特別感あふれるホテルの逸品から、今夏限定の個性派四川涼麺、はたまた、まさに“これぞ!”な、町中華的ひと皿まで——。この夏おすすめ、ヒルズで味わえるバラエティ豊かな“冷やし中華”をご紹介します!
PHOTO BY DAISAKU NISHIMIYA (NDPP.)
EDIT&TEXT BY TM EVOLUTION.INC
❶ 中国料理「花梨」 ——ホテル中華の真髄は、実は冷やし中華!? 旨味・酸味による特別体験を是非!
見た目にも涼やか、高級海鮮をトッピングした「冷やしそば」¥3,356。こちらは、一番人気の特製胡麻ダレスープ。
「冷やしそば」は、酸味と辛子がピリリと効いた醤油ダレに変更可能。注文時に特製胡麻ダレ、醤油ダレのいずれかをセレクトできる。
「冷やしそば」のオリジナル中太麺は、ほどよくスープが絡む。茹で上がりのヌメリを取り去り、氷水で冷やした後に、しっかりと水切りされる。
「冷やし担々麺」¥3,356。豆乳ベースの濃厚スープだが、クドさがない。夏野菜の茄子、パプリカも美味。肉味噌を溶かしながら、麺を絡ませ、ガッツリと頬張りたい。
芽ネギのシャキシャキ感も重要なポイント。トマトの酸味など、副菜の味わいがところどこで主張し、飽きることなく最後まで食べ切れる。
なるほど! これが“高級冷やし中華”の底力なのかっ!! と、唸りたくなる怒涛の旨味。キンっと尖った酸味ではなく、まろやかな“旨・酸っぱさ”が、いつまでも、いつまでも……余韻として口中に広がり、夏の厳しい暑さをふんわりと優しく包んでくれるのだ。スープは敢えてあっさりと仕立て、麺と絡ませるだけではなく、スープそのものを飲み進めて味わえるように設計。その高レベルでの美味バランスは、町中華のそれとはまったく異なる特別体験をもたらしてくれる。
定番「冷やしそば」は、特製胡麻ダレと醤油ダレを選択可能。コクを選ぶなら胡麻ダレ、爽やかさを選ぶなら醤油ダレでキマリだ。どちらも海老・カニ・クラゲといった高級海鮮具材が麺を隠すようにトッピングされているが、オクラやつるむらさき、芽ネギ、らっきょうといった異色野菜の妙味も忘れてはならない。これら13種類の食材に、それぞれ最適に火が通され、下ごしらえされる丁寧さは実に見事だ。
一方の「冷やし担々麺」は、豆乳スープのコクに大地の恵み(かぼちゃの種、松の実、クコの実)を混ぜ合わせ、多彩な食感を作り出している。こちらも、スープを飲んで味わうことをおすすめしたい。このスープに、ピリリと辛味を利かせた肉味噌を溶かしながら、いただくのだ。トッピングの茄子やピーマンは、一度素揚げした後に、オリーブ油に丸1日漬け込んだもの。オリーブ油の爽やかな香りは、意外にも濃厚なスープとの相性抜群である。
確かに値段は張るが、この満足感は、必ずや期待を裏切らない。「ANAインターコンチネンタルホテル東京」開業以来、36年間、味を変えずに守り続けてきた、まさに“高級冷やし中華、ここにあり!”な絶品なのである。
中国料理 「花梨」|KARIN Chinese Restaurant 住所=東京都港区赤坂1-12-33 ANAインターコンチネンタルホテル東京3FL. 電話=03-3505-1185(レストラン予約) 2022年度冷やしそば提供期間=〜9月25日(日) 営業時間=平日ランチ11:30〜14:30(L.O.14:00)、土曜・日曜・祝日ランチ11:30〜15:00(L.O.14:30)/ディナー17:00〜21:00(L.O.20:00)月曜定休 ※サービス料込み ※各種クレジットカード使用可
TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
PHOTO BY DAISAKU NISHIMIYA (NDPP)
❷ 老四川 飄香小院 ——今夏限定! 麺の上で鮎の姿が踊る、ほかでは決して食べられない絶品涼麺
「酸蓮香魚涼麺」¥2,090 。鮎を一匹丸ごと使った涼麺。何種ものスパイスや香味油を調合した爽やかな香りと、しっかりとコクのある味わいが食欲をそそる。一品でお腹も満たされ、贅沢な気分にさせてくれるひと品だ。
国内の清流で獲れたばかりの、くせのない鮎を使用。夏の風物詩である川魚が季節の趣を運んでくれる。
トッピングの彩りも綺麗な新鮮野菜はサラダ仕立てに。契約農家から取り寄せる無農薬野菜は、グリーンケール、サラダケール、ミニトマト、ミョウガの甘酢漬けなど。
卵を使用していない麺は、流水でしっかりシメてから香味油で香りとコクを出すことで、つるっとした喉越しでありながら、リッチな食べ応えが楽しめる。
盛り付けられている野菜の中には、かぼちゃの一種である「コリンキー」といった変わり野菜も楽しめる。
鮎は八角、陳皮、花山椒、唐辛子、桂皮といったスパイスを使用して煮込む。香り豊かな鮎の香料煮に不可欠な5種。これらのうち3種は涼麺のタレにも使用。
本場成都の伝統四川料理を堪能できる同店。「よだれ鶏」を日本に広めた功労者としても有名な井桁良樹さんがオーナーシェフを務める店としても知られている。スパイスもできるだけ現地で調達し、調味料も手作りで、一切化学調味料に頼らない四川料理はどれも滋味深い。
「涼麺」は毎年メニューが変わるが、今年の夏はインパクト絶大な酸蓮香魚涼麺(鮎の香料煮と夏野菜をサラダ仕立てにした涼麺)がお目見え。酸蓮香魚は、鮎に醤油をまぶして揚げた後、5種類のスパイスで2時間煮込んだもの。黒酢を利かせた汁で長時間煮込むため、骨まで柔らかくしっとりとしていて同店の人気メニューだったそう。味わいとしてはスパイスの効いた鮎の甘露煮といったイメージだ。
この鮎を一匹丸ごと、四川省では主流の卵を使用しない、山椒油とごま油で香りをつけた麺の上に置く。タレはテンジャン油に醤油やニンニクのすりおろしを配合したオリジナルを。コクのある味わいはやみつになること必至。普通の冷し中華に満たされない方、ちょっと凝った涼麺の味わいを求める方に、是非おすすめしたい今年限定の貴重な涼麺だ。
老四川 飄香小院|ラオシセン ピャオシャンショウイン 住所=東京都港区六本木6-10-3 六本木ヒルズウェストウォーク5F 電話=03-6804-2848 営業時間=ランチ11:00~15:00(L.O.14:30)/ディナー17:00~23:00(L.O.21:30) 定休日=無休 ※各種クレジットカード利用可
TEXT BY AKIRA TANAKA
PHOTO BY ATSUMI ODATE (NDPP)
❸ 上海料理 梅蘭 ——ひんやり、つるりん! きっと誰もが懐かしむ「王道冷やし中華」
「五目冷麺」¥1,120。 しょうゆベースのタレでいただく冷やし中華。トッピングは錦糸卵、きゅうり、ハム、トマトなど、冷やし中華の常連に加えて、ボイルした海老や、クラゲでちょっぴりリッチな冷やし中華に。たっぷりと具材が添えられているのも嬉しい。
冷やし中華の要であるタレは醤油、砂糖、ゴマなどの調味料、酒のほか、レモン、オレンジ、りんごなどのフルーツや、しょうがをすりおろしたものを隠し味に。固めの麺にマッチするよう絶妙にブレンドされている。
「担々冷麺」¥1,000 。冷水でよくシメた麺に、冷やし担々麺のタレと挽き肉紫キャベツ、大根、水菜、糸唐辛子などをトッピング。味わいにコクを引き出す挽き肉がスタミナを、そしてふんだんに使われたシャキシャキ野菜の食感がさっぱり感を……。食欲のない身体に活力を与えてくれる。
「担々冷麺」のタレは、ゴマの風味豊かな冷やし担々麺用のオリジナルペーストをベースに、山椒などをはじめとするスパイスを調合。
『上海料理 梅蘭』といえば、横浜中華街の名物料理にもなった「梅蘭焼きそば」。炒めた豚肉、にら、もやし、玉葱に熱々の餡をかけ、その上に両面カリカリに焼き上げた中華麺をのせて包んだもので、1980年代から今日に至るまで“UFO”のような見た目のインパクトと、トロトロの餡とカリカリの焼きそばのコンビによる美味で、長く人気メニューとなっている。そんな独創的なメニューとは裏腹に、こちらの冷やし中華は、いたってシンプル、かつ王道。老若男女誰もが大好きな“町中華”のような夏の麺だ。小さい頃気食べた味を想起させる、ノスタルジーな味わいを気軽に楽しみたい。
2種類の冷やし中華のうち、しょうゆベースの「五目冷麺」は、酢を利かせて食欲のない夏につるんと美味しく食せる。氷で冷やした水でシメて、水気をよく取った麺はやや固めのストレート麺。さっぱりとしたタレに、トッピングもこれまた王道の具材をふんだんに。暑い夏に一服の清涼剤となるにふさわしい冷やし中華と言えるだろう。
もうひとつの「担々冷麺」は、思わず飲み干してしまいたくなるようなピリ辛坦々のタレが六本木ヒルズのワーカーにも大人気。ふんだんに入れられた挽き肉とさっぱりとした山盛りの夏野菜で、栄養バランスも食べ応えも抜群。麺は五目冷麺と同じストレート麺。こちらも喉越しがいいのが特徴だ。
上海料理 梅蘭|シャンハイリョウリ バイラン 住所=東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ヒルサイド1F 電話=03-6662-7058 営業時間=ランチ11:00~L.O.15:00/ディナー15:00~23:00(L.O.22:00) 定休日=無休 ※各種クレジットカード利用可
TEXT BY AKIRA TANAKA
PHOTO BY CHISATO NOGUCHI (NDPP)
※2022年7月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
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