ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、マニッシュなトラッドシューズです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
季節の橋渡しに一足は持っていたいトラッドシューズ
あたたかくなり、マスク着用の規制も緩和され、外へとお出かけしたい気分がマックスになってきた今日この頃。となると歩きやすい靴が一番と思いますが、この3年ぐらいスニーカー人生を送ってきたので、たまにはスニーカー以外も履きたい衝動がウズウズと。ですが、サンダルだと、まだ足もとが寒く心もとなかったり。そんな時に気になったのが、ローファーやレースアップシューズ。トラッドだけど、ちょっとごついマニッシュな靴です。今後は、トレンドがよりエレガントな方向へと向かっていくと思います。ヒールが主役に戻ってくる日も近いはず。スニーカーに慣れ親しみ甘やかされた足にとっても、ヒールの一歩手前のならしとして履くのにちょうどいいのが、マニッシュな男靴です。サンダルへの季節の橋渡しとしても便利なパワーアイテムなので、ぜひ今年はトライしてみてください。
地曳いく子が指南する
マニッシュな男靴のススメ
❶ 一足で様々な表情を楽しめる強い味方
ローファーやレースアップシューズといえば、かつてはスーツやパンツルックに履くのが定番でした。ところが、ラグジュアリーなアイテムとしてスニーカーがおしゃれの市民権を得て以来、足もとにも多様化の波が。トラッドだからと、それ一辺倒になる必要はもはやありません。Tシャツデニムのカジュアルなスタイルはもちろんのこと、ワンピースやスカートにもガンガン履けます。私はローファーを素足で履くのが好きですが、防寒とおしゃれを兼ねて靴下やタイツと合わせてもいいですし、履き方のスタイルも選びません。同じ靴でもいろいろな表情が楽しめるのが、実はトラッド靴だったりするのです。歩きやすさはヒール以上、なのに小綺麗感はアップ。ある意味、タイプを選ばない靴なので、その人によってこなしやすいアイテムでもあります。一足持っていると何かと活躍してくれます。とりあえずいろいろな服に合わせてみて、新しいスタイルを楽しんで!
❷ トラッド靴で個性を主張できる時代へ
一見オーセンティックな形に見えますが、ちょっと癖ありなローファーやトラッドシューズが多いのも今年。アッパーはクラシカルなデザインなのに、ビブラムソール風のがっしりとしたラバータイプの厚底など、エレガンスとカジュアルのフュージョンタイプも多く目につきます。ユニークな素材だったり、構築的な形だったりと、ひとひねりあるデザインも多く登場。さりげなく足もとで個性を主張できるのが、今年のトラッド靴なのです。
❸ エレガンス派はシュッとしたタイプを
足もとにボリュームが出て主張しすぎるのはちょっと苦手、だけど今年らしさは取り入れたいという方は、コバ(靴底の側面)の出っ張りが少なく、先がシュッとしたデザインのものを選んでみましょう。プレーン過ぎるとフォーマルな堅苦しさも出てくるので、色や素材などで遊びのあるものを取り入れてみるとこなしやすいです。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『日々是混乱』(集英社)など多数。集英社より最新刊が5月10日に発売予定。
※2023年4月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
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