アルコールをあえて飲まない食のスタイル「ソーバーキュリアス」を推すレストランが浸透してきた昨今。中でも、7種類の“モクテル([真似た]を意味するmock + cocktail)”を用意する六本木ヒルズ「THE SUN & THE MOON」は特筆すべき存在。フルーツやハーブを複合的に使い分け、味覚に奥行きを持たせつつ色と香りで五感を刺激する新しいドリンクの楽しみ方をご紹介します!
EDIT BY TM EVOLUTION.INC
TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
PHOTO BY HIDEHIRO YAMADA
❶ 人気カクテル「モヒート」をノンアルにツイスト
Virgin Mojito|バージンモヒート [ミント/ミントシロップ/ライム/ソーダ] ¥1,100
人気の「モヒート」をノンアルコールで提供。ラム酒の代わりにミントシロップを使用して、南国ラムのエキゾチックな香りをオマージュしつつ、ミントの甘さ、酸味、香りを表現している。多めにフレッシュライムを絞り、甘いシロップに負けない酸味を加えることによって、アルコール入り「モヒート」とは異なるパンチを効かせている。ちなみにミントシロップはモナン製を使用。一般のアルコール入り「モヒート」には、カリブというさとうきび100%シロップを使用するが、ノンアルコールの場合、ミントの香りが薄まってしまうため、このレシピのためにアレンジしたそうだ。
❷ チョコとオレンジの饗宴。まるで飲むデザート!
Chocolat Martini|ショコラマティーニ [チョコレート/チョコレートシロップ/ミルク/フレッシュクリーム/オレンジ] ¥1,300
「GODIVA」のチョコレートに、牛乳、生クリーム、粉糖を加えてシェイク。チョコレートシロップを少量加え、デザート感のある、口当たり滑らかなカクテルに仕上げている。そして隠し味に、生搾りオレンジジュースを3ml程度加え、グラスに鼻を近づけた時の香りを爽やかにした。コーヒー系のカクテルとオレンジは相性抜群であり、こうした細やかな演出が、女性に大人気とか!
❸ キウイの果実味、爽快感をまるごと全部!!
Kiwi & Tonic|キウイ&トニック [ホームメイドキウイジュース/ライム/トニック] ¥1,200
フレッシュキウイを絞った自家製ジュースと、市販のキウイジュースを同時に用いつつ、ライム果汁とキウイのシロップを混ぜ、トニックウォーターで割ったもの。キウイは、個体差があり、味わいが大きく変化する。その変化を優しく包み込むのが市販のジュースだ。双方のいいとこ取りで、キウイの果実感、爽快感を存分に楽しみたい。そして、割り物に使用したトニックウォーターは、甘みと渋みがあり、キウイとの相性がとてもいい。ライムの鋭い酸味は、口当たりをシャープに引き締める。
❹ 定番モクテルを、ジンジャエールでツイスト
Shirley Temple|シャーリーテンプル [ジンジャーエール/レモン/グレナデン・シロップ] ¥1,000
「シャーリーテンプル」とは、モクテルの定番レシピ。ただしセブンアップで割るのが一般的だが、この店ではジンジャーエールをベースに、ライムを少し絞って酸味を加え、最後にグレナデン・シロップ(ザクロのシロップ)を沈めて色彩と味わいにグラデーションを付けている。ツートーンのように見えるのは、そのためだ。ちなみに、レモンよりもライムのほうが、さらにキリッとした味わいになるので、お好みでリクエストするといい。
❺ グレープフルーツの苦味と酸味が爽快感を導く
Grapefruit & Rosemary Shrub|グレープフルーツ&ローズマリーシュラブ [グレープフルーツ/ローズマリーシュラブ/ホワイトワインビネガー/ソーダ] ¥1,200
グレープフルーツはフレッシュフルーツを絞ったものと市販のジュースを混ぜ合わせ、フレッシュな香りとジュースのまとまりを狙う。ちなみに“シュラブ”とは、砂糖にビネガーを加えたもの。このシュラブと2種類のグレープフルーツジュースを合わせ、炭酸水でアップしている。そしてローズマリーはトッピングで用意。ローズマリーのほのかな苦味が、グレープフルーツとシュラブを合わせた爽快感にマッチするレシピだ。もちろん、ローズマリーもフレッシュなものを使用している。
❻ トレンドカラーの緑が目を引く、大人の甘酸っぱさ
Apple Squash|アップルスカッシュ [アップルジュース/レモン/グリーンアップルシロップ/ソーダ] ¥1,200
アップルジュースをベースに、青りんごシロップを少量加え、さらに白葡萄酢をプラス。甘みと酸味を引き立たせ、立体的な味わいとしている。林檎と葡萄酢という、異なる酸味を重ねることで、味わいが単調にならず、複雑かつまとまりのあるテイストとなった。名称からも推察できるように、「レモンスカッシュ」からの応用だが、レモン+炭酸というシンプルな爽快感を、林檎と葡萄酢に置き換えることで、モクテルらしい多層的な味わいへと昇華している。
❼ 酸味に甘味が追従するリゾート感漂うロングドリンク
Virgin Breeze|バージンブリーズ [クランベリージュース/グレープフルーツジュース/グレナデン・シロップ] ¥1,200
ウオッカベースのグレープフルーツジュースとクランベリージュースで作ったカクテルが「シーブリーズ」。そこからアルコールを抜いていることから、「バージンブリーズ」と命名された。グレナデン・シロップとは、ザクロをベースとしたシロップであり、この存在により、甘みと酸味の奥行きを出している。まるで酸味のあとに、甘みが追いかけてくるイメージだ。鮮やかな赤色は、クランベリーとザクロによるもの。通常はマドラーでかき混ぜて作るが、シェイクするとグレープフルーツジュースが空気と触れ合ってまろやかになるので、この店ではシェイクのひと手間を惜しまない。
「ソーバーキュリアス」の最先端を、 六本木ヒルズ展望フロアで楽しむ
六本木ヒルズ52Fに位置する『ザ サン & ザ ムーン レストラン』は、東京随一の眺望を誇る絶景展望レストラン。特に、街の灯りが輝き出す夕方から夜にかけては、ひと際、ムードのある景色を楽しめる場所として、知る人ぞ知る存在だ。
窓面ギリギリに設置されたテープルからは、目の前の夜景を“独り占め”状態に! 街灯を見下ろすムードのある景色には、ムードのあるドリンクを楽しみたい。
この景色に見合う、ムードのあるドリンクを提供しようと、同店では、かねてよりノンアルコールドリンクに力を入れている。駐車場施設が充実している六本木ヒルズへは車でアクセスする人たちも多く、お酒を飲まずとも雰囲気を楽しめるモクテルへのニーズが、この店ではひと際、高いのだ。
バーテンダーの所作を間近に見られるカウンター席も用意。圧倒的な眺望を背景にした、まさに夢のような“天空のカウンター”だ。
また『ザ サン & ザ ムーン レストラン』はコース料理に定評があるが、コース料理注文時もペアリングドリンクとして合わせられるようにと、料理の香りを邪魔しないロングタイプのノンアルコールカクテルが、ここ最近は特に充実している。
それらは、一般的なジュースと何が違うのか? ずばり、カクテルのように多層的な味わいを持たせているのが決定的な違いだ。アルコールカクテルレシピからアルコールを抜いたものや、もともとアルコールカクテルには存在しない新レシピの2タイプが存在するが、共に味覚の奥行きを持たせつつ、色と香りで五感を刺激する作りとしている。アルコールを用いない分、異なるフルーツやハーブを掛け合わせ、複合技で勝負しているのだ。
ガーニッシュ(装飾)用のドライフルーツは、全て自家製。日々、フレッシュなフルーツをカットして、ドライフルーツメーカーで仕込んでいる。
そして、レストランの食材同様にカクテル素材にもこだわりを見せているのが面白い。ガーニッシュとして使用するドライフルーツは、全て自家製。市販のドライフルーツを使用せず、契約農家から仕入れたフレッシュフルーツを自分たちで仕込み、提供している。
ちなみに、今回紹介した7レシピ以外にも、お好みのフルーツやジュースをベースに、アレンジを依頼することも可能。つまり、レシピは無限大なのである。
THE SUN & THE MOON RESTAURANT|ザ サン & ザ ムーン レストラン 住所 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52F 電話 03-3470-0052 営業時間 1:00〜22:00、ランチ11:00〜17:00(L.O.15:00)、アフタヌーンティー11:00〜17:00(L.O.15:00)、ディナー18:00〜22:00(L.O.20:00、ドリンクL.O.21:00)※金曜・土曜~23:00(L.O.21:00、ドリンクL.O.22:00) 定休日 無休(貸切営業時を除く) ※平日18:00以降、土曜・日曜・祝日は終日、サービス料10%を加算 ※窓際の席は、席チャージ¥2,000(1テーブル)を加算 ※別途VIEW チャージ¥500(1名)を加算(ただし、52F、53Fへの入館券を持っている場合は不要なので、スタッフにお声がけください) ※QRコード決済、交通系IC、各種クレジットカード利用可
※2023年1月現在の情報となります。 ※表示価格は全て税込価格です。 ※店舗により臨時休業や営業時間を変更させていただく場合がございます。詳細は「六本木ヒルズの営業状況について 」をご確認ください。
#THE SUN & THE MOON #六本木ヒルズ
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