いま再び流行の兆しを見せている“カヌレ”。半生のような新触感や、驚きのあるフレーバー、国産の食材にこだわったものなど、ここ東京で日々進化を続けている。今年のバレンタインデーは、そんな、美味しくて目にも鮮やかな“カヌレ”を贈ってみては?
TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
EDIT BY TM EVOLUTION.INC
❶ 保存料・着色料不使用。素材にこだわり抜いた極上カヌレ
—— COMME PARIS
2011年の創業から、ひと口サイズのプチカヌレにこだわり、そのひと口の喜びに全てをかける『COMME PARIS』。東京・田園調布に本店を構える同店は、口コミで評判が広まり、ついに2022年3月までの期間限定で『六本木ヒルズノースタワー』地下1階への出店が実現した。
保存料・着色料を一切使用せず、フランス産の小麦粉、南九州の高千穂発酵バター、自然栽培されたパプアニューギニアのバニラビーンズなど原料にもこだわり抜くのが『コムパリ』の美味しさの秘訣。他店の焼き菓子に比べて賞味期限がやや短いのは、真摯な菓子作りの現れだ。
モチモチっとした食感は、出来る限りよく噛んで。すると素材の味わいがよりよく分かるはず。1個めよりも2個め、3個めの方が『コムパリ』らしさを理解できるから不思議!? 種類によっては酒類も使用しているが、料理の工程でアルコール分は飛んでいるので、小さいお子様がいる家庭への手土産にも安心だ。
❷ サステナブルなストーリー満載。“日本一”を標榜する「富士山カヌレ」
—— atirom Keyakizaka
日本各地の美味しいもの、優れたパーソナリティを紹介するプロデュースチーム『atirom』(アティロム)。その『atirom』が手掛けるシグネチャープロダクトが「富士山カヌレ」だ。
東京・白金台にて、世界最速でミシュラン1つ星を獲得した『ティルプス』(※現在は惜しまれつつも閉店)の人気メニューだった「富士山カヌレ」だが、同店のオーナーソムリエ大橋直誉(おおはしなおたか)氏が『atirom』のアドバイザーに就任したことから、ついに復活が叶ったのだ。
ラム酒の代わりに日本酒、焼酎を使用しているのが「富士山カヌレ」の最大の特徴。カヌレは、ワインの澱引きをする際に卵白だけを使用し、卵黄だけが大量に余ってしまうことからフランス・ボルドー地方で生まれたサステナブルな焼き菓子だが、そのストーリーを日本に置き換えるべく、「富士山カヌレ」では酒粕をフィーチャー。その酒粕の提供元が、日本酒党の間でいま大人気の「而今」(じこん)というのが心憎い。
「富士山カヌレ」のほのかな生地の甘みは、チョコレートと沖縄の黒糖のハーモニーによるもの。さらには、雪化粧を模したホワイトチョコレートにも酒粕パウダーを混ぜ込み、統一感を持たせている。
❸ 外はガリッと、中身はトロトロ。半熟食感が新しい!
—— カヌレ専門店boB
『カヌレ専門店boB』は、トリュフ使いが特徴的な銀座のレストラン『AURUM+truffle』の森脇シェフがプロデュースする店舗。2021年4月にオープン、季節ごとのフルーツや食材を用いて、常時8種類以上のカヌレを用意している専門店だ。
こちらのカヌレは、表面は香ばしく、噛めばザクっと音が鳴りそうなほどハードに仕上げていながら、内側はモチモチとした食感。さらに中心まで食べ進めると、トロっと溶けだしそうな滑らかさへと変化する。ひとつのカヌレで様々な風味と食感が楽しめるのが面白い。
そしてこの時期、是非試したいのが「やよい姫苺のカヌレ」¥460。ほろ苦いカヌレと甘酸っぱい苺のコラボレーションが最高なのだ。またアールグレイ風味の生地に桃のソースを合わせた「桃とアールグレイの半熟カヌレ」¥390や、塩気のあるカヌレに和牛ローストビーフと特製ソースを合わせた「和牛ローストビーフの半熟カヌレ」¥490もお勧め。食事系カヌレなら、コーヒーや紅茶はもちろん、ワインのおつまみとしてもぴったりだ。
※ 2022年1月現在の情報となります。
※ 表示価格は全て税込価格です。
※ 六本木ヒルズ等各施設では、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一部店舗・施設の営業内容を変更しております。営業状況は定期的に変更がありますので、ご来店の際には事前に各施設HPをご覧ください。
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