Roppongi art night

4年ぶりのオールナイト開催!一夜限りのアートの饗宴「六本木アートナイト2023」(5/27土・28日)

東京を代表するアートフェスティバル「六本木アートナイト」が5月27日(土)28日(日)に開かれる。現代アーティストの栗林隆+Cinema Caravan、鴻池朋子をはじめ、約45組のアーティストが参加。約70のプログラムで六本木の街を盛り上げる。

TEXT BY Mariko Uramoto

息を飲む、2組のアーティストの大型作品に注目

栗林隆+Cinema Caravan

東京ミッドタウン展示予定作品:鴻池朋子《大島 皮トンビ》2019年 約W12×H4m、牛革、水性塗料、クレヨン

国立新美術館 展示作品:鴻池朋子《狼ベンチ》2022年 W1.9×D0.8×H1.1m FRP、水性塗料

2009年に始まった「六本木アートナイト」は六本木の街を舞台にした一夜限りの芸術の祭典。12回目となる今回は「都市のいきもの図鑑」がテーマ。六本木ヒルズ森美術館をはじめとする、エリア内の美術館や文化施設、大型複合施設、商店街などで、ペインティングやインスタレーション、映像作品を展示するほか、音楽、パフォーマンス、トークなどのプログラムを用意し、アートをたっぷり堪能できる内容となっている。

メインアーティストは2022年に世界最大の芸術祭ドクメンタに参加した栗林隆+Cinema Caravan。全世界のエネルギーとその循環をテーマにした大作を六本木ヒルズアリーナに出品する(記事メイン画像参照)。また、国立新美術館と東京ミッドタウンには、自然界や動物と人間の関係を斬新な視点で作品化してきた鴻池朋子の大型作品が登場。

エマニュエル・ムホー《100 colors no.43「100色の記憶」》2023年 写真:志摩大輔

江頭誠《DX安心もふもふ毛布ハウス》毛布で覆われた空間を製作中

六本木ヒルズ 66プラザでは色をメインテーマにした作品で知られるエマニュエル・ムホーによるインスタレーション《100 COLORS NO.43「100色の記憶」》を展示。ウエストウォーク2階には花柄毛布を主に扱うアーティスト、江頭誠の《DXもふもふ毛布ドリームハウス》が登場する。子供の憧れであるリカちゃんハウスをヒューマンスケールに拡大し、その世界観を花柄毛布で表現する。

ジャン・シュウ・ジャン(張徐展) 《熱帶複眼》動物故事系列 シングルチャンネル映像、4K、カラー、サウンド 12.2 2020年〜2022年、16分 ©ZHANG XU Zhan Courtesy: projectfulfill

デイジーバルーン《乱流》六本木ヒルズメトロハット イメージ

ノースタワー前では、紙細工によるアニメーションなどの作品で国際的にも知られるやジャン・シャウ・ジャンの映像作品を公開。台湾の民族衣装や東南アジアに伝わる民話などをベースにしたシャーマンダンサーが登場する作品で、 固有の文化やアイデンティティについて考えさせ、普遍的な寓意体験とローカルな寓意体験のつながりなどを提示する。メトロハットには昨年同様バルーンアーティストの細貝里枝とアートディレクター・グラフィックデザイナーの河田孝志からなるデイジーバルーンの作品を展示。スティック状のラバーバルーンを編み込んだ変動性の高いバルーンが変幻自在に形を変える。

Close-Act Theatre《White Wings》©Bert Holtmann

オランダを拠点とし、世界中で活躍するパフォーマンスカンパニーClose-Act Theatreも来日。5月27日(土)、28日(日)それぞれ、六本木ヒルズアリーナと東京ミッドタウン プラザでパフォーマンス《White Wings》を披露する。白い翼を纏った幻想的なキャラクターが優雅にウォーキングし観客を魅了する。また、参加型のプログラムにも注目だ。インビジブル×日本フィルハーモニー交響楽団が生演奏を行う《クラシックなラジオ体操》が4年ぶりに復活。朝日と共に暮らし多く音楽を楽しみ、最後はにおだったらんフィルハーモニー交響楽団が奏でる演奏にのってラジオ体操をするというプログラム。美しい音色とともに健やかな朝を迎えられる。

エリア内の美術館やアートスポットにも“いきものアート”

井原宏蕗《dyeing red #01》 photo:Taihei Soejima

東京ミッドタウン ガレリア1階は彫刻家・井原宏蕗の《DYEING 500》、《book(ing)》が登場。生物が作り出す痕跡や副産物などを素材とした作品を提示し、生態系と循環について見直そうとする。また、東京ミッドタウン各所には太湯雅晴による《Maison de ROPPONGI》が点在。公共の場に現れた小さな動物や昆虫たちの家にはキッチンや寝室、浴室などが設けてあり、運が良ければ動物たちの暮らしぶりを垣間見ることができる。プラザB1階 メトロアベニューでは先行展示プログラムとして、若手アーティストを応援するコンペティション「TOKYO MIDTOWN AWARD」を昨年受賞した6組のアーティストの新作を発表するイベント「Street Museum 2023」が開催中だ。

太湯雅晴《Maison de ROPPONGI》

国立新美術館では、パフォーマンスや映像、絵画などのメディアを使って相反する事物を反転したり、攪拌することで関係性を問う作品を発表する、うらあやかの作品を展示。また、自然の中の大いなる流れをとらえ要素制作を続けてきた、しばたみづきは期間中、制作パフォーマンスを披露。美術館の敷地内で採取した土や水を使い、屋上庭園に映える竹林とコラボレーションしたインスタレーション《つぼなんかをつくる》を制作する様子をリアルタイムで鑑賞できる。

街中にもアートが点在!

林千歩《もうないかもしれないよ》2014, Video 5:12 min

Keeenue《SEEK and FIND》

六本木交差点や街中、屋内の至る所にも作品が出迎えてくれる。六本木交差点プランターでは長谷川仁による《六本木のカタガタ》が登場。解体工事中のロアビルは仮囲いスペースには、NikeやFacebookなど数多くのコラボレーションも手掛け、注目を集めるアーティストKeeenueによる約40mの壁画《SEEK and FIND》が楽しめる。第1レーヌビルでは岩崎貴宏の《雨の鏡》を、イグノポール1階では林千歩による2つの映像作品《もうないかもしれないよ》《踊るブッダの誕生日》を展示。街を歩くだけでもアートと出会える2日間。昼だけでなく、夜の雰囲気と合わせて鑑賞を楽しみたい。

六本木アートナイト2023
日時 2023年5月27日(土)10:00〜28日(日)18:00 開催場所 六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース デジタル>YouTube チャンネル『RAN TV』 入場料/視聴料 無料(但し、一部のプログラム及び美術館企画展は有料) 問合せ 六本木アートナイト実行委員会 ハローダイヤル:050-5541-8600(9:00〜20:00)