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ピーク時間をちょっとずらして……遅昼ごはんでリラックス

午前から続く会議、急なゲスト対応、ちょっと寝坊した休日。そんな時はもちろん、ランチのピークを迎える12時前後の時間帯、“ランチ難民”になってしまうなんてこと、ないですか? 「14時以降も開いてればいいのに……」と思うこともしばしば。ここでは、そんなわがままにも対応してくれる、美味しくも便利な「遅昼ご飯」御用達、アークヒルズと、ヒルズエリア周辺の3軒をご紹介します。

EDIT BY TM evolution.Inc.

❶ 新鮮な季節の海鮮がたっぷりと盛られた贅沢丼
——日本橋海鮮丼 つじ半

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1/5梅は¥1,080。ご飯の上にマグロの中落ち、イカ、甘エビ、赤貝、ミル貝、数の子、いくら、きゅうりが盛られる。
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2/5ぜいたく丼の特上は時価だが、通常はおおよそ¥3,500。食べきれないほどのウニや蟹がふんだんに盛られて、海鮮好きにはたまらない丼だ。
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3/5居心地のいい木のカウンターに、清潔感が漂ってくる店内。ガラス張りなので、外からも混み具合が分かる。
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4/5生ビールや日本酒も用意されているので、サクッと飲んで帰りたい夜にも利用しやすい店だ。
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5/5店長の下川戸道正さん。他ジャンルも含めた飲食店の経験が豊富で、ビジュアルを重視した丼の盛り方に、その経験が生かされている。

ランチとディナーの間の休憩時間がなく、どの時間帯に行っても新鮮な海鮮丼が食べられる専門店。北海道最大手の水産卸売会社『キョクイチ』から仕入れる魚介は、サービス精神溢れる店の心意気で、たっぷりと贅沢に盛られる。

メニューは、丼の「梅、竹、松、特上」の4種のみ。おすすめは梅で、これが全ての丼の基本となる。竹はその基本の梅にプラスで蟹、松はプラス蟹とウニ。いずれもいくら増しはプラス¥300、ウニ増しはプラス¥500となる。丼にはカツオ、ぶりなど季節の刺身が小皿で別途付いて供される。

丼の作り方は、まず固めに炊いた新潟産の米に炒ったゴマをかけ、醤油をたらして混ぜたネタをのせ、わさび、海苔、シソを添える。混ぜたネタをタワーのように高くのせた盛り方がユニークだ。

食べた後にはご飯をお椀によそい、魚の出汁をかけてもう一杯提供するという、2度美味しいサービスがある。食べ切れない女性は、丼のご飯を少し残しておいて、鯛や海老などをボコボコ沸かしてとったいう、白濁した出汁の奥深さも味わってほしい。

TEXT BY YOSHIKO ENDO
PHOTO BY KAZUO KIKUCHI

日本橋海鮮丼 つじ半 住所 東京都港区赤坂1−12−32 アーク森ビル3F 電話 03−6277−6385 営業時間 11:00〜L.O.22:00(土曜〜L.O.21:30) 定休日 無休 ※カード使用可(その他交通系カードも使用可)

❷ 身体に沁みわたる、精進料理の進化系
——宗胡(SOUGO)

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1/6「ランチ御膳」¥1,500の冒頭、6品の小鉢は3週間ごとに内容が変わる。左上から時計回りに、新ジャガイモのチーズ焼き・サツマイモのレモン煮・ミニトマトの蜜煮盛り合わせ、秋ナスの旨煮、4種のキノコのみぞれ和え、ハスイモのごま酢和え、揚げ出し豆腐わかめ味噌添え、滝川豆腐。
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2/6ランチコース¥5,000のお重盛り。この器の中にパプリカのお寿司、揚げしめじ、銀杏せんべい、麩など10種類近い料理が盛り付けられていて、蓋を開けた時、その美しさに思わず溜息が漏れてしまう。
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3/615時以降のカフェメニューにある、おにぎりセット¥1,000。2種のおにぎり、赤出汁の味噌汁、小鉢、香の物。ふんわりと握られたおにぎりは温かく、海苔の香りが食欲をそそる。遅いランチや小腹が空いた時などにぴったり。
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4/6ランチ御膳の選べる主食、「shojinカツカレー」。野菜の出汁だけで作った自慢のカレーに、車麩のカツを載せたボリュームのある一品。トッピングは、その時期に美味しい野菜を使用。単品でも注文できる。
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5/6旬の野菜を使った季節のケーキ¥650も、季節ごとに素材が変わる。取材した時は、なんと舞茸のシフォンケーキ。口に入れると舞茸の香りがふんわりと鼻をくすぐり、スイーツとの相性の良さに驚かされる。
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6/6『宗胡』の野村大輔料理長。愛宕『醍醐』で伝統的な懐石形式の精進料理を学ぶ。4年前に、よりカジュアルで現代的な精進料理を極めたいと同店をオープン。幅広い層に精進料理の美味しさを届けたいと日々、挑戦している。

六本木駅から徒歩数分。ビルの3階にある『宗胡』は、街の喧騒から逃れ、静かにゆったりと精進料理を楽しめる店。オーナーシェフの野村大輔氏が「従来の精進料理に現代的な感性や最新の調理技術を取り入れ、普段の食事ではあまり馴染みのない精進料理の世界観を、日本人の方にはもちろん、海外の方にも発信していきたい」と語るその料理は、見た目も華やか。一品一品細やかに手が施されていて、飽きることがない。

そんな『宗胡』では15時までランチメニューをいただくことができる。中でも人気なのは、6種類の小鉢と主食が選べる「ランチ御膳」。旬の野菜を精進料理の基本である、五味五色五法(5つの味、色、調理方法)で調理した小鉢は、野菜の美味しさを引き立てる多彩な味や食感で、目でも舌でも楽しむことが出来る。さらに選べる主食は5種類。特に野菜で出汁をとった「shojinカレー」は、コクがありスパイシーな香りが食欲をそそる。

さらに、15時以降のカフェタイムでも、おにぎりセットや日替わりライトミールがあるので、お昼を食べ損ねてしまった、なんていう方でも大丈夫。デザートも豊富で、ちょっとユニークなのは「野菜ケーキ」。その時々の旬の野菜を使っているので、訪れるたびに新しいスイーツに出合うことが出来る。

野菜や豆の滋味が、じんわりと身体に沁みてくる精進料理で、豊かなランチタイムはいかがだろうか。

TEXT BY REIKO HISASHIMA
PHOTO BY KAZUO KIKUCHI

宗胡 住所 東京都港区六本木6-1-8 六本木グリーンビル3F 電話 03-5414-1133 営業時間 ランチ11:30〜15:00/カフェ14:00〜17:00/ディナー18:00〜23:00/バー22:00〜翌5:00 定休日 不定休(要問合せ) ※カード使用可

❸ 創作料理と日本ワインをカジュアルに楽しめるビストロ
——BISTRO kiki harajuku

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1/7早生みかんとほおずきのカプレーゼココナッツ風味¥1,580。サラダ仕立ての一品は、みかんと無農薬のほうずきなど、オレンジ系の色味で、見た目にも秋らしさが溢れる。塩味の効いたココナッツチーズのアクセントが味を引き締める。
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2/7ランチのアミューズで楽しめる、燻製カマスとフォアグラと青海苔のテリーヌ。 燻製カマスとフォアグラというマッチングに、磯の香り漂う青海苔のゼリーで美味しさをぎゅっと凝縮した前菜。コースの素敵なプロローグに。
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3/7いちじくの天ぷらカシューナッツのディップ¥980。フルーツを使った料理を得意とする野田シェフの、シグネチャー的なメニュー。熱が通ってとろんとしたいちじくの果実をサクッとした衣が包み込む、食感のコントラストも楽しみたい逸品。
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4/7ワインにも力を入れている。ラインナップは、日本各地で作られた自然派ワインが中心。国内産の食材をメインとした料理に合わせるワインは、派手さはないが、沁み入るような美味しさを持つ日本のワインが合うのだとか。
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5/7ランチとディナーの間は、飲み物だけのカフェとしての利用も。デザート3種盛り合わせ¥1,000目当てのお客様や、昼下がりにふらっと立ち寄りワインを楽しむ大人の方もちらほら。
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6/7表通りの喧噪を忘れそうな店内は、シンプルでカジュアルなインテリア。リラックスできる心地良い空間が広がる。店では違うジャンルの料理や音楽などのイベントも積極的に開催。普段とはまた違った雰囲気に様変わり。
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7/7食材としてのフルーツのポテンシャルを最大限に生かして創作性の高い料理を作る野田雄紀シェフ。緑茶を多く使ったドリンクメニューは、静岡出身のシェフが創り出した、こだわりのアイデンティティーなのだとか。

裏原宿の小径に佇むこちらは、ランチとディナーの間のアイドルタイムがない、通し営業のスタイル。昼食を食べ損ねたオフィスワーカーや、遅めの昼食をとりにベビーカーで訪れるママ、そして場所柄、休日にワインと共にのんびりとランチを楽しむ外国人のお客様も多いとか。野田雄紀シェフは、国内外のフレンチの名店で研鑽を積み、2011年に満を持してこの店をオープン。トラディショナルなフランス料理をベースに、シェフの感性や季節を身近に感じられる創作メニューが並ぶ。

その品々は、ほとんどにフルーツが用いられ、見た目にも美しい。可能な限り“自然”や“国内産”を意識した食材、調味料にこだわっている点も人気の秘密だ。また、国内産の食材に合わせて、日本の自然派ワインも充実。お酒が苦手という方は、緑茶とフルーツや炭酸を組み合わせたオリジナルのドリンクなども楽しんでほしい。

カジュアルな店内でいただくランチは、前菜からメインまでしっかりとお腹を満たす4品のコース¥2,800ほか、アラカルトもあり。フルーツを生かした料理と果実味の豊かなワインペアリング(4種¥2,800、5種¥3,500)など、通なオーダーをするのも楽しい店だ。

TEXT BY AKIRA TANAKA
PHOTO BY YUJI YAMAZAKI(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)

BISTRO kiki harajuku 住所 東京都渋谷区神宮前6-9-9 アヴニール表参道1F 電話 070-3882-3150 営業時間 12:00〜23:00 定休日 水曜 ※カード使用可、電子マネー不可