COURSE OF CHINESE FOOD

野菜も摂れてバランスよし。少量多皿「コースチャイニーズ」

ひとりやふたりだと、大皿料理ですぐ満腹になる中華料理。美味しくても、オーダーするのに躊躇してしまうことってないでしょうか。そして、野菜が摂り辛いのも難点。そこで、この特集では、そんな心配を払拭する、少量多皿の、コース料理で勝負するレストラン3軒をご紹介します。

TEXT BY TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA
EDIT BY TM EVOLUTION.INC

❶ 肉好きも満足する、野菜たっぷりのベジコース
——中国家庭料理 北斗(チュウゴクカテイリョウリ ホクト)

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1/6野菜と豆乳クリームのソイ餃子。ベジコースの中の8品から(以下の料理も同じ)単品 ¥700。大豆ミートと玉ねぎ、キャベツ、長ネギ、ニンニク、生姜などの具に豆乳クリームを練り込んで旨味を出した、肉不使用の餃子。
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2/6大豆ミートとナスの石焼きマーボ(写真はコースの2人前)。大豆ミートと山椒を効かせた餡に、高温で揚げたナスをマーボ仕立てにした料理。大豆ミートは大豆イソフラボンやミネラルが豊富。
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3/6ソイ担々麺。単品 ¥1,000。担々麺の具には肉を使わず大豆ミートを使用。大豆ミートは肉に比べてカロリーが約半分。低脂肪でたんぱく質は肉と変わらず、食物繊維やミネラルが豊富。麺は血糖値が上がりにくい全粒粉麺を使用。ダイエット中の人にもおすすめだ。
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4/6カジュアルな雰囲気の居心地いい店内。昼はもちろん、夜も一品 ¥500のバルメニューがあるので、ひとりでも気軽に入りやすい。
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5/6表参道の駅から歩いて3分ほど。この看板を目印に地下へ。同じビルにある美容クリニックとのコラボで、食べても太りにくい全粒粉麺や大豆ミート、豆乳クリームなどを使った料理を開発している。
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6/6店長の貴田さん。「ベジコースの料理は、肉を使わなくてもコクや深い旨味が出るように、試行錯誤を重ねて作り上げた品々です」と語る。

「日本人シェフが作る、日本人の口に合った、美味しくて飽きのこない中華料理を目指しています」と店長の貴田さん。各月のおすすめから通常メニューまで約100種類を用意。上海料理をベースに四川料理も取り入れた品々を提供している。コースは「お手頃コース」1人前 ¥2,200、「少し贅沢コース」 ¥2,700(共に注文は2人前から)があるが、中でも注目したいのがお肉を全く使っていない「ベジコース」1人前 ¥4,000(2人前から)。

ベジタリアンはもちろんダイエット中の人も安心して食べられる「ベジコース」の料理は、きゅうりと干し豆腐の前菜、ミニソイ担々麺、豆乳クリームのフリッター、パクチーのサラダ、大豆ミートとナスの石焼マーボ、野菜と豆乳クリームのソイ餃子、中国野菜の炒め物、豆乳を使ったマンゴープリンの8品。お腹がいっぱいになるのに食後は体が軽くなる。

PHOTO BY YUJI YAMAZAKI(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)

中国家庭料理 北斗 青山店(チュウゴクカテイリョウリ ホクト アオヤマテン) 住所 東京都港区北青山3-5-17 はる木ビルB1F 電話 03-3403-0078 営業時間 11:00〜24:00(L.O.23:30)、土曜・日曜・祝日11:00〜22:00(共にランチタイムは11:00〜16:00、コース提供は17:00〜) ※カード使用可 ※価格は税込 

❷ 深紅の空間でいただく贅を凝らした中国料理のコースディナー
——CHINAROOM(チャイナルーム)

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1/7オーストラリア産牛フィレ肉のブラックペッパー炒め(¥12,000の2月のマンスリーディナーコースより。以下同)。2種のパプリカ、マコモダケ、アスパラ、キクラゲ、生姜、ニンニクと身体にいい野菜がたっぷり。
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2/7鮟鱇の白湯土鍋煮込み。鮟鱇と豆腐、広東白菜、クラゲ、しめじなどを長時間かけて仕込んだ白湯スープで煮込んだ鍋料理。
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3/7香り豊かなトリュフと茸の炒飯。椎茸、スナップエンドウ、クラゲ入りの炒飯で、トリュフに加え、仕上げにトリュフオイルを垂らしている。たっぷり入ったトリュフの香りに浸れるひと皿。
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4/7店内のインテリアはニューヨークを拠点に活躍するトニー・チー氏がデザイン。深紅をテーマにしており、エキゾチックで心踊る空間が迎えてくれる。
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5/7料理は本場のスパイスや自家製調味料を使い、本格的でありながら日本人にも食べやすいようにアレンジ。紹興酒やワインなども豊富に揃えている。
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6/7店内にはパーティールームとしても使える大きな部屋のほか、個室もある。
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7/7小池克昌料理長。レストランやホテルを経て2007年よりチャイナルームに勤務。2015年に料理長に就任して4年目。このキッチンを取り仕切る。 

接待や会食、記念日のディナーなど、ホテルならではの上質なサービスでどんなシーンでも安心して訪れることのできる店。大皿料理をシェアすることが多い中国料理だが、チャイナルームではひとり分ずつの上品な盛り付けのコース料理を提供しており、2名で行っても多数の料理を楽しむことができる。

料理は広東、四川、上海、北京料理の中国4大料理を網羅した素材や季節感を大切にしたもの。本格的な飲茶も提供している。東京にありながら各地の本場の料理を再現できるのは、「定期的に現地からハイアットグループのシェフを招聘して、上海蟹フェアなどのイベントを開催しています」と、小池克昌料理長。その際には日本のスタッフも常に現地の最新の料理や調理法を学べるのだという。2月は例えば「鮟鱇の白湯土鍋煮込み」のように、鍋料理も用意。鶏、豚、アヒルなどから7時間かけて煮込んだ白湯スープが、寒い季節に身体を温めてくれる。

PHOTO BY PHOTO BY SHO KATO(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)

CHINAROOM(チャイナルーム) 住所 東京都港区六本木6-10-3 グランド ハイアット 東京6F 電話 03-4333-8785 営業時間 ランチ11:00〜14:30(土曜・日曜・祝日11:00〜15:00)/ディナー18:00〜21:00 定休日 無休 ※カード使用可 ※価格は税・サ別 

❸ 中国各地方のエッセンスを取り入れた少量多皿の美食コースを
——頤和園(イワエン)

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1/6本日の香港的焼き物2種、サラダを添えて。霧島豚を使った窯焼きのチャーシューと健美鶏の腸詰ソーセージを少量の野菜とフレンチのような盛り付けで仕上げた一品。料理は全て ¥8,000のコース(9品、3時間の飲み放題付き)から。
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2/6フカヒレの薬膳式白湯スープ仕立て。根強い人気のフカヒレは気仙沼産のフカヒレを使用、白濁した白湯スープと上湯スープを使い、白木クラゲや金針葉を添えて仕上げる。
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3/6ソフトシェルシュリンプ大葉香り揚げ。柔らかく皮ごと食べられる大海老をからりと揚げて塩味ベースのソースで。エリンギとアヒルの卵の黄身を使ったフリット2種を添えた、盛り付けも楽しいひと皿。
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4/6重厚なインテリアの店内。仕切れる円卓個室(6〜40名)が4室、角テーブル個室(14〜20名)が1室ある。
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5/6人気の担々麺を目指して、ランチタイムには行列ができることも。周辺の会社がお休みの土曜日には、平日よりお得な ¥2,500と ¥3,500のお得なコースがある。
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6/6料理長の佐藤龍治さん(左)と店長の中野邦博さん(右)。近隣の常連客で賑わう同店を支えている。

溜池の地で50年近く続く老舗で、四川料理を中心に上海・香港料理のエッセンスも加えた料理を供している店。薬膳料理の資格を持つ佐藤龍治料理長は、約80種類のアラカルトメニューを出す一方で、ひとり分ずつ皿に盛った洗練されたコース料理を数種提供している。「ボリューム満点のコースもありますが、ここで紹介しているコースの料理は、お客様の要望に応じて美味しいものを少しずつ銘々皿でお出ししています」と語る。

老舗の伝統を守りつつ、時代の要望に合わせて、少しずつ料理は進化。前菜からデザートまで8品のコース料理は値段別に5種類あり、中華の人気メニュー、北京ダックや麻婆豆腐も並ぶ。その一方で、例えば「ソフトシェルシュリンプの大葉香り揚げ」のようにフレンチや和のエッセンスを取り入れた料理も。ドリンクも多数揃うので、女性同士でも行きやすい。 

PHOTO BY PHOTO BY YUJI YAMAZAKI(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)

頤和園 溜池山王店(イワエン タメイケサンノウテン) 住所 東京都港区赤坂1-1-12 溜池明産ビル1F 電話 03-3584-4531 営業時間 月曜〜金曜11:00〜15:00(L.O.14:30)/17:00〜22:30(L.O.22:00)、土曜11:00〜14:30(L.O.14:00)/17:00〜21:30(L.O.21:00) 定休日 日曜・祝日 ※価格は税別