THE RAMEN TOP CHEFS @HILLS LOVE

ヒルズの一流料理人に「私の〈推し〉ラーメン店」を聞いてみた【前編】

好評企画“私が愛するラーメン店” 第2弾! ヒルズの有名料理人・飲食店オーナーたちに〈推し〉のラーメンを教えてもらいました。

TEXT BY TAKESHI KONISHI
EDIT BY TM EVOLUTION.INC

❶「L’ATELIER de Joël Robuchon」佐藤祐紀シェフパティシエ と「37 Roast Beef」小林 大シェフのお薦めは?

「鶏白湯塩そば」
蔭山樓

左|L’ATELIER de Joël Robuchon(六本木ヒルズ) 佐藤祐紀シェフパティシエ——「中太の麺に、8時間煮込んだ先の濃厚なスープがとても美味しいです」

右|37 Roast Beef(表参道ヒルズ) 小林 大シェフ——「旨みが凝縮されたこだわりの白湯スープ。生野菜が入ったりして斬新、かつ、まとまった一杯に仕上がっています。店同士のまかないの交換でいただくこともあるのですが、スタッフにも大人気です」

フカヒレを専門とするモダンチャイニーズの名店『蔭山樓』が数年をかけて完成させた、その名も「蔭山樓名物 鶏白湯塩そば」¥1,320。フカヒレを煮込む際に手羽先の白湯スープを使っており、その得意の技法を活かして濃厚で奥深い味わいのスープを生み出した。東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー鶏白湯部門で3年連続、1位を獲得したこともある。

料理店同士の“まかない交換”で心待ちにされる一杯!

推薦人のひとり、小林シェフのコメントにあるように、表参道ヒルズにある料理店の間ではスタッフらが食べる「まかない」の交換が行われている。本物の味を知る料理人やスタッフ同士のまかない交換で人気を博しているのが『蔭山樓』の「蔭山樓名物 鶏白湯塩そば」だ。

スープ作りには手羽先を8時間以上煮込み、骨も砕いてエキスを出す。その白湯スープに淡路の藻塩や利尻昆布などを使った返しを合わせている。麺はラーメン業界で絶対的な信頼がある『浅草開化楼』の特注中太縮れ麺。コシがしっかりしていて、スープとよく絡むのが特徴だ。グリーンカールや赤玉ねぎ、水菜、ベビーリーフなど6種類ほどの野菜がミックスされているトッピングも個性的。

受け皿にはレモンが添えられ、仲さんのお薦めはある程度食べ進んでからレモン汁を絞り、“味変”してもらうこと。濃厚な白湯スープに爽やかさが加わることで一気に印象が変わる。フカヒレ料理をベースにするモダンチャイニーズの名店自ら、自信を持って「名物」と銘打つことにうなずく一杯だ。

蔭山樓
住所=東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ 本館3F 電話=03-6455-5552 営業時間=11:00~22:30(L.O.22:00)、日曜11:00~21:30(L.O.21:00) 定休日=表参道ヒルズに準じる ※各種クレジットカード、交通系IC、QRコード決済利用可

PHOTO BY HIDEHIRO YAMADA

❷「KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA」田代隆多 店長のお薦めは?

「岩のりらぁめん」
博多麺房 赤のれん 西麻布本店

「KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA」(六本木ヒルズ)田代隆多 店長——「『赤のれん』といえば絶品のとんこつスープですが、濃厚で旨味たっぷりのとんこつスープは仕事で疲れた後の身体に染み込みます。食べ応えのある焼豚もたまりません!麺を食べた後も、スープに岩のりが混ざっているので最後まで楽しめます」

博多ラーメンのルーツの味を受け継ぐ『博多麺房 赤のれん』。店内に大型の五右衛門釜を設置し、ひと晩かけて醤油仕立ての白濁とんこつスープをじっくりと取る。麺はこしの強い平打ち極細麺。そこに岩のりをトッピングするのが「岩のりらぁめん」だ。¥1,000。

博多ラーメンのルーツの味を西麻布で!

「KNOCKのスタッフ全員、『赤のれん』さんが大好きです! 大将の米山さんの明るさとプロフェッショナルな立ち振る舞いに、いつも惚れ惚れしています」と、六本木ヒルズのイタリアン『KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA』の田代店長が絶賛するのが『博多麺房 赤のれん 西麻布本店』。戦後、博多で誕生した博多ラーメンの源流『赤のれん』の暖簾分けを受け、1978年に開業。その後関東一円に広がったとんこつラーメンブームの火付け役となった店だ。

厳選された豚骨の部位だけを使用し、一日かけて作られる100%純豚骨スープは、コクと旨みで「コッテリ」としながらも、醤油ダレを効かせることで後味が「サッパリ」するように仕上げられている。博多ラーメンの源流に思いを馳せることができる一杯なのだ。

博多麺房 赤のれん 西麻布本店
住所=東京都港区西麻布3-21-24 ARUGA18-1F 電話=03-3408-4775 営業時間=11:00~翌5:00 定休日=日曜 ※支払いは現金のみ

❸「赤身専門 にくがとう」G.MIURA オーナーのお薦めは?

「豚そば」
豚そば月や 東京

「赤身専門 にくがとう」(六本木ヒルズ)G.MIURA オーナー ——「(昨年に続き)二日酔いに効くらーめんの第2弾。豚骨らーめんなのにスープがクリアでしつこくなく、二日酔いの日にちょうどいい。麺の硬さが選べるのも嬉しい」

低温調理で炊きあげられたクリアな豚骨ラーメン。「豚そば」¥800。薬味などは別皿で提供される。まずはスープをそのままで、次にネギを入れ、最後にカボスの皮を下に絞って香りを引き立たせる食べ方がおすすめ。替え玉や追いスープもある。

透き通ったスープで“豚骨”のイメージを一新!

昨年、本企画第1弾で「二日酔いにも効く」と『楽観 NISHIAZABU GOLD』の黄金お出汁スープのラーメンを推薦してくれた『赤身専門 にくがとう』のMIURAオーナーは、「二日酔いにも効く」第2弾として、これまでの豚骨ラーメンの概念を突き崩す、クリアなスープが特徴の『豚そば月や 東京』の「豚そば」をお薦めする。

博多の行列店の東京初出店として、2020年7月、渋谷区広尾にオープンした『豚そば月や 東京』。シンプルを極め、“クリア豚骨”という新しいジャンルを確立する、話題の一杯となっている。

豚そば月や 東京
住所=東京都渋谷区広尾5-4-16 Gems広尾2F 電話=03-5422-8787 営業時間 11:30〜20:00(L.O.19:30) 定休日=無休(12/31~1/3はお休み) ※現金の支払い不可、各種クレジットカード、交通系IC、QRコード決済利用可

❹「MOM&POP’S SPAGHETTI」山下尚裕料理長のお薦めは?

「特製中華そば」
自家製麺ロビンソン

「MOM&POP’S SPAGHETTI」(虎ノ門ヒルズ)山下尚裕 料理長——「旨味の強いスープだけど、食べ飽きないのと、なにより具材のチャーシューが美味しい! それだけでも食べたいくらい」

2021年10月にオープン、一躍、虎ノ門の大注目店となった『自家製麺ロビンソン』の「特製中華そば」¥1,400。夜は完全予約制の料理店『小三治』として営業をしているため、ロビンソンは昼の3時間のみの営業となる。

イタリアン×日本料理で理想のらーめんを目指す

ふたりで共同店主の伊藤さんはイタリアン、田中さんは日本料理の料理人。もともと、夜業態の『小三治』で料理を提供していたが、ラーメン好きの田中さんの「らーめん作りをしてみたい」という思いから店を始めた。

味の構成を考えるのは田中さん、製麺を担当するのは伊藤さんで、麺には北海道産「春よ恋」「ゆめちから」「餅姫」などを独自に配合し、あえて熟成させない打ち立ての自家製多加水麺で、平打手揉み麺とストレート細麺の2種類を提供している。

スープの調合などもより高みを目指し、工程などにも工夫を凝らす日々だという。イタリアン×日本料理のかけ算から、ただの流行りではない、ふたりが理想とするらーめんを追究し、最終的にお客様に喜んでもらえる一杯を目指している。

自家製麺ロビンソン
住所=東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル1F 電話=非公開 営業時間=11:00~14:00(売り切り次第終了) 定休日=日曜・祝日 ※昼のみの営業形態のため、現金のみ。券売機で食券購入

❺「TACO RICO」北島 昇オーナーのお薦めは?

「白丸元味」
一風堂 六本木店

「TACO RICO」(アークヒルズ)北島 昇オーナー ——「一風堂は白丸も赤丸も、セットも大好きですが、白丸は、豚骨スープの風味とコクと旨味が素晴らしく、細麺も噛み応えと後味が良く、意外とあっさりしているので、週に1回くらい食べたくなるラーメンです(実際に行けるのは月に1回くらいですが)」

創業当時から今に引き継ぐ『一風堂』のとんこつラーメンの本流であり、原点の味である「白丸元味」¥820。18時間の調理と、丸1日の熟成を経て、とんこつの旨味を極限まで摘出した豊かで香り高いシルキーなスープに、博多らしい細麺がマッチする。

すべてを高いレベルで提供する尊敬のブランド

博多ラーメンの原点を守りつつ、革新を続ける一風堂ラーメン。国内での多店舗展開のほか、海外にも出店し“Ramen”の魅力を世界に発信している。

手作り食材にこだわった本格派タコス&ブリトーを提供する『TACO RiCO』の北島オーナーは、「どのお店に、いつ行っても、味にばらつきがなく、高品質なのもいい。サービスも清潔感も、いつでも高いレベルで、とんこつラーメンの匂いもしない。尊敬のブランドです」と、経営者ならではの視点で『一風堂』を高く評価する。

また、ラーメンだけでなく、皮やお肉の風味がいい「博多ひとくち餃子」や、「さすが福岡の食べ物」と感じるという「明太子ごはん」もお薦めしてくれた。

一風堂 六本木店
住所=東京都港区六本木4-9-11 第2小田切ビル1F 電話 03-5775-7561 営業時間=11:00〜23:00(L.O.22:45) 定休日=無休(年末年始を除く) ※各種クレジットカード、交通系IC、楽天EDY、ID利用可

※2022年12月現在の情報となります。
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