INSTANT FLOW

雪山へ来なさい——藤原ヒロシの連載「INSTANT FLOW」#52

いきなり命令形ですみません、だって暑いじゃないですか(泣)。せめて冷た〜い雪山の画像で涼んでください。Instagramに漂うHIROSHI FUJIWARA(hf)の謎を眺めるこの連載。前回からひき続き2022年1月〜2月のアーカイブから「納涼スペシャルVer.」にておとどけします。

INSTAGRAM & TALK BY HIROSHI FUJIWARA
TEXT BY MIKA KUNII

1月3日——HELLO, IT’S ME.

——こっち見て笑ってますね。
hf 今日も、このグラスの中にいるんじゃないですか?
——「アイスティーが微笑む、謹賀新年」。
hf おーいお茶の俳句の賞とかもらえないかな。

1月4日——ケイト、メリル、吉高由里子

hf このドラマ、めっちゃおもしろかったです。ここ1〜2年でいちばんでした。この人は「タイタニック」の……
——ケイト・ウィンスレットですね。
hf ドラマ好きとしては、これとTBSの「最愛」がよかったです。
——吉高由里子の、おもしろかったんですね。
hf はい、すごく。吉高由里子の、一瞬すごくかわいいときもあるけど基本、かわいくない感じがいいんですよね。普通っぽい塩梅がうまい。米倉涼子の、いつもカッコつけてるけどたまにヘンな顔をする上手さもいいけど。その真逆。
——ケイト・ウィンスレットも、この人が出た作品はハズれなし感ありますよね。ちょっとメリル・ストリープっぽさが出てきたかな。
hf 出てきましたね。

1月13日——叩かれるといい音が出ます

——箱。
hf これはカホンっていう楽器です。木のイスみたいに座って叩くパーカッション。
——アフリカの楽器ですか? どんな音でしょう?
(hf)どこなんですかね*。
(* ペルー発祥でした)

1月13日——ずっとユニコーンじゃいられない

——ユニコ! かわいいいい。手懐けたい……。でもどうして「大成功を目論む人に!」なんですか?
hf 「ユニコーン企業」という言葉が5~6年前に流行りましたよね?その時、ユニコいいなと思って。
——「ユニコーン企業」ってホワイト企業みたいなことでしたっけ?
hf 違います。「企業評価額が10億ドル以上で、設立10年以内の非上場ベンチャー企業」です。日本でもいくつか出てますよね。
——失礼しましたー。でもユニコーン企業はやがてどうなっていくんでしょうね。ずっとユニコーンじゃいられない?

1月13日——サクラ、ニッポン、ピンクタクシー

hf これ知ってます?
——「幸運のタクシー」ですね。日本交通で、ピンクのがごく稀に走ってるんですよね。
hf 4万台中の7台だそうですよ。で、なにか乗車記念のカードみたいなのをくれるという。
——見たことがないです〜。呼べるんですか?
hf 呼べないんじゃないですか。
——呼べたら幸運じゃないか……

1月16日——旅とドラマとチップスター

hf これは、八甲田の上空じゃないですかね。
——最高ですね、旅とドラマとチップスター。チップスター、お好きですか?
hf はい。袋のポテトチップスもおいしいけど、仕事中はチップスターの方がいいですよね。手が汚れにくくて。
——プリングルスはいかがですか?
hf プリングルスはアメリカ味で、ぼくにはちょっと濃いかな。最近チップスターにチョコレートコーティングのものもあって、めっちゃおいしいです。最高です。

1月17日——八甲田山のモンスター

——でたー。八甲田山のスノーモンスター!
hf お天気良かったから見えたんですけど、これ電波塔なんです。いつも凍っちゃうんです。
——これでお天気が良いんですか…? なんだか映画のセットのようです。八甲田山メンバーは何人ですか?
hf この時は多かった、10人ぐらいいたんじゃないかな。あとツアーガイドの人と。

——そして、こちらのプリン。めちゃ好みのタイプです。
hf 八甲田山荘にあるレストラン「てぷらのどん」のです。ごはんもおいしいんですよ。そこでしか食事ができなくて、夜はロッジも閉まるので、どこにも出られない「シャイニング」状態になります。
——その状況でクオリティが高いごはんが食べられるなんて、感謝しかないですね。はあ、ため息が出そうに清らかなパウダースノー。八甲田山はパウダースノー好きの中では有名なんですか。
hf すごく有名です。
——ボードが刺さっちゃったらどうするんですか?素人質問ばかりですみません(笑)
hf 斜度があれば大丈夫ですよ。

1月17日——羊たちは沈黙しない

hf 「クラリス」、WOWOWでやってます。
——「羊たちの沈黙」の?
hf そう、クラリス・スターリング。あの事件の、その後の話。
——ジョディ・フォスターじゃないですね?
hf ジョディ・フォスターはあの一回だけで、その後はすべて断ってますね。一話だけで、続きをまだ観てないんですけど。
——レクターが気になるー。

1月18日——おやつの入っていないリュックなんて

——うわー、登ってますね……!
hf いちばん上までゴンドラで行って、そこから歩いて違う山に行きます。
——滑るまでの道のりが長いんですね……
hf 1時間ぐらいですかね。
——藤原さんはこのために身体をつくったりしているんですか?
hf ゼロです。
——嘘だ……めちゃめちゃハードな道のりなのに。1日に何本くらい滑るんですか?
hf 八甲田では、ぼくは1本です。午前中にゴンドラに乗って、歩いて、滑って、午後1時くらいに帰ってくる。
——どれくらいで降りるんですか?
hf その時のメンバーによります。初心者とか遅い人がいたら待ってるから。何人かが滑って待って、滑って待って。途中で休憩したりして、だいたい1時間かけないぐらいですかね。
——ちなみに、あのリュックの中には何が入っているんですか?
hf リュックは基本、何も入っていなくてもいいんです。でもリュックがないと背負えないんです、歩く前はスノーシューを背負って、歩くときは板を背負って。ガイドの人は救急用の物などを入れてて、ぼくはダウンとかおやつを入れてます。
——おやつ、入っててよかった〜

1月19日——青森の奥をのぞいてごらん

——七戸名物「豆しとぎ」って、油揚げの仲間ですか?
hf いや、ずんだ餅みたいなものです。焼いてもおいしいし、生のままでもいける。
——お餅なんですか?
hf お餅っていうか、豆の粉を圧縮して固めたみたいなものかな。すごくおいしかったです。ほのかに甘くて。
——青森県民はみんな知っているのでしょうか?
hf いや知らないみたい。ぼくらも知らなかったけど、八甲田にいる他の子が持っていたんです。
——じゃあ、すごい局所的な。食べたーい!
hf 局所ですね。青森に行って食べてください。

1月20日——その答えは風に吹かれている

——最高の天婦羅……ここも青森ですか?
hf いやこれは静岡。「成生(なるせ)」というお店です。
——何がおいしかったですか?
hf 季節によっておいしいは変わりますからねー。

1月21日——そこは黒いカビゴンが夢にでるホテル



——「INN THUNDERBOLT PROJECT BY FRGMT& POKÉMON」
hf はい。sequence MIYASHITA PARKの16階ですね。
——山Pが泊まりに来たんですか?
hf 泊まってはいないですね。泊まりに来れば?って言いましたけど。
——こっちの画像はホテルの廊下ですか、草がわっしゃわっしゃ! 楽しい。

1月22日——みそ煮込みうどん一丁。具なしで!

——このインスタントみそ煮込みうどん。名古屋でいっぱい売ってますよね。
hf めっちゃおいしいです。なかでも「寿がきや」のがいちばん。これに生玉子だけで。
——これもほぼ具なしで?
hf そもそもインスタントラーメンに具を入れるなんて邪道じゃないですか?
——キャベツ入れたりとか……
hf ダメ。絶対。特にキャベツ、あんな甘い野菜を入れたらそもそもの味がなくなっちゃう。
——じゃあ、上にのっけるのはアリ?
hf ダメです。
——でも玉子は許せるんですね?
hf はい、玉子だけは。
——ネギは?
hf ぼくは入れません。
——メンマものっけない?
hf 自分ではのっけません。

1月24日——大雪とピザと、ぼくの友だち


hf 関温泉スキー場。新潟です。この日、行こうと思ったんだけど大雪で無理でした。
——この方は?
hf 関温泉でいつも一緒に滑っている、ぼくの友だちです。バートン・スノーボードの社員で、さっきまでここに座ってました。で、関温泉の中にある「タウべ」っていう店がおいしいんです。手作りのピザが凝っていたりして。
——このピザ、しみじみおいしそう〜。なんだろう、こういうの。ここでしか味わえない記憶。

1月24日——頼むから、そっと消えてくれ

——自撮り棒で撮っているんですか?
hf 最近の自撮り棒はね、消えるんですよ。
——すごい、何もしなくても消えるんですか?日本製ですか?
hf これは韓国のですけど。何年か前のGoProも消えますよ。GoPro HUSE(ヒューズ)。
——自撮り棒……買ってみようかな。あと、上から見る帽子がかわいいです。

1月25日——勝手にISE MIE

——これ気になっていました。
hf 三重県、伊勢市です。ロサンゼルス、カリフォルニアみたいな。
——藤原さんのデザインですか?
hf ぼくはデザインはやってなくて、いいよって言っただけ。
——伊勢の新しいブランディングみたいですね。
hf いえ、トラヴィス・スコットっていうラッパーのブランドです。彼のヒューストン、テキサスと、ぼくのイセ、ミエ。

1月28日——文春砲と、元気なセンパイ

hf 「週刊文春」元・編集長の新谷さんとの対談です。対談、めっちゃ面白かったですよ。時間があるときに続きをやろうと。
——しかも立木義浩さんが撮影。
hf カメラマンの立木さんとは初めてお会いしました。バリバリ仕事しますよね、先輩方は。
——お元気ですよね、この世代のみなさま。
hf ちょっと手ぶれしたりしないのかなって思いません(笑)?
——それもチャーミングだなあ。ずっと現役って、すごいですよね。

1月31日——スニーカーは履くものです

hf 亡くなった、ヴァージル・アブローの。
——ヴィトンとコラボ。
hf この前のサザビーズでのスニーカーオークション見ました? 200足出品されて落札総額30億円。
——ひゃー。藤原さんも、倉庫のものを出したらすごいことになっちゃうんじゃないんですか。
hf そうでもないんですよ。その時の旬があるんです。
——それに思い出深いものは、履かないでしまっておきますよね。
hf いま履いてますよ。
——あ、履いてる(笑)! でもよく見るとサイドのステッチとか、かわいいですね。

2月6日——パウダースノーと自然への畏怖

——すごい、こんなに降るんですね!
hf 妙高の方です。このときはやばかったですね、パウダースノーが首まできて。
——今年は雪が多いですね。
hf はい。雪崩って見たことあります? この前、雪崩の様子が偶然、撮れてしまって。たまたまビデオ回していたら……
——(観ながら)……うわっ。おー。自然とは怖いものですね……
hf そうですね、ぼくらが雪山に入ることでも起こったりするから。ふたりくらいで滑っていると、自分が起こした雪崩で相手を巻き込むことだってあり得る。
——そうなんですね、どれほど気をつけても。ちなみに、これも消える自撮り棒ですね。
hf 消えたはずが見えちゃってる。パウダーがついて。
——こんな至高のパウダスノーを体験してしまうと、普通の雪が物足りなくなりません?
hf そうですね。みんな、この雪を狙っていく感じですよね。
——パウダーの虜……

2月11日——黒豆は白かった

——松川の水羊羹!
hf お正月シーズンだけ白いんです。たぶん2月くらいまで。
——黒豆なのに白?
hf 黒豆って、剥いたら白いじゃないですか?
——なるほど。究極の洗練ですね。1枚目と2枚目でお皿の柄もちがって、美しいです。

2月14日——青森カルチャーはおいしい

——前にもポストしてましたね、イギリストースト。
hf これ、復刻版なんです。初めて見ました。今までに食べたのは2枚重ねで、中にマーガリンと砂糖が入っていたんですけど、これは1枚だけ。
——青森って独自のカルチャーがすごすぎる。トースト、甘いですよね。
hf マーガリンにお砂糖じゃりじゃりっ。
——青森、沖縄をはじめ全国に自生している甘い菓子パンって、日本の宝ですよね。

2月14日——辞めるときは一緒だぜ

——このお方は?
hf 八甲田ガイドクラブのリーダーの、相馬さん。ぼくが八甲田に行くと、いつもガイドをしてくれます。今62歳くらいなんですが、いつもふたりで「いつまで滑りますかね」「辞めるときは一緒に辞めよう」って、話していて。
——なんですかその、山口百恵がマイクを置く相談みたいなの。でも、おふたりの絶大な信頼関係、この写真からも感じます。最高のバディ。やっぱりこういう人がいらっしゃらないと……
hf いないと、ぼくは八甲田には入れないです。
——不幸にも事故に遭うときは、知らないで入ってしまうことが多いのでしょうか。
hf そうですね。友だちとふたりとかで入って、分からなくなっちゃうんだと思います。ぼくらも始めた頃は、今思うと危なかったね……みたいなとこが結構ありました。
——怖いですね。

2月18日——あの頃のSEIKO

——珍しい盤面ですね。
hf 友だちにもらったんです。SEIKOはあまり詳しくないんですけど。
——シーマスターみたいな。あ、東京オリンピックモデルって書いてあります。
hf あ、そうなんですか? へえ〜。
 

profile

藤原ヒロシ|Hiroshi Fujiwara
1964年三重県生まれ。DJ、音楽プロデューサー、ファッションクリエイター。英米で触れたクラブ文化を80年代の日本に持ち込むなど、音楽とファッションの両軸で日本のストリートカルチャーを牽引。現在、デジタルメディア「Ring of Colour」を運営する。京都精華大学ポピュラーカルチャー学部客員教授。