日本の雪国ならではの“雪室”で熟成させた国産牛を、日本の食文化と食材を知るオーストラリア出身のシェフが焼き上げた、繊細にして華麗なTボーングリル。ニッポンの食材を再発見する今月の“ひと皿”は、アンダーズ 東京の「ザ タヴァン グリル&ラウンジ」による自然の力を謳歌する逸品です!
TEXT BY Jun Okamoto
PHOTO BY Tamon Matsuzono
自然が育てる“雪室”がキーワード
雪室熟成 栃木県産 “ティ-ボーンF1”
雪室でストレスなく熟成した柔らかく濃厚な牛肉に、高温で均一に火を通すことで旨味を閉じ込めている。白ネギなどを使ったハーブのサラダも相性ぴったり。赤ワインとエシャロットのバター、ホイップホースラディッシュクリーム、ポルチーニ茸の風味豊かなセップ茸ソースなど、5種類から選べるソースで好みの味わいに。「雪室熟成 ガーリックマッシュポテト」はぜひ試したい一皿。
今日のために厳選された旬の食材
料理をひきたてるおすすめドリンクは?
トラディッショナルなカクテルに、和の素材を取り入れたオリジナルカクテルが人気。熊本産トマトを搾った「タヴァン ブラッディマリー」はタバスコ代わりにゆずすこや国産ウォッカを使用。1,800円(税・サ別)
日本を敬愛するシェフが選んだのは
「雪室」=スノーエイジング
さまざまな国の食文化が融合し、世界で注目されるレストランが次々誕生するシドニーの由緒ある料理学校でフランス料理を学んだキーナンシェフ。日本料理の美しさに魅せられて、日本食を学ぶために来日、その後は日本とシドニーの名店で腕を磨いた。
日本の食材への理解も深いキーナンシェフが、タヴァンのために選んだのはスノーエイジングという手法の食材だ。日本の雪国に伝わる、雪を使った天然の冷蔵庫「雪室」は温度1〜2℃、湿度95%以上と一定に保たれた環境で、食材にストレスをかけることなく、肉のたんぱく質や野菜のデンプンをじっくりと旨味成分に変えてくれる。
「スノーエイジングでは、牛肉が柔らかくジューシーになるのも特徴」という。キーナンシェフは、鶏、豚、鴨、ラムなども良質な国産の食材にこだわり、シンプルなグリルという調理法で食材の美味しさをさらに引き出す火入れの達人。360℃の全方向から高温で均一に火を入れるグリルで旨味を逃さない。独創的なプレゼンテーションも見どころのひとつで、4月にリニューアルしたザ タヴァンではその魅力をたっぷりと楽しめる。
The Tavern – Grill & Lounge
虎ノ門ヒルズ 51階からの素晴らしい眺望と大人がリラックスして食事を楽しめるダイニング。4月16日にリニューアルオープンし、雪室で熟成した肉や人気の定番メニューを驚きに満ちたアレンジで提供。夜はジャズなどの生演奏でいっそう心地いい。
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