午前から続く会議、急なゲスト対応、ちょっと寝坊した休日。そんな時はもちろん、ランチのピークを迎える12時前後の時間帯、“ランチ難民”になってしまうなんてこと、ないですか? 「14時以降も開いてればいいのに……」と思うこともしばしば。ここでは、そんなわがままにも対応してくれる、美味しくも便利な「遅昼ご飯」御用達、アークヒルズと、ヒルズエリア周辺の3軒をご紹介します。
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❶ 新鮮な季節の海鮮がたっぷりと盛られた贅沢丼
——日本橋海鮮丼 つじ半
ランチとディナーの間の休憩時間がなく、どの時間帯に行っても新鮮な海鮮丼が食べられる専門店。北海道最大手の水産卸売会社『キョクイチ』から仕入れる魚介は、サービス精神溢れる店の心意気で、たっぷりと贅沢に盛られる。
メニューは、丼の「梅、竹、松、特上」の4種のみ。おすすめは梅で、これが全ての丼の基本となる。竹はその基本の梅にプラスで蟹、松はプラス蟹とウニ。いずれもいくら増しはプラス¥300、ウニ増しはプラス¥500となる。丼にはカツオ、ぶりなど季節の刺身が小皿で別途付いて供される。
丼の作り方は、まず固めに炊いた新潟産の米に炒ったゴマをかけ、醤油をたらして混ぜたネタをのせ、わさび、海苔、シソを添える。混ぜたネタをタワーのように高くのせた盛り方がユニークだ。
食べた後にはご飯をお椀によそい、魚の出汁をかけてもう一杯提供するという、2度美味しいサービスがある。食べ切れない女性は、丼のご飯を少し残しておいて、鯛や海老などをボコボコ沸かしてとったいう、白濁した出汁の奥深さも味わってほしい。
TEXT BY YOSHIKO ENDO
PHOTO BY KAZUO KIKUCHI
❷ 身体に沁みわたる、精進料理の進化系
——宗胡(SOUGO)
六本木駅から徒歩数分。ビルの3階にある『宗胡』は、街の喧騒から逃れ、静かにゆったりと精進料理を楽しめる店。オーナーシェフの野村大輔氏が「従来の精進料理に現代的な感性や最新の調理技術を取り入れ、普段の食事ではあまり馴染みのない精進料理の世界観を、日本人の方にはもちろん、海外の方にも発信していきたい」と語るその料理は、見た目も華やか。一品一品細やかに手が施されていて、飽きることがない。
そんな『宗胡』では15時までランチメニューをいただくことができる。中でも人気なのは、6種類の小鉢と主食が選べる「ランチ御膳」。旬の野菜を精進料理の基本である、五味五色五法(5つの味、色、調理方法)で調理した小鉢は、野菜の美味しさを引き立てる多彩な味や食感で、目でも舌でも楽しむことが出来る。さらに選べる主食は5種類。特に野菜で出汁をとった「shojinカレー」は、コクがありスパイシーな香りが食欲をそそる。
さらに、15時以降のカフェタイムでも、おにぎりセットや日替わりライトミールがあるので、お昼を食べ損ねてしまった、なんていう方でも大丈夫。デザートも豊富で、ちょっとユニークなのは「野菜ケーキ」。その時々の旬の野菜を使っているので、訪れるたびに新しいスイーツに出合うことが出来る。
野菜や豆の滋味が、じんわりと身体に沁みてくる精進料理で、豊かなランチタイムはいかがだろうか。
TEXT BY REIKO HISASHIMA
PHOTO BY KAZUO KIKUCHI
❸ 創作料理と日本ワインをカジュアルに楽しめるビストロ
——BISTRO kiki harajuku
裏原宿の小径に佇むこちらは、ランチとディナーの間のアイドルタイムがない、通し営業のスタイル。昼食を食べ損ねたオフィスワーカーや、遅めの昼食をとりにベビーカーで訪れるママ、そして場所柄、休日にワインと共にのんびりとランチを楽しむ外国人のお客様も多いとか。野田雄紀シェフは、国内外のフレンチの名店で研鑽を積み、2011年に満を持してこの店をオープン。トラディショナルなフランス料理をベースに、シェフの感性や季節を身近に感じられる創作メニューが並ぶ。
その品々は、ほとんどにフルーツが用いられ、見た目にも美しい。可能な限り“自然”や“国内産”を意識した食材、調味料にこだわっている点も人気の秘密だ。また、国内産の食材に合わせて、日本の自然派ワインも充実。お酒が苦手という方は、緑茶とフルーツや炭酸を組み合わせたオリジナルのドリンクなども楽しんでほしい。
カジュアルな店内でいただくランチは、前菜からメインまでしっかりとお腹を満たす4品のコース¥2,800ほか、アラカルトもあり。フルーツを生かした料理と果実味の豊かなワインペアリング(4種¥2,800、5種¥3,500)など、通なオーダーをするのも楽しい店だ。
TEXT BY AKIRA TANAKA
PHOTO BY YUJI YAMAZAKI(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)
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