BEST OF “SOBA” IN TOKYO

通の嗜み「蕎麦前」の作法を知り、せいろで〆る夜の蕎麦

デートでも、ビジネス利用でも、気の置けない仲間との会食でも。今宵、お酒と酒肴(蕎麦前)を嗜み、蕎麦で〆る……そんな蕎麦屋の粋な作法を実感できる名店3軒をご紹介します。

EDIT BY TM EVOLUTION.INC

❶ 季節の創作料理とお酒、十割蕎麦を満喫
——蕎麦前 山都(ソバマエ ヤマト)

サクラマスと山菜のサラダ
1/7「サクラマスと山菜のサラダ」¥1,400。筍、ウルイ、コゴミ、山うど、スナップエンドウと昆布締めにしたサクラマスを、梅入りで酸味のあるドレッシングでいただく春を感じるサラダ。
サクラ肉のタタキ
2/7「サクラ肉のタタキ」¥1,800。熊本産の馬刺しは炙ってタタキに。添え物はアサツキ、金美人参、新玉ねぎ、ミョウガ。
濃厚胡麻つけそば
3/7「濃厚胡麻つけそば」¥1,000。自家製ラー油付き。ランチでも大人気のメニュー。少し甘みのある濃厚な胡麻のつけ汁が細めの蕎麦によく絡む。
レモンサワー
4/7店では常に新しいお酒や料理のメニューを開発中。果物や果実を漬けたお酒もあり、特にレモンサワーには力を入れている。
蕎麦屋 山都
5/7代々木上原で16年の歴史がある『蕎麦屋 山都』が六本木ヒルズに出店。系列グループには居酒屋の名店『並木橋なかむら』『分店なかむら』などがある。
蕎麦屋 山都
6/7六本木ヒルズ けやき坂通りに面した『山都』。シンプルかつ印象的な店構え。
店長の渡邊太一さん
7/7「街に愛されるお店を目指しています」と、店長の渡邊太一さん。

「蕎麦屋とは思えない、旬の素材を使ったつまみの数々をご用意しています」と店長の渡邊さんが言うように、気の利いた和食店のような酒肴でゲストを出迎えてくれるのが、ここ『蕎麦前 山都』。

豊洲から仕入れた新鮮な食材や、農家直送の野菜を使った天ぷら、春先は獲れたての山菜を盛り込んだ料理が並ぶ。食材の産地が明記された、その日のおすすめメニューも要チェックだ。蕎麦前の料理と一緒に飲みたいお酒は、日本各地の日本酒や焼酎、サワー、シャンパン、ワインなど幅広く網羅。「今後は、日本のワインにも力を入れていきたいですね」と店長。

〆は、ブレンドの蕎麦粉を使った十割蕎麦で。細めで喉越しのいい蕎麦は、打ち立てで供される。名物のつけ蕎麦は数種類を用意。中でも「濃厚胡麻つけ蕎麦」は、まろやかな胡麻だれが蕎麦とよく合い、クセになりそうな美味しさだ。

TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA
PHOTO BY SHO KATO(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)

蕎麦前 山都(ソバマエ ヤマト)

蕎麦前 山都(ソバマエ ヤマト) 住所 東京都港区六本木6-12-2 六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F 電話 03-6447-1268 営業時間 11:30〜14:30(L.O.14:00)/17:30〜23:00(L.O.22:00) ※予約可 ※カード使用可 ※価格は税別

❷ 古に思いを馳せ、呑み、蕎麦を手繰る
——大坂屋虎ノ門砂場(オオサカヤトラノモンスナバ)

そばがき
1/6「そばがき」¥1,650。山芋は使わず、職人が力を込めて練り上げ、自然なふわふわ感を出していく。
穴子サラダ
2/6「穴子サラダ」¥1,230。6代目当主・稲垣隆俊さんが考案する新作メニューも豊富に揃う。
鴨のくわ焼き
3/6「鴨のくわ焼き」¥1,550。その時々、いい状態の鴨を、返しを使ったたれで焼き上げた、酒の肴に絶好の一品。
柚子切り
4/6「柚子切り」¥1,030。白い蕎麦粉で作った「ごぜん蕎麦」に柚子を練り込んで。春は桜切り、冬は柚子切りなど、季節を反映した変わり蕎麦も楽しみ。
歴史的家屋
5/6大戦の空襲をも奇跡的に免れた歴史的家屋の中で、時の流れを感じながら一献。すべての世代に至福をもたらす。
大阪屋虎ノ門砂場
6/6同じ屋号を持つ店の中でも、最古のクラスとなる『大坂屋虎ノ門砂場』。

明治5年(1872年)から脈々とその歴史を刻んできた東京屈指の老舗。佇まいからも、刻まれてきた長い年月を窺い知ることが出来る無二の蕎麦店だ。中高年男性の特権的存在だったここに、最近若いカップルや女性のひとり客など、これまでにない層が訪れるようになった。きっかけはもちろん、「虎ノ門ヒルズ」の開業。ワーカーたちにもその価値は再認識されつつあるようだ。

『砂場』という屋号は、大阪に端を発する。大阪城築城の際、資材としての“砂”を置いていた場所に、多くの蕎麦店が集まり大変に繁盛した、という史実に由来すると言われている。その後江戸幕府の始まりと共に現在の麹町へ移転、その暖簾分けとして『大坂屋虎ノ門砂場』が誕生した。

人気を博す理由は、往時から変わっていない。今となっては、定番から新作まで30を優に超える様々な肴で酒を愉しみ、〆は『砂場』系独特の繊細な蕎麦を食す。蕎麦のほか、丼物も様々。アイドルタイムのない通し営業ゆえ、遅めのランチ、仕事が早く終わったあとの早飲み……など、シチュエーションに応じて使い分けが出来る、都会のオアシスだ。

TEXT BY KAZUHIDE TAIRA
PHOTO BY SHO KATO(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)

大坂屋虎ノ門砂場(オオサカヤトラノモンスナバ)

大坂屋虎ノ門砂場(オオサカヤトラノモンスナバ) 住所 東京都港区虎ノ門1-10-6 電話 03-3501-9661 営業時間 月曜・火曜11:00~20:00(L.O.19:30)、水曜・木曜・金曜11:00~21:00(L.O.20:30)、土曜11:00~15:00(L.O.14:30) 定休日 日曜・祝日・第3土曜 ※カード使用不可 ※価格は税込

❸ 各地の地酒と美食を楽しみ、二八蕎麦で〆る
——青山 川上庵(アオヤマ カワカミアン)

レンコンと海老のはさみ揚げ
1/7「レンコンと海老のはさみ揚げ」¥920。粗目の海老のすり身にネギと卵白を加え海老しんじょうにし、レンコンで挟んで揚げたもの。
半熟うまき
2/7「半熟うまき」¥1,630。半熟の玉子焼きの中に、刻んだうなぎとねぎがたっぷり入ったひと皿。玉子に箸を入れると、中からとろとろの玉子が溢れ出す。卵は8個も使用。
レンコンの信州牛肉巻き
3/7「レンコンの信州牛肉巻き」¥1,720。程良いサシの入った信州産の牛肉を薄切りにし、厚切りのレンコンに巻いてすき焼き風のタレで仕上げた逸品。
鴨たたき
4/7「鴨たたき」¥1,000。栃木の農家から仕入れた鴨を、表面のみ炙ってタタキに。臭みが全くなく、噛み締めた時のコクが日本酒と良く合う。
天せいろ
5/7「天せいろ」¥2,100。特大の有頭海老2尾と旬野菜の天ぷらが付いたせいろ蕎麦。
しっとりと落ち着いた雰囲気の店内
6/7しっとりと落ち着いた雰囲気の店内。深夜まで営業しているので、2軒目の店としても重宝する。
川上庵本店
7/72000年、軽井沢にオープンした『川上庵本店』。現在、軽井沢に2店舗と、東京には麻布店と、ここ青山店がある。

江戸時代、仕事帰りに蕎麦屋に立ち寄り、料理をつまみながらお酒を飲んで蕎麦で〆る……そんな江戸の粋を現代に継承しているのがここ『川上庵』だ。

まず蕎麦の前に楽しみたい料理は、鴨たたきなど定番に加え、半熟うまきや、レンコンと海老のはさみ揚げなど、自由な発想で従来の和食にアレンジを加えたものが揃う。お酒も日本酒や焼酎の蕎麦屋の定番に加え、スパークリングや赤、白ワインが豊富に揃い、ゆったりとグラスを傾けつつ、語らい寛ぐことができる。

『川上庵』で供されるのは二八蕎麦。信州産をはじめ国内外からその時々で状態のいいものを仕入れ、自社の製麺所で毎日使う分だけを挽く。そして粗挽きの蕎麦粉と水で蕎麦を打ち、細めに切って提供している。つゆは醤油ベースで、本枯れ節と北海道の真昆布で出汁をとった、江戸前のきりりとした味わい。天せいろほか、冷たい蕎麦と温かい蕎麦のメニューも豊富だ。

TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA

青山 川上庵(アオヤマ カワカミアン)

青山 川上庵(アオヤマ カワカミアン) 住所 東京都港区南青山3-14-1 電話 03-5411-7171 営業時間 11:30〜翌4:30(L.O.3:30) 定休日 無休 ※カード使用可 ※夜は予約可 ※価格は税別

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