Sober Curious

“ソーバー キュリアス”——ノンアルコールで過ごす素敵な夜時間

アメリカで生まれた“Sober Curious”(ソーバーキュリアス)という言葉をご存じですか? Soberとは“しらふ=お酒を飲まない”ことで、Curiousとは“〜したがる”の意。ふたつの言葉をつなげると、“しらふでいたがる”という意になる。そんな、新たな主張を発信するお店が増えてきています。ここでは、そんな先進的な試みを行う3軒のお店をご紹介します。

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Sober Curious——。そう、いまミレニアル世代を中心に、お酒を飲まない食事のスタイルがブームの兆しを見せている。ここで言うのは、お酒を“飲めない”のではなく、敢えて“飲まない”行為だ。アルコールで頭を酩酊させず、クリアな思考のまま食事をしたり、夜のカクテルタイムを楽しんだりするスタイルであり、そこには大人の嗜好を満たす味わい、デザイン、雰囲気がなくてはならない。

そんなニーズを満たすように、まるでカクテルそっくりのノンアルコールドリンク“モクテル”をメニューにラインナップする店が、東京にも増えはじめている。ノンアルコールだからといって手を抜くことはなく、むしろアルコール成分がないだけに、味わいに対する格別な趣向を凝らしている。つまり、味に複雑さがあり、十分にパンチが効いているのだ。そして単に喉を潤すためではなく、飲む行為自体を楽しみたくなる。こうしたモクテルは、リッチな食事にも合い、夜の時間を艶やかにしてくれるのだ。

❶ レシピ研究を重ねた上質なモクテルで、クリアな夜を
——RIGOLETTO BAR AND GRILL(リゴレット バー アンド グリル)

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1/7クランベリージュースに、レモンジュース、国産フレッシュブルーベリー、オーガニックシロップをブレンダーで撹拌。トッピングにノンアルコールのピーチエスプーマを添えたショート・モクテル「ピーチベリー・エスプーマ」¥700。パンチの効いた甘酸っぱさが口いっぱいに広がり、アルコールとは異なる満足度が得られる。
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2/7すりおろした生姜で作った「オリジナルジンジャエール」¥500は、同店自慢のメニュー。生姜の辛味がピリピリと喉を心地良く刺激し、タパスが進む。およそ500円とは思えないハンドメイドな味と香りで、一度飲んだら虜になること間違いなし。
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3/7ピザメニューに頻繁に登場するゴルゴンゾーラチーズを、ムース状にして軽やかなタッチに。バケットにのせて蜂蜜を添えて食べると、甘じょっぱいアペタイザーに。「ゴルゴンゾーラのムース」¥500。
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4/7「若鶏もも肉のコンフィ」¥500。“コンフィ”とはオイル漬け低温調理方法で、フランス料理のメインディッシュにもなる一品。それが500円均一のタパスメニューに登場するとは、驚きの高コスパだ。
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5/7約180席の店内は、テーブル席とソファー席がある。ゆっくり腰を落ち着けて食事を楽しんだり、モクテルを一杯だけ楽しんだりと、多彩なニーズを満たしてくれる。
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6/7ガラス細工が美しいバーカウンター。ここで飲むモクテルは雰囲気抜群。六本木らしい洗練された時間と空間に浸ることができる。
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7/7「モクテルの認知度は、日本ではまだまだこれから。アルコールを飲む、飲まないに関わらず、どうぞ大人の夜を楽しんでください」と、岡元憲幸店長。

『リゴレット バー アンド グリル』では、海外でのノンアルコール人気を受け、およそ2年前からアルコールを一切含まない“モクテル”メニューを充実させてきた。取材時は縮小メニューであったが、現在はフルメニューに。メニューに載っていないモクテルも、カウンターでバーテンダーに伝えれば、好みのドリンクを作ってくれる。

ショートモクテルは、まるで本物のカクテルのよう。スタイリッシュな雰囲気を壊さず、クリアな思考のまま、六本木らしい大人の雰囲気が楽しめて、しかも大人が飲んでも「美味しい!」と思える味だ。また現在トレンドとなっているレモネードベースのモクテルも5種類。そして同店自慢の「オリジナルジンジャーエール」は、生姜の香りと辛味を存分に感じる濃厚テイストで、これだけでも飲みに来たいと思えるほど。

イタリアン、スパニッシュ、アメリカンダイナーと、あらゆる食欲を満たす同店だが、中でも人気は100%ビーフを使用した「リゴレットバーガー」。ミルクをたっぷりと使用したほんのりと甘みのあるバンズも自家製で、ハンバーガー好きが注目する「六本木グルメバーガーグランプリ」3冠に輝いた納得の美味しさだ。カジュアルリッチな雰囲気の中、ちょっと一杯でも、しっかりと食事を取りたい時でも、訪れてみたい店である。

TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
PHOTO BY CHISATO NOGUCHI(NDPP.)

RIGOLETTO BAR AND GRILL(リゴレット バー アンド グリル) 住所 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ウェストウォーク5F 電話 03-6438-0071 営業時間 日曜~木曜11:30〜23:00、金曜・土曜11:30〜翌2:00 定休日 無休 ※価格は税別 ※17:00以降は、コベルト(席料)¥350をひとりごとにチャージ。22時以降は、深夜料金として10%追加チャージ ※クレジットカード使用可 ※六本木ヒルズ等各施設では、新型コロナウイルスの感染拡大防止の予防対策を徹底し営業を再開しております。また一部の店舗では営業時間を短縮、もしくは臨時休業を継続しております。ご来店の際には事前に各店舗へお問い合わせください

❷ フルーツ入りのノンアルコールカクテルで気分も華やいで
——BISTRO CRESTA(ビストロ クレスタ麻布十番店)

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1/7「柑橘とキウイフルーツのビターズスカッシュ」¥680。オレンジ、グレープフルーツ、キウイ、トニックウォーターのノンアルコールカクテル。フルーツの酸味と甘味、苦味のハーモニーを味わえる。見た目も可愛くて、お酒を飲まない日でも気分が明るくなりそう。
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2/7「コットンキャンディのノンアルコールスパークリング」¥780。ブルーベリー、ラズベリー、クランベリーなど5種のベリー入り。グラスにベリーと綿菓子をのせ、ノンアルコールスパークリングワインを注いだ、ちょっぴり贅沢なカクテル。
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3/7「スペイン産ハモンセラーノとイベリコ豚のサラミの盛り合わせ」¥480(1名分/写真は2名分)。お酒にはもちろん合うが、ノンアルコールにも合う人気のタパス。
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4/7「炭火ハラミステーキ グリーンペッパーソース」¥1,980。炭火グリルでじっくりと香りをつけながら焼いたステーキで、食べ応え抜群。フレンチフライ添え。
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5/7キッチンの奥にある隠れ家的な個室には、シャンデリアが煌めく。親しい人との会食に、プライベートを保ちながら飲食ができる。
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6/7店内は黒が貴重で、オレンジの照明が魅力的な空間を創り出している。カウンター席、テーブル席、ボックス席、個室があり計52席。
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7/7「お酒は種類豊富に、お酒を飲まない方のためのノンアルコールカクテルやソフトドリンクも色々とご用意しています」と、店長の小川一紀さん。

麻布十番駅から歩いて1分の、炭火焼きグリルとスペイン料理主体のレストランバー。お酒を飲めない人、飲めるけれど今日はあえて飲まないという人には、ノンアルコールスパークリングワインやフルーツを使ったカクテルを。ソフトドリンクとはまた違った気分で、友人や同僚との会食に参加できる。

お勧めは写真の「柑橘とキウイフルーツのビターズスカッシュ」や、「コットンキャンディのノンアルコールスパークリング」。いずれもフルーツの酸味や苦味、甘味が効いた大人向けドリンクで、あえて飲まない日でも、まるでお酒を飲んでいるような気分に浸れる。

料理はスペインのタパス(小皿料理)を中心に、人数に合わせてサイズが選べるパエリアや、炭火焼きグリルで焼いた牛ステーキなど誰からも好まれるラインナップ。店内は幻想的で都会的なインテリアで、覚えておくと少人数での会食に重宝しそうだ。 

TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA
PHOTO BY FUMIAKI ISHIWATA(NDPP.)

BISTRO CRESTA(ビストロ クレスタ麻布十番店) 住所 東京都港区麻布十番2-20-5 ライオンズマンション麻布十番第2-202 電話 03-6435-3330 営業時間 11:30〜15:00(L.O.14:30)/17:30〜23:30(L.O.フード22:45、ドリンク23:00) 定休日 無休(年末年始とお盆は休み) ※クレジットカード使用可 ※価格は平日ランチは税込、週末祝日は税別、ディナーは税別 ※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業時間は前後する可能性があります。ご来店の際には事前に店舗へお問い合わせください

❸ 花に囲まれた癒しの空間で仲間と楽しいひと時を
——Flower Apartment(フラワーアパートメント虎ノ門)

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1/7「ジャスミンスカッシュ」¥800。レシピはグレナデン(ザクロ)シロップ、トニックウォーター、ジャスミンティー。グレナデンのほんのりした苦味がリラックス感を与えてくれる。この苦味によってまるでお酒を飲んでいるような気分になれる。
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2/7「ノンアルコール梅酒の紅茶割り」¥800。こちらもジュースとはひと味違ったカクテル気分で飲めるノンアルコールドリンク。
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3/7「チーズの盛り合わせ」¥1,600。自家製のラムレーズンナッツ。ラムに漬けたレーズンとくるみ、クリームチーズと合わせたもの、パルメジャーノ・レッジャーノ、ダナブルー、オリーブ2種。
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4/7「サラミと生ハムの盛り合わせ」¥1,400。サラミとイタリアのプロシュート、ドライトマト。ワインにもノンアルコールカクテルにも合うおつまみ。
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5/7木目調のテーブルと椅子で居心地いい店内。肩肘張らなくていい雰囲気なので、疲れた仕事後でも気軽に集まれる。
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6/7オープンキッチンのバーカウンターまわりも緑溢れる空間。様々な集まりに合わせた、花のデコレーションも注文することができる。
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7/7店内では飲食だけでなく花の販売、フランス産調味料やロゼワインの販売などもある。

麹町に本店があるお花屋さんが虎ノ門に開いたレストランバー。花を中心に様々な企画を催しており、レストランウエディング、セミナー、ワインテイスティング、花に囲まれたパーティーと営業形態は多彩。テーマに合わせた花の装飾など、プロのフローリストが提案をしてくれる。

レストランはランチとディナーを営業。普段も店内にはセンスのいい花のアレンジメントが飾られている。「今日はお酒は飲まない」という日でも、花の癒しを求めて訪れてみては。ノンアルコールカクテルと店内に漂う花の芳しい香りが疲れを癒してくれる。

エディブルフラワー(食用花)を飾った「フラワーサラダ」ほか、女性シェフが作る料理はアラカルトもあるが現在はコースのみで提供している。5,000円、6,000円、6,500円(いずれも飲み放題付き)。現在、プライベート感を保ちながら落ち着いて食事したい人のために、6名から貸切ができる。また、”シェアレストラン”として、自分の好きなシェフを呼んで料理を作ってもらえるサービスも実施している。

TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA
PHOTO BY CHISATO NOGUCHI(NDPP.)

Flower Apartment(フラワーアパートメント虎ノ門) 住所 東京都港区西新橋2-13-15 アヴァンセ虎ノ門ビル 電話 03-6457-9987  営業時間 11:30〜14:30(L.O.14:00)/18:00〜21:00(L.O.22:00) 定休日 土曜・日曜・祝日(貸切は予約可) ※クレジットカード使用可 ※価格は税別 ※前日までの予約で6名〜15名で貸切可能(料理はコースのみ、部屋代チャージなし) ※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業時間は前後する可能性があります。ご来店の際には事前に店舗へお問い合わせください