近年、ブームになっている“パクチー”をふんだんに使った料理。専門店も現れるなど、その人気は既に定着しつつある。ここでは、ベトナム料理から、琉球チャイニーズ、アジアンキュイジーヌまで……その独特な香りを存分に楽しめる、六本木ヒルズ、そしてヒルズエリア周辺にある3つの店をご紹介。
PHOTO BY KAZUO KIKUCHI
EDIT BY TM evolution.Inc.
❶ 西麻布で長く愛されるベトナム料理の名店
——Kitchen(西麻布)
美容やデトックス効果にも良いと言われるパクチーの魅力を存分に楽しみたいなら、西麻布にひっそりと佇むこちらの店へ。オーナーシェフ・鈴木珠美さんが旅で訪れた際にベトナム料理に魅了され、現地の味を再現すべくオープンしたという『Kitchen』。“香りと食感”を大切にするベトナム料理を様々な形で提供してくれる。
元々はフードコーディネーターをしていたという鈴木さんは、2年間の留学中に現地のレストランで腕を磨き、帰国。自店を営むにあたっては、現地よりも少しだけ日本人を意識した調理を心掛けているという。たっぷり使った野菜の食感、パクチーなどハーブ類の香りが鼻から抜ける爽快感。そんな重層的な味わいが特徴のベトナム料理の数々は、ヘルシーで、女性にとっては罪悪感のないものばかりだ。香菜のサラダや生春巻き、バイン・セオ、フォーまで、全てがクオリティーの高い逸品揃い。
淡い黄色をベースに設えられた店内、温かみのあるインテリアは、どこか家庭的な雰囲気を醸している。店内では、ベトナムから仕入れた食材や調味料なども販売。ミシュランのビブグルマンにも選ばれているこの店は、リーズナブルで財布に優しいのも嬉しい。
TEXT BY ATOM MORIOKA
❷ 店主のルーツでもある沖縄料理と中国料理を融合
——琉球チャイニーズ TAMA(表参道)
深夜まで美味しい料理とお酒を提供する名店が密集する、渋谷2丁目、通称“渋2”でも、群を抜いて人気なのが、ここ琉球チャイニーズ『TAMA』だ。沖縄生まれ渋谷育ち、祖母が上海、母が沖縄出身というバックボーンを持つ店主の玉代勢文廣さんが作り出す、沖縄料理と中国料理を融合したオリジナルの料理は、まさに、ここでしか味わえない逸品ばかり。
腸詰や黒胡麻酢豚、沖縄そば、ゴーヤチャンプルーといった定番はもちろん、季節野菜のせいろ蒸しや、人参シリシリサラダなど、健康にも配慮した料理の数々は、自然派野菜も多用しており、身体にも優しくヘルシーだ。山のように盛られたパクチーサラダは、ほかのメイン料理をさしおき、一番人気のメニューだそう。そのほかの料理にも香草をたっぷり使用しており、パンチがありながらも、安心して食べられるメニューが豊富だ。
そして、美味しい料理も魅力だが、ここ『TAMA』では、ワインも充実。自然派を中心に常時200本ほど揃えるリーズナブルなワインがゲストを惹きつけている。店主の玉代勢さんをはじめ、スタッフ全員のフランクな接客と、深夜3時までという営業スタイルも人気の秘密。気の置けない仲間とワイワイ楽しむのにはうってつけの店だ。
TEXT BY ATOM MORIOKA
❸ 東南アジアの味わいをスタイリッシュに
——グリーンアジア(六本木ヒルズ)
六本木ヒルズヒルサイドB1Fに位置するこの店が提供するのは、”TOKYO GREEN ASIAN” をコンセプトにした、インドネシア、タイ、ベトナム料理などをベースに独自のアレンジを加えたニューアジアンフード。ナシゴレンからサテ、トムヤムクン、パッタイまで、東南アジア各国の、スパイシーで香り豊かなメニューが並ぶ。スパイスは調理直前にブレンド。オープンキッチンから立ち上るアジアンフード独特の芳香が、食欲をそそる。中でも「ガパオライス」は一番人気のひと皿だ。
店内には先鋭的なイラストレーターの作品が描かれ、広いテラスからは東京タワーや毛利庭園の眺め、六本木の夜景も望めるなど、エスニック料理店の枠には収まらない、リミックス感、ストリート感がある。
平日にはオフィスワーカーが、休日には六本木ヒルズへの買い物客や家族連れも多く訪れるという。ランチはもちろん、カフェ利用、バー利用、また「インドネシアンコース」、「アジアンコース」、「プレミアムコース」などがあるアジアンフードをミックスしたコース料理も楽しめる。ドリンクには、東南アジアのビールはもちろん、常陸野ネストのクラフトビールもオンメニューしているなど、様々な魅力に満ちた店だ。
TEXT BY KAZUHIDE TAIRA(TM EVOLUTION. INC.)
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