IKUKO’S FASHION METHOD

初夏のパワーアイテムは男靴 !?——地曳いく子のおしゃれメソッド74

ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、マニッシュなトラッドシューズです。

STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA

季節の橋渡しに一足は持っていたいトラッドシューズ

あたたかくなり、マスク着用の規制も緩和され、外へとお出かけしたい気分がマックスになってきた今日この頃。となると歩きやすい靴が一番と思いますが、この3年ぐらいスニーカー人生を送ってきたので、たまにはスニーカー以外も履きたい衝動がウズウズと。ですが、サンダルだと、まだ足もとが寒く心もとなかったり。そんな時に気になったのが、ローファーやレースアップシューズ。トラッドだけど、ちょっとごついマニッシュな靴です。今後は、トレンドがよりエレガントな方向へと向かっていくと思います。ヒールが主役に戻ってくる日も近いはず。スニーカーに慣れ親しみ甘やかされた足にとっても、ヒールの一歩手前のならしとして履くのにちょうどいいのが、マニッシュな男靴です。サンダルへの季節の橋渡しとしても便利なパワーアイテムなので、ぜひ今年はトライしてみてください。

LVサークルのゴールドチャームが光るルイ・ヴィトンの《チェス・ライン・ローファー》。パテントカーフレザーにマリンテイストのモノグラム・パターンが散りばめられたデザインは、足もとにも個性を出したい人にぴったりな一足。シューズ¥172,700(ルイ・ヴィトン/六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F

サドルにカットアウトでインターロッキングGモチーフをあしらったグッチのローファー。サイドにステッチを施したカジュアルかつクラシカルなローファーに、さりげなく遊び心が投入された逸品。シューズ¥137,500(グッチ/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F

艶やかなレザーに厚みのあるラバーのアウトソールを採用したボッテガ・ヴェネタのチャンキーなローファー。トレンドのビッグシルエットにも合うボリューム感は、今年らしさをプラスするデザインに。シューズ¥154,000(ボッテガ・ヴェネタ/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F

光沢のあるカーフレザーを使用したエレガントなオープンバックローファー。夏に向けて軽やかになってくるファッションに取り入れたいトラッド感。季節のブリッジにひとつ持っていると便利。シューズ¥137,500(ボッテガ・ヴェネタ/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F

オブジェのような構築的なトゥと厚みのあるアウトソールがインパクトを残すバレンシアガのレースアップシューズ。履いただけでトレンドセッターになれる最強靴です。シューズ¥137,500(バレンシアガ/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F

ジャカード織のデニムを採用したシックでカジュアルなジョルジオ アルマーニのビットローファー。夏にも似合う、素足で履きたくなる爽やかな一足。シューズ¥140,800(ジョルジオ アルマーニ/六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F

サンローランのクラシカルな定番ローファー。つま先のボリュームを抑えたデザインは、足もとをすっきりとみせてくれます。シューズ¥115,500(サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ/サンローラン/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F

クラシカルかつエレガントなキートンのタッセルローファー。スキントーンに近いベージュのスウェード地が、きれいな足もとを作ってくれます。かっちりしたトラッドルックでも素敵ですし、小花柄のワンピースにもぴったりはまります。シューズ¥122,100(キートン/六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F・2F

ウェッジヒールにロゴをあしらったステラ マッカートニーのレースアップシューズ。素材はもちろんヴィーガンレザー。アイコニックなノコギリ形のソールも個性的な主張に。これさえ履けばというパワーアイテム。シューズ¥125,400(ステラ マッカートニー/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F

カジュアルなローファー気分で履きたいスウェードスニーカー。重くなり過ぎない色味なので、上に着る服の色を選ばず、幅広く活躍してくれます。履き心地も快適。シューズ¥135,300(ジョルジオ アルマーニ/六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F

洗練された細身ラインのトゥに、ごっついラバーソールをフュージョンしたクリスチャン ルブタンのシューズ。このアンバランスが魅力です。シューズ¥139,700(クリスチャン ルブタン/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F

ベルトにあしらわれた“D2”ロゴのメタルがポイントになったディースクエアードのローファー。上品なラウンドトゥと力強いタンクソールのハイブリッドなデザインが印象的。シューズ¥156,200(ディースクエアード/表参道ヒルズ 本館1F

地曳いく子が指南する
マニッシュな男靴のススメ

❶ 一足で様々な表情を楽しめる強い味方

ローファーやレースアップシューズといえば、かつてはスーツやパンツルックに履くのが定番でした。ところが、ラグジュアリーなアイテムとしてスニーカーがおしゃれの市民権を得て以来、足もとにも多様化の波が。トラッドだからと、それ一辺倒になる必要はもはやありません。Tシャツデニムのカジュアルなスタイルはもちろんのこと、ワンピースやスカートにもガンガン履けます。私はローファーを素足で履くのが好きですが、防寒とおしゃれを兼ねて靴下やタイツと合わせてもいいですし、履き方のスタイルも選びません。同じ靴でもいろいろな表情が楽しめるのが、実はトラッド靴だったりするのです。歩きやすさはヒール以上、なのに小綺麗感はアップ。ある意味、タイプを選ばない靴なので、その人によってこなしやすいアイテムでもあります。一足持っていると何かと活躍してくれます。とりあえずいろいろな服に合わせてみて、新しいスタイルを楽しんで!

❷ トラッド靴で個性を主張できる時代へ

一見オーセンティックな形に見えますが、ちょっと癖ありなローファーやトラッドシューズが多いのも今年。アッパーはクラシカルなデザインなのに、ビブラムソール風のがっしりとしたラバータイプの厚底など、エレガンスとカジュアルのフュージョンタイプも多く目につきます。ユニークな素材だったり、構築的な形だったりと、ひとひねりあるデザインも多く登場。さりげなく足もとで個性を主張できるのが、今年のトラッド靴なのです。

❸ エレガンス派はシュッとしたタイプを

足もとにボリュームが出て主張しすぎるのはちょっと苦手、だけど今年らしさは取り入れたいという方は、コバ(靴底の側面)の出っ張りが少なく、先がシュッとしたデザインのものを選んでみましょう。プレーン過ぎるとフォーマルな堅苦しさも出てくるので、色や素材などで遊びのあるものを取り入れてみるとこなしやすいです。

 

profile

地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『日々是混乱』(集英社)など多数。集英社より最新刊が5月10日に発売予定。

※2023年4月現在の情報となります。
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