もうすぐ待望の大型連休がやってきます。けれど、どこに行くのもお高めだし混んでるし……。ならば、東京に居ながらにして海外旅行気分を満喫できるこんな場所へ。料理も雰囲気も現地そのまま、初めて出会う希少なレストランへ旅しましょう。
EDIT BY TM EVOLUTION.INC
❶ 温もりのある店内でいただく北欧の家庭料理
——Lilla Dalarna(リラ・ダーラナ)
北欧の魅力は、デザインやインテリア、家具だけではない。厳しい自然環境の中で北欧の人々が育んできた、素朴ながらも奥が深く、季節の食材を大切にしてきた料理には、食べることへの喜びや感謝がある。そんな北欧の家庭料理をいただけるのが『リラ・ダーラナ』だ。
「スウェーデン料理を中心に伝統的な北欧料理を食べていただきたい、という思いから始まったお店です。そのためメニューはほぼ変えずに、同じ味を守っています」というのは25年間、北欧料理を極めてきた遠藤芳男シェフ。定番の食材は、ジャガイモやノルウェーサーモン、ニシンなど。料理はどれも素材の良さが生かされていて、心も和む味わい。「中でも代表的な料理がミートボールで、リンゴンベリー(こけももの実)ソースは欠かせません」と遠藤シェフが言う通り、ミートボールと爽やかな甘みのリンゴンベリーソースの組み合わせは意外な美味しさだ。
こうした料理をいただくのは、木のぬくもりが感じられるスウェーデンの田舎家のような店内。「北欧には、料理をいただく食卓を美しく整える文化があります。そういうものも一緒に感じてほしいですね」。
TEXT BY REIKO HISASHIMA
PHOTO BY YUJI YAMAZAKI(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)
❷ 現地の味を忠実に再現する、稀有なアフリカ料理店
——AFRICAN HOME TOUCH(アフリカンホームタッチ)
店内に足を踏み入れた途端、芳しき香辛料やマトンの香りが鼻孔を刺激する。こちらは、六本木ロアビル前にひっそりと居を構えるレストラン『アフリカンホームタッチ』。ガーナ人の女性シェフ、グラディスさんが腕を揮うアフリカ料理店だ。ゲストの大半は、来日中のアフリカン。そんな、現地さながらの味とムードを求め、日本人のエスニックファンも多く訪れる。
古くより、アフリカ大陸では地産地消を体現する、地場産の果物や穀類、野菜、放牧で生み出されるミルクや肉を中心に食生活を送ってきた。時を経て、シェフの故郷であるガーナなど西アフリカの国々では、ローマ帝国やイスラム文化、アメリカ大陸の影響を受け、独自の食文化を培っていく。この店でも、そんなアフリカの歴史が垣間見える、家庭的でありながらもどこか洗練された、個性溢れる品々が供される。
ドリンクも豊富で、アフリカ直輸入のビール、アフリカンワインなどが多数揃えられている。店内もアフリカ独特のカラフルなデザインが施されたテキスタイルに包まれており、本場さながらの雰囲気に浸ることが出来るだろう。10連休のひと時、六本木で、はるか彼方への旅気分を味わってみてはいかがだろうか。
TEXT BY KAZUHIDE TAIRA
PHOTO BY MUTSU KIYOSAWA
❸ ハワイアンミュージックを聴きながら無国籍料理を
——Sashimi & Grill HALEKAI’S ROPPOMGI( ハレカイズ 六本木店)
和食、中華、アメリカ、フランス、イタリアなど様々な国の料理が融合するハワイアン料理。こちらは、そのハワイのエッセンスを取り入れた独創的な無国籍料理を楽しめる店。特に豊洲市場を通じて仕入れる全国の魚を使った刺身料理に力を入れており、和食の刺身とは解釈を変えて、オリジナルのソースを合わせた洋風スタイルで供される。日本酒はもちろんワインやシャンパンにも合いそうだ。
メニューは魚介に加えて、いろいろな前菜とサラダ、肉類のグリル料理、ご飯と麺料理など幅広い品揃えで、どんなメンバーと行っても、誰もが好きな料理が見つかるだろう。子供が食べやすい鮭ご飯やイクラご飯もあるので、週末は家族連れも多いという。
開放的なテラス席にはテーブル席のほか、中にソファを置いたテント席がある。こちらは予約が必要だが、都心にありながら家族や仲間でキャンプ気分を楽しめそうだ。
TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA
PHOTO BY SHO KATO(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)
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