Fermented foods for health

新年のデトックス! サスティナブルな発酵食で本気の“腸活”

忘年会、新年会で胃腸もココロも少しお疲れ気味では? 昨今、日本の伝統食として見直されている発酵食や発酵調味料で身体をリセットしましょう。美味しく食べて健康になる、“SDGs”を実践しているお店3軒をご紹介します。

EDIT BY TM EVOLUTION.INC

❶ 身体によい料理が基本、発酵食を使うメニューも
——アークヒルズカフェ

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1/7「いろいろ野菜の和風アヒージョ」¥1,200。ニンニクを入れた野菜のみのアヒージョで、米油と醤油麹を使っているからあっさりめなのが特徴。大葉とみょうがをかけていただく。バケット添え。
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2/7「あさりとキムチの納豆パスタ」¥1,400。納豆の濃厚な味わいがパスタとよく合う。発酵食品であるキムチもたっぷり入ったヘルシーなパスタ。
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3/7「ファラフェルバーガー タヒ二ソース」¥1,100。 ひよこ豆をつぶしてパテの形にした、肉の入っていないバーガー。バンズの上には、パテ、オニオン、トマト、アルファルファがのっている、ベジタリアン対応の料理。肉を使った通常のハンバーガーも用意。
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4/7古材をふんだんに使った店内の内装デザインは、創業者であるオーナーが担当。テーブルまわりも広めに取られていて、思わず長居したくなる空間になっている。
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5/7系列の飲食店を現在8店舗運営。アークヒルズカフェは単に飲食の提供だけでなく、地域で働く人や住民が、毎日の暮らしを楽しくする、豊かにする場所を提供している。
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6/7座り心地のよいソファや古材の家具、アンティークのポスターなど、細部にもこだわりが感じられる。
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7/7毎週土曜日、目の前のカラヤン広場ではマルシェを開催。買い物帰りに気軽に立ち寄れるテラス席もある。

アークヒルズで住人や働く人の日々の生活を、ちょっと豊かにする場所として、またコミュニティを繋ぐ“ハブ”のような存在を目指してオープンした、今年で11年目になるカフェ。

ボリュームたっぷりのランチ、各種スイーツが揃うカフェタイム、夜はお酒を囲んでと、休憩時間なしでオープンしているので、様々な利用の仕方ができる。都内では希少な、広い敷地面積の店舗だから、大人数での集まりにも向いている。

夜の料理は、ビオワインを飲みながら囲みたいメニューが揃う。野菜をたっぷりと使い、中には発酵食品を使ったメニューもある。ヘルシーで身体にいいことが考慮されているので、年末年始の暴飲暴食をリセットしたい人にはおすすめだ。

TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA
PHOTO BY FUMIAKI ISHIWATA(NDPP.)

アークヒルズカフェ 住所 東京都港区六本木1-3-40 アークヒルズカラヤン広場スペイン坂入口 電話 03-6229-2666 営業時間 11:00〜23:00(土曜10:00〜23:00) 定休日 無休 ※クレジットカード使用可 ※価格は税込み ※パーティーは要予約

❷ 腸の中からキレイになれる発酵食料理とドリンク
——発酵居酒屋5(ハッコウイザカヤ ゴ)

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1/7発酵からあげ ¥1,000と強発酵レモンサワー ¥800。からあげは鹿児島産の鶏肉を塩麹に漬け込み、米粉を使った衣をつけて米油で揚げている。塩麹に漬けた鶏肉はとても柔らかく消化にもいい。レモンサワーは上にホイップした酒粕を添えている。こちらはマイルドな味わいで、リピートしたくなる。
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2/7発酵シャルキュトリー盛り合わせ 大 ¥1,820。鶏肉は柚子麹味噌で味付けした蒸し鶏。それに酒粕を食べさせて飼育した猪豚と、ワインの酒粕を食べさせて飼育した牛肉を醤油麹に漬けてから低温調理したもの。いずれもしっとりと柔らかく噛むと旨味がじわりと広がる。無添加のマッコリはグラス ¥600〜¥800。
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3/7アボカドの酒粕醤油漬け ¥620。酒粕に漬けることによって、酒粕の中のイースト菌がアボカドの中に入って発酵。シュワっとした食感のアボカドに仕上がっている。これを食すと菌がお腹の中の余分な糖を食べてくれ、腸の中がすっきりするという。お酒によく合い、アボカドの強い酸味がくせになりそうだ。
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4/7表参道の交差点から徒歩2分。コンクリート打ちっ放しの天井と、木材を多用した落ち着く内装の店内。
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5/7米に麹菌をつけて、米麹を育てている。麹が呼吸できるよう、固まった米を毎日手で作業を行う。
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6/7入り口には米麹を発酵させている樽が置かれている。米を蒸してから麹カビをつけて発酵させ米麹を作る。この麹は味噌や醤油の醸造に使用される。店内で出される料理の下味などにこの麹が使用されている。
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7/7鎌倉でも発酵料理店を営んでいた総料理長の鈴木大輝さん。全ての料理を考案するほか、この店舗で「初級発酵醸造士認定講座」を企画している。詳細は https://www.haccoop.com/

鎌倉で自身の発酵コリアンカフェを営んでいた鈴木大輝さんが、表参道に発酵居酒屋の料理長として参画。全ての料理と飲み物に何かしら発酵食品が使用されている。

「飲んで食べて、しかも元気になれる居酒屋です。発酵食は体内の循環をよくして、腸の働きが良くなり、さらにお通じが良くなります」と発酵食に詳しく、自身を「発酵わくわく大使」と称する鈴木さん。自慢の発酵からあげをはじめ、焼き鳥、刺身、ポテサラ、ステーキなど、料理の下味やソースに発酵食が入り、より美味しく仕上がっている。肉類は麹に漬けることで柔らかく旨味が増している。

日本酒は火入れをしない生酒、マッコリ、発酵レモンサワー、酵素レモンのサングリアなど、酒類も発酵尽くし。日本人の食生活に長い年月根付いてきた発酵食。飲み会をしても、身体にいい食事と飲み物を摂れるのが嬉しい。

TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA
PHOTO BY SHIGEYASU GUSHIMA

発酵居酒屋5(ハッコウイザカヤ 5) 住所 東京都港区南青山3-18-3 B1F 電話 03-5413-8701 営業時間 11:30〜15:00(L.O.14:30)/17:00〜23:00(L.O.22:00) 定休日 日曜 ※クレジットカード使用可 ※価格は税別、チャージ1名¥500 ※なるべく予約を

❸ 日本の食文化「焼き鳥」をグローバルな視点で再構築
——焼き鳥とワイン 源(ヤキトリトワイン モト)

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1/7席につくとまず提供されるのが「季節の発酵惣菜」。これが多彩に味の奥行きを見せていると大評判なのだ。奥から時計回りに、発酵白菜、林檎の甘辛キムチ、熟成茸のスパイスマリネ、紫キャベツのザワークラウト、春菊と胡桃の舌和え、熟成鴨のなめろう。
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2/7「カリフラワーの炙り焼き」は、ミモレットとカラスミをトッピング。強火で焼いたカリッとした食感に、チーズのまろやかさとカラスミの塩気が寄り添う。
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3/7焼き鳥はおまかせで1本 ¥280均一。ストップと声をかけるまで提供されるスタイルのほか、食事とデザートが付いたコースメニュー(¥5,500〜)もある。
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4/7奥から順に、海老と黒糖タレのささみ焼き、名古屋コーチンのせせり、胸肉に首皮を巻いた柚子胡椒焼き、ガラムマサラと山椒で焼いた砂肝。食感も、味わいも多種多彩だ。
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5/7大人の隠れ家のような全23席のCOZYな店内。半個室のテーブル席なら、落ち着いた話もできる。
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6/7発酵食材は、全て店で手づくり。最適な状態を提供するため、一度に大量に仕込まず、消費する分を日々丁寧に仕込んでいる。冬場は食材を4日間寝かせているそうだ。
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7/7店舗オープン当初から焼き場を守ってきた料理長、長谷部雄太さん。「食のボーダレス化が進む中で、和食の可能性をさらに広げていきたい」と、抱負を語る。

『焼き鳥とワイン 源』は、焼き鳥と発酵という和食の2大テーマをワインで愉しませてくれる新スタイルの焼き鳥店だ。鶏肉は、地鶏・ブランド鶏の様々な部位を厳選。肉の新鮮さを生かした歯ごたえ、食感を大切に、料理長自ら、その日の串を仕込んでいる。

その焼き鳥串に合わせるのが、ひとりにひと皿ずつ提供される「季節の発酵惣菜」プレートだ。これが絶品! 酸味、甘味、辛味、旨味とまるで味覚のデパートのごとく、焼き鳥の合間の箸休めとなり、これが食べたくて再訪する客も多いとか。

こうした料理に合わせるのは、保存料の使用を抑え、本来の果実味を表現したナチュラルワインの数々である。中でもおすすめはジョージア産のオレンジワインだ。しっかりとしたボディは肉料理に負けず、若干の渋みは炭火焼きの香ばしさと相性がいい。ほかにも、この店のワインリストはまるでワインバーのようだ。ボトルメニューでおよそ50種類。グラスでも赤4種類、白4種類、オレンジ2種類、スパークリング2種類を注文できる。

TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
PHOTO BY SHIGEYASU GUSHIMA

焼き鳥とワイン 源(ヤキトリトワイン モト) 住所 東京都港区六本木3-8-7 茂海ビル1F 電話 03-3475-6333 営業時間 17:00〜23:00(L.O.22:30) 定休日 日曜 ※クレジットカード使用可 ※価格は税別