MAKING THE PERFECT CHEESE PLATE

パーティが華やぐチーズプレートの作り方

おしゃれで華やかなチーズの盛り合わせ、チーズプレート。ホームパーティでスターターとして登場することの多いチーズプレートですが、ここ最近は季節のフルーツやハーブなどを盛って、フォトジェニックに仕上げるのがSNSでブームになっています。そこでチーズ専門店〈ランマス〉に、美味しいうえに見た目も華やかなチーズプレートの作り方を教えてもらいました。

PHOTO BY AYUMU MUNENO
EDIT AND TEXT BY RCKT/ROCKET COMPANY*

PROCESS

チーズの選び方や、置いていく順番などのコツをお伝えします。ただ切って並べるだけではない、華やかな見た目に仕上げるTIPSをチェックして。

 

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1/4❶ まずはチーズを塊で置いてバランスをチェック —— 味わいや色合いの異なるチーズを数種選びます。今回は万人に好まれるコンテから、ユニークなコーヒー豆を使った青カビタイプなどかぶらない風味のものをチョイスしました。カットする前に、塊の状態のチーズをプレートに並べてみて、色のバランスをチェックします。
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2/4❷ チーズをカットし、パンを置く —— チーズは溶けにくいハードタイプからカットしはじめ、柔らかいチーズは溶けやすいので最後に。同じ扇形のカット方法でも、とがった先端を向かい合わせに立てて並べたり、横倒しにしてツリーのように見せてみたりすると洒落感が生まれます。このタイミングで面積の広いパンも配置します。
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3/4❸ ぶどうなど大きめの果物とハーブを置く —— 次に、粒の大きなぶどうなどの果物や、一部のハーブをチーズの脇に配置していきます。種類ごとに離して配置するとバランスよく見えます。
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4/4❹ あいた部分を埋めるようにナッツや小さな果物などを置く —— 最後に、あいた部分を埋めるようにナッツやドライフルーツ、ミントなどを置いて完成。白くて丸いフォルムのチーズの上にクランベリーのような小さな実を載せると、まるでケーキのようで可愛らしくも楽しい見た目に。

ABOUT CHEESE

チーズプレートに使用したランマス厳選のチーズたち。おすすめのペアリングや切り方とともにご紹介します(写真上から時計回り)

 

シャンピニオンの香りに包まれたミルクの風味
——ルブロッション・ド・サヴォア

外皮を塩水で洗いエゾ松の木板に乗せて熟成しているので外皮のシャンピニオンと木の香りが特徴的。中身は上品なミルクの風味で、舌の上でとろけるクリーミーな質感と優しい甘みが味わえます。熟成が進むと匂いが強烈になり、野性的な味わいに変化していくという、「生き物」としてのチーズが楽しめる一品。ランマスではフランスの名誉熟成士第一回コンクールにおいて、M.O.F.国家最優秀職人賞を受賞した熟成士、エルベ・モンスが手がけたものを取り扱っています。

【切り方】 くっつきやすいので、窪みのあるナイフまたはコーティングナイフを使用。下で紹介するリールを使用することもあります。外皮を均等に味わうため、放射線状にカットします。カットして時間が経つとくっついてしまうので、一部だけカットしておいて残りは食べる際に各自でカットするのがオススメ。

刺激的な青カビにエスプレッソの香ばしい香り
——エルボリナート・サンカルローネ・カッフェ

イタリアでチーズ熟成士のもと修行したランマスのオーナーこだわりのイタリアチーズセレクションから、ピエモンテ州で生まれた青カビチーズをピックアップ。チーズの周りの茶色い粒は胡椒ではなく、エスプレッソ用の粗挽きコーヒー豆。さらにハチミツを塗って熟成させています。ピリッと刺激的な青カビとクリーミーな生地に、エスプレッソの香ばしい香りが加わって独特の味わいを楽しめます。白いチーズの地肌と青カビが織りなすマーブル模様にコーヒー豆の茶色が縁取り、見た目にも華やか。

【切り方】 柔らかく崩れやすいので、チーズリールを使用。こちらもコーヒーがついた外皮を均等につけてカットするようにします。

ジャリッとした噛み心地に、強い旨味が特徴
——コンテ24カ月熟成

ランマスでも定番人気のコンテ。万人受けする美味しさで、プレゼント用にもおすすめです。120日間AOC指定区域で熟成された後、熟成士の手により洞窟内でしっかり熟成されています。ランマスで扱う24ヶ月以上熟成したコンテは、外皮がゴツゴツと荒々しく熟成し、しっかり詰まった質感でアミノ酸の結晶が所々に見られます。噛み締めるとアミノ酸がジャリッと当たり、複雑味のある濃く強い旨味を堪能出来ます。ちなみにこちらもチーズ熟成士・エルベ・モンスが手がけたもの。

【切り方】 ハードタイプはひび割れやすいので、薄いナイフでカットします。旨味が強いので、薄めにカットするのがおすすめです。

まるでチーズケーキのような甘味と酸味
——ブリアサヴァラン・アフィネ

牛乳に生クリームを加えて作られる、きめ細かで詰まった美しい生地はバターのような口どけで、ミルクや生クリームの香りが口中で広がります。白〜クリーム色の薄い白カビに覆われた外皮近くはシャンピニオンの香り。甘みの中に軽い酸味がありまるでチーズケーキのよう。フランスの美食家「ブリアサヴァラン」の名前を冠したこのチーズ、フレッシュから十分熟成された状態それぞれの段階で美味しさが変化するのも面白く、フランスでは特に若者に人気です。

【切り方】 柔らかいので、チーズリールまたは窪みのあるナイフ/コーティングナイフを使うときれいにカットできます。チーズケーキをイメージして放射線状にカット。カットして時間が経つとくっつきやすいので、一部だけカットしておいて残りは食べる際に各自でカットするのがオススメです。

 

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1/2きれいにカットするためのアイテム❶ リール —— 包丁では切りにくい青カビタイプやシェーブルタイプなど包丁にくっつきやすいチーズをカットするのに便利。リール¥1,500(ランマス六本木ヒルズ店)
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2/2きれいにカットするためのアイテム❷ 刃が薄いナイフ —— コンテやミモレットなどハードタイプのチーズは刃が薄いナイフでカットすると割れにくいです。写真は薄いうえにコーティングが施されており、くっつきやすいチーズもカットしやすいタイプ。ナイフ 私物

FROM LAMMAS

長く美味しくチーズを食べるには

ランマスから、自宅でのチーズの扱い方について4つのアドバイスをもらいました。

1. チーズをラップで包む場合、ポリエチレン性のものを使用すること(塩化ビニル製はラップの匂いがチーズに移ってしまう)
2. 2~3日に一度、ラップを交換すること
3. 外皮または全体の余分な水分をキッチンペーパーで優しく拭くこと
4. 食べる前にチーズの断面を包丁の腹でなでて削ること(香りよく楽しめる)

せっかくの美味しいチーズをより楽しむため、ぜひやってみてください。

ランマス|LAMMAS
2014年に東京・三宿に居を構え、2019年に三軒茶屋へ移転。2号店となる六本木ヒルズ店は2021年春にオープン。フランス・イタリア・イギリスをはじめとするヨーロッパ各地のチーズを取り扱うチーズ専門店。店内にはワインセラーも備え、主に自然派ワインを扱っている。チーズ生産者や熟成士たちが丹精込めて仕上げたチーズを最高の状態で届けることを目指す。

※ 2022年1月現在の情報となります。
※ 表示価格は全て税込価格です。
※ 六本木ヒルズ等各施設では、新型コロナウイルスの感染拡大防止の予防対策を徹底し営業しております。また一部の店舗では営業時間を短縮しております。ご来店の際には事前に各施設HPをご覧ください。