「新しい生活様式」で定番となってきたテイクアウト。虎ノ門ヒルズの新オープン店の中から、バラエティ豊かなお勧めテイクアウトのお店をご紹介します。
TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA
EDIT BY TM EVOLUTION.INC.
日比谷線虎ノ門ヒルズ駅に直結した新ビル、虎ノ門ヒルズビジネスタワー。オフィスフロアのほか、レストラン&ショップには名店が名を連ねるが、中でも話題になっているのが3階にある『虎ノ門横丁』だ。ひとつのフロアにこれまで多店舗展開をしてこなかった東京の名店全26店舗が集結。各店舗はいずれも小規模だが、オープンスタイルで隣の店と続いているような設計が特徴だ。ビルの中にありながら、小さな店が小径に軒を連ねる横丁で飲むような気分が楽しめる。また、フリースペースが設置してあり、幾つかの店から自分の好みの料理を買ってきて、こちらで一緒に飲食ができる。横丁内のバーやワインセラーからお酒を購入して、このフリースペースで飲むことも可能だ。仕事帰りにカウンター席でひとりで飲んでもいい。今回は店内で食べられるだけでなく、ランチや夕食にテイクアウトできるお勧め料理を一挙紹介。
❶ タイ東北部のイサーン料理をそのまま再現
——SOMTUM DER TORANOMON(ソムタム ダー 虎ノ門店)
タイの東北部にあるイサーン地方。そのイサーン出身のオーナーとシェフが手がける店で、イサーンの食文化を世界に紹介したいという想いから立ち上げられた。現在、バンコクの本店に加え、ニューヨーク、ホーチミン、東京に店を構えるが、ニューヨーク店ではミシュラン1ツ星を受賞している。
イサーンの料理は、バンコクの料理が辛さ、酸味、塩気、甘味があることに対して、甘味が少ないのが特徴で、醗酵調味料、スパイス、米を多用していてヘルシー。『虎ノ門横丁』店では、もち米付きのセットなどしっかりとした食事も取れるし、時間がない時はビールと一緒にさっとつまめる料理も豊富に揃っている。特に人気なのが写真の春巻き。イサーン料理の特徴的な一品、ラープと呼ばれる豚ひき肉のハーブ和えを春巻き仕立てにしたもので、オリジナルのマヨネーズをつけて食べると爽やかでより美味しい。
PHOTO BY DAISAKU NISHIMIYA(NDPP.)
❷ 20種類のスパイスを使ったオリジナルフライドチキン
——ポロフリg
五反田の人気スペインバル『ジローナ』が出店するフライドチキン専門店。ランチ、ディナー、テイクアウトと全て同じメニューと価格で提供している。看板メニューの「オリジナルフライドチキン」は、インド系やハーブ系のスパイスを20種類も使い、濃厚な香りと複雑な味わいに魅了される。鶏肉は骨つきの新鮮な朝締めのものを使っているから、食べた時の歯ごたえがとてもしっかりとしている。是非隣店で購入できるクラフトビールに合わせたい。
ほかにもテイクアウトにお勧めなのが手羽先や「フライドチキンドッグ」。店内で飲むならサイドメニューとして特製蒸し鶏やチキンカレーなどのメニューが11種類ほど。洗練された内装の中で、“仕事帰りのちょっと1杯”がより充実しそうだ。
PHOTO BY DAISAKU NISHIMIYA(NDPP.)
❸ この道40年のシェフが作る香港名物の焼き物
——香港焼味酒家 赤坂璃宮(ホンコンシューメイシュカ アカサカリキュウ)
日本における広東料理の名店『赤坂璃宮』のオーナーシェフ・譚彦彬氏がプロデュース。焼き物師として40年のキャリアを持つ梁偉康(リョウウェイホン)シェフが厨房を取り仕切る「香港焼き物専門店」だ。梁シェフが、常に最良の状態で提供できるよう細心の注意を払って焼き上げた香港焼き豚、広東風ローストダックなど、皮はパリパリで肉はジューシーな絶品の焼き具合を味わえる。
日本では前菜と思われがちな焼き物だが、実は香港では主役級。この店でも「二種焼味ご飯」「三種焼味ご飯」「五種焼味ご飯」と、焼き物をのせたご飯ものとして提供されている。もうひとつの香港の人気メニュー、「海老ワンタン麺」も口コミで広まり、在日香港人がこの味を求めて通ってくるという。
PHOTO BY DAISAKU NISHIMIYA(NDPP.)
❹ 台湾と沖縄のローカルフードを泡盛サワーに合わせて
——Ryukyu Chinese Stand TAMA(リュウキュウ チャイニーズ スタンド タマ)
青山で人気の『琉球チャイニーズTAMA』が虎ノ門横丁に出店。ここでのメニューは台湾と沖縄のローカルフードに絞られている。特に見逃せないのが台湾で朝食によく食べられている「シェントウジャン」。豆乳に酢を入れて75度で温めると、次第に凝固しておぼろ豆腐のような状態に。豆腐の中には豚肉でんぷやシラスの塩味、それにまろやかな赤酢が効いて、一度食べると病みつきになる味わいだ。
実際リピーターも増えているとのこと。テイクアウトにお勧めなのは、ささみカツとおにぎりを一体化させた沖縄のローカルフード「おにささ」や、店オリジナルのカレー味が加わった「玄米タコライス」。店内で食べる時は、レモンの泡盛漬けサワーと合わせて楽しもう。
PHOTO BY FUMIAKI ISHIWATA(NDPP.)
❺ のり弁にカツをのせたボリューム満点のお弁当を
——つかんと
気鋭のトンカツ店がテイクアウトとして提供するメニューは「のりカツ弁当」。ご飯の上に醤油粕とおかかをのせ、のりを敷いた上にトンカツとトンカツソース、塩麹漬けのキャベツが添えられる。トンカツは那須高原豚を低温真空調理で適切な火入れをした後、衣をつけて油で揚げている。そのため肉がしっとりと柔らかく仕上がっており、男性でも満腹になるほどボリュームも満点だ。
店舗はひとりでも入りやすいカウンター席なので、ひと口カツをつまみながらオレンジワインを飲む、という楽しみ方もできる。
PHOTO BY DAISAKU NISHIMIYA(NDPP.)
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