IKUKO’S METHOD

夏物に飽き飽きなあなたに秋色を——スタイリスト 地曳いく子のおしゃれメソッド 6

ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子が、独自の視点で切り込む大人のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは“秋色の取り入れ方 初秋編”です。暑さの残るこの時季を“いく子流メソッド”の着こなしで秋気分へと変えていきましょう。

TEXT BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA

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買うべきは今着られる秋色

そろそろ夏物には飽き飽き。でも、今年の異常な天候のせいで、朝起きてみたら初秋だったり、かと思えば次の日は夏のような暑さがぶり返したりと。そして、ふと街を見れば秋物ばかり。一体何を着てどうしたらいいの?とお悩みの方も多いのではないでしょうか。そんなあなたにおすすめなのが秋色アイテム。秋といってもウールの暖かさが必要なのは、まだまだ2カ月ぐらい先のこと(笑)。今取り入れるべきは“秋色気分”なんです。夏物と秋物ミックスが楽しめるこの季節。この気候を逆手にとって、まずは軽い素材や小物で秋色アイテムを手に入れ、ミックスコーデで本格的な寒さの到来まで使い倒すのが正しい選択です。

地曳いく子が伝授する
秋色アイテムの選び方・使い方

❶ プラスワンのヴィンテージカラーで秋気分

秋という季節の魔法のせいでしょうか。この時季になるとレトロでヴィンテージなものに惹かれます。今年ならマスタードイエローやブリックカラー、フォレストグリーンが気になる秋色。まずはこのキーカラーをひとつスタイルに取り入れましょう。とはいえ、ウール物に手を出すのはちょっと待ってください。早く買っても存在を忘れてしまいますし、着られるようになった頃には気分も変わっていることも。買うなら、ヘビーなものではなく今着られるものに限ります。

❷ この時季なら素材は軽めなものが基本

今の季節を乗り切るコツは、トップかボトムのどちらかに秋色を取り入れ夏物とミックスすること。基本は軽くて薄い素材やレースなど。例えばヴィンテージライクな色合いのシャツ。これなら夏に活躍した白デニムやコットンのガウチョパンツを合わせてもOK。

薄手の秋色スカートなら、まだまだ着たい夏物カットソーでも問題なし。寒くなってきたらニット物やタイツと合わせれば、薄くてもロングスパンで活躍します。暑いからといって9月になっても全身夏物ではイケてない人になるので要注意!

❸ バッグや小物は本格的な秋冬仕様でもOK

薄手の秋色服といっても買うのには限界があります。そんなときはバッグや小物で攻めるのが賢い大人女史。マスタードイエローのバッグなら暑苦しくなく持てますし、トレンドカラーとしておしゃれのスパイスに。ベーシックなスタイルでもこれを持てば秋気分は上昇。バッグや小物は服とは反対にスウェードやベロアなど本格的な秋冬仕様の素材も取り入れましょう。小物で秋感をプラスするだけで、ぐっと気分はかわります。


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地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、そのキャリアは30年超えを誇る。数多くの女優のスタイリングも手がけ、大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評がある。独特の語り口も魅力で、現在はテレビやラジオでのコメンテーターとしても活躍中。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)など多数。