材を再発見! #6

日本の雪国ならではの“雪室”で熟成させた国産牛を、日本の食文化と食材を知るオーストラリア出身のシェフが焼き上げた、繊細にして華麗なTボーングリル。ニッポンの食材を再発見する今月の“ひと皿”は、アンダーズ 東京の「ザ タヴァン グリル&ラウンジ」による自然の力を謳歌する逸品です!

TEXT BY Jun Okamoto
PHOTO BY Tamon Matsuzono

自然が育てる“雪室”がキーワード

“ティ-ボーンF1”(上) 480g 16,800円、750g 24,000円(各税・サ別)、 ホイップホースラディッシュクリーム(右下)、ポルチーニ茸の風味豊かなセップ茸ソース(中下)、 “雪室熟成 ガーリックマッシュポテト”1,100円(税・サ別 / 左下)

雪室熟成 栃木県産 “ティ-ボーンF1”

雪室でストレスなく熟成した柔らかく濃厚な牛肉に、高温で均一に火を通すことで旨味を閉じ込めている。白ネギなどを使ったハーブのサラダも相性ぴったり。赤ワインとエシャロットのバター、ホイップホースラディッシュクリーム、ポルチーニ茸の風味豊かなセップ茸ソースなど、5種類から選べるソースで好みの味わいに。「雪室熟成 ガーリックマッシュポテト」はぜひ試したい一皿。

今日のために厳選された旬の食材

牛Tボーン
中央のT字の骨を挟んで、ヒレとサーロインの両方が楽しめる牛肉の部位。脂が少ない国産牛の赤身を熟成させるので旨味が強い。

じゃがいも
男爵いもなどを3カ月ほど雪室で熟成させている。 熟成前と比べると甘みが1.5〜2倍に増加し、肉に負けない力強い味わいになる。

ホース ラディッシュ
基本は北海道産という立派なサイズのホースラディッシュ。牛肉との相性は抜群で、すりおろすことで独特の辛みや香りが出る。

料理をひきたてるおすすめドリンクは?

「タヴァン ブラッディマリー」 
トラディッショナルなカクテルに、和の素材を取り入れたオリジナルカクテルが人気。熊本産トマトを搾った「タヴァン ブラッディマリー」はタバスコ代わりにゆずすこや国産ウォッカを使用。1,800円(税・サ別)

日本を敬愛するシェフが選んだのは
「雪室」=スノーエイジング

さまざまな国の食文化が融合し、世界で注目されるレストランが次々誕生するシドニーの由緒ある料理学校でフランス料理を学んだキーナンシェフ。日本料理の美しさに魅せられて、日本食を学ぶために来日、その後は日本とシドニーの名店で腕を磨いた。

日本の食材への理解も深いキーナンシェフが、タヴァンのために選んだのはスノーエイジングという手法の食材だ。日本の雪国に伝わる、雪を使った天然の冷蔵庫「雪室」は温度1〜2℃、湿度95%以上と一定に保たれた環境で、食材にストレスをかけることなく、肉のたんぱく質や野菜のデンプンをじっくりと旨味成分に変えてくれる。

「スノーエイジングでは、牛肉が柔らかくジューシーになるのも特徴」という。キーナンシェフは、鶏、豚、鴨、ラムなども良質な国産の食材にこだわり、シンプルなグリルという調理法で食材の美味しさをさらに引き出す火入れの達人。360℃の全方向から高温で均一に火を入れるグリルで旨味を逃さない。独創的なプレゼンテーションも見どころのひとつで、4月にリニューアルしたザ タヴァンではその魅力をたっぷりと楽しめる。

ショーン・キーナン|Shaun Keenan アンダーズ 東京 総料理長。オーストラリア出身。シドニーの名店「フラテリパラディッソ」や「ハイアットリージェンシー 京都」の総料理長などを経て2017年12月に「アンダーズ 東京」の総料理長に。専門のフレンチはもちろん、さまざまな国の食文化に造詣が深く、豊かなアイデアを盛り込んだクリエイティブな料理を得意とする。

The Tavern – Grill & Lounge
虎ノ門ヒルズ 51階からの素晴らしい眺望と大人がリラックスして食事を楽しめるダイニング。4月16日にリニューアルオープンし、雪室で熟成した肉や人気の定番メニューを驚きに満ちたアレンジで提供。夜はジャズなどの生演奏でいっそう心地いい。