ONE & ONLY! JAPANESE “RAMEN”

奥深きラーメンの世界! 麺もスープも味わいも、個性極まる3店

醤油、味噌、とんこつ—— 数多ある人気の東京ラーメン店。選ぶのに迷ってしまいますが、ヒルズエリアで探した、ランチにも晩ごはんにも大満足な、今行っておくべき個性派ラーメン店3軒をご紹介します。

TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
EDIT BY TM EVOLUTION.INC

❶ フレンチの料理法、発想力を駆使。モダンラーメンの最先端スタイル
——Ten Sen Ramens(てんせんめん)

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1/8「あっさり味噌淡々麵」(¥1,000)は、始めに澄んだスープをひと口。その後、味噌を溶かしながら味わうのがお勧め。長ネギ、パクチーはスープの余熱で火が通り、シャキシャキ状態からやがてしっとりとした歯ごたえに変化して、最後は麺に絡みつく。
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2/82021年1月27日に新発売となった「汁なし丹々麺」。肉味噌を敢えて麺の下に隠し、麺線の美しさを見せるスマートな盛り付けだ。特製の胡麻ピューレと共に。
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3/8オリジナルレシピの麺を、『浅草 開化楼』から仕入れている。繊細なスープにマッチする細麺は、シコシコっとした歯ごたえを失わず、アルデンテのような絶妙な硬さが食べ終わりまで続く。
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4/8フレンチシェフのこだわりは、味つけはもちろん、食材の盛り付け、その手捌きにも現れる。動きに無駄のない彼らの姿は、眺めているだけでとても気持ちがいい。
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5/8オープンキッチンのカウンターの逆サイドにも、壁面に沿ってカウンターが設けられている。アクリル板による間仕切りも万全、目の前にはティッシュボックスが埋め込まれている。
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6/8通りに沿って壁を作らず、換気にも優れた店舗設計。白木のテーブル、クッション性に優れたハイチェアなど、まるで寿司店あるいは高級割烹のよう。どのアングルを切り取っても、ラーメン店とは思えないプレミアムな空間デザインだ。
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7/8“日常に芸術を”という店舗コンセプトを具現する壁面アート。作者はアーティスト兼モデルのColliu(コリュ)氏。アーティスティック・ディレクターは清水敏男氏。
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8/8坂田敦彦店主も、元フレンチシェフ。14年間のキャリアを経て、ラーメン界で活躍する元フレンチの巨匠・松村 靖オーナーの門戸を叩いた。『てんせんめん』の定番メニュー「あっさり味噌淡々麵」は、坂田氏の“澄んだ味噌ラーメンを作ろう”という発想を具現したもの。

ラーメンが日本の文化とするならば、この店の登場により、時代はまたひとつ動いたと感じる。店名の『てんせんめん』とは、点で始まり、線となり、面となっていく様を示したもの。フレンチシェフからラーメン界に転向し、『勝本』という有名店を作り上げた松村 靖オーナー。その松村氏を慕い、複数の元フレンチシェフたちが集った。そうして誕生したのが、この『てんせんめん』である。

定番メニューの「あっさり味噌淡々麺」は、いわゆるプレミアムラーメンのあっさり系スープと、肉味噌の掛け合わせ。味噌を少しずつ溶かすことで、1杯でダブルの味わいが楽しめる優れものだ。しかもこのスープは、鶏ガラ・豚骨を材料としながらも、フレンチのコンソメ料理の応用により、澄んでいて、不要な雑味がない。坂田店主曰く「むしろラーメンの味にとって必要な苦味を、煮詰めた砂糖(キャラメル)によって後付け」しているそうだ。スムースな舌触り、スーっと溶けていく後味は、こうした高レベルな技の積み重ねによるものだろう。

シメのお勧めは、「宝友卵黄身ご飯(並盛り)」¥280。残ったスープや肉味噌を玉子の出汁代わりにして食べると、これが超絶美味。但し、このメニューは進化の可能性ありなのだとか。未体験の方は、急いでお試しを!

PHOTO BY CHISATO NOGUCHI(NDPP.)

Ten Sen Ramens(てんせんめん) 住所 東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーB1F 電話 03-6205-4035 営業時間 11:00〜21:00 定休日 無休 ※価格は税込 ※各種カード使用可

❷ 柚子香る淡麗スープは、匂わず、無添加で女性にも大好評
——AFURI Roppongi Hills(アフリ 六本木ヒルズ)

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1/6鶏油の甘露に、『AFURI』らしい柚子の香りを加えた「柚子露(ゆずつゆ)つけ麺」¥1,280。もっちりとした真空手揉み麺は、つるつるっとした喉ごしの良さを逃さず味わいたい。
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2/6スープも具材も植物素材100%。野菜の旨味を最大限引き出すことで、味に妥協しない『AFURI』らしい一品が完成した。麺をこんにゃく麺にすると、糖質摂取量がさらに減り、ダイエット中の方々もギルティフリーで食べられるはず。「彩り野菜のヴィーガンらーめん」¥1,380。
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3/6『AFURI』の定番メニューといえば、この「柚子塩らーめん」¥1,080。黄金色に輝く淡麗スープに柚子が香る、爽やかな味わいだ。注文時に鶏油の量を選択でき、少量ならキレのある“淡麗”、増量するとコクのある“まろ味”となる。
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4/6白タイルをベースにした清潔感溢れるインテリアのアイキャッチは、『AFURI』ロゴ象ったネオンサイン。ご存じ! 店名の由来となった神奈川県の「阿夫利山」をイメージしている。
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5/6変形コの字型のカウンターでオープンキッチンを囲むように設えた店内。キッチンに配置した数々の業務用設備も、一般的なラーメン店のものではなく、むしろホテルや星つきレストランで使用されるもの。六本木ヒルズの別フロアから移転してまだ1年少しと新しいことも手伝い、ステンレスもピッカピカ!!
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6/6山澤直幸店長によるダイナミックな湯切りスタイルは、常連客の楽しみのひとつ。彼が盛り付ける「彩り野菜のヴィーガンらーめん」は、もはや芸術品の域。

2001年に前身の『ZUND-BAR』から始まり、2003年に東京の1号店を出店して以降、その澄み切った淡麗スープで、らーめん界に革命を起こした『AFURI』。ここ六本木ヒルズには2014年から出店しているが、2019年にフロアを移転する形で、新規リニューアルを果たしている。

“AFURI”とは、神奈川県の丹沢山系にある大山の別称(阿夫利山)。阿夫利山の天然水に国産の丸鶏、魚介、香味野菜を炊き入れ、完全無添加、セントラルキッチンならではの綿密な計算でスープを仕込み、系列店に運んでいる。

キレのある淡麗スープを存分に味わえる「柚子塩らーめん」が不動の人気だが、もうひとつの看板メニューが「彩り野菜のヴィーガンらーめん」。当初はインバウンド旅行客向けに作られたものだが、これがカロリー摂取量を気にする女性客に受け、話題となっている。スープ、具材共に植物素材100%、麺はれんこんを練り込んでいる。さらにメーカーと共同開発した『AFURI』オリジナルのこんにゃく麺も評判。しかも、麺変更無料とはありがたい。

一方で、見所のひとつが券売機。“デリオス”という最新機種が導入されているが、メニューが階層式になっていて、選択するごとに画面が切り替わっていく。この優れた操作フィールは、メーカーと『阿夫利』がタッグを組み、開発に取り組んでいるから。そしてカード、IC、QRコード決済が使える六本木ヒルズ店では、2月中旬以降、完全キャッシュレスに移行予定だ。

PHOTO BY CHISATO NOGUCHI(NDPP.)

AFURI Roppongi Hills(アフリ 六本木ヒルズ) 住所 港区六本木6-4-1 六本木ヒルズ メトロハット/ハリウッドプラザ B2F 電話 03-3408-1880 営業時間 11:00〜20:00(緊急事態宣言を受けて、短縮営業中) 定休日 無休 ※価格は税込 ※各種カード使用可

❸ 豚骨魚介の濃厚スープに、もちもちのオリジナル麺を合わせて
——hajime(つけ麺 はじめ)

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1/6一番人気の「特製つけ麺」¥1,000は、鶏ガラ、豚骨の合わせスープに、魚介の出汁を加えた濃厚魚介風味が特徴。旨味があり、しっかりとしたコシを持つオリジナル麺を使用している。
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2/6干しエビの風味、豚骨魚介ベースのスープに、オリジナルの辛味を加えた「辛つけ麺」¥900。さらなる辛味を極めるなら、プラス ¥50の辛味トッピングが用意されている。
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3/62020年夏に登場した「辛シビレまぜそば」¥800は、同店イチオシの新メニュー。唐辛子、自家製ラー油に山椒を加え、独自の麻辣スタイルに仕立てている。辛さは1辛〜3辛までの3段階だが、1辛でも十分に辛いので、ご注意を!
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4/6つけ麺の最後の楽しみのスープは、卓上ポットの熱々の“和だし”で。残りのスープを一対一で割って楽しむのがお勧め。
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5/6胡椒、すりゴマに加え、だいだい酢も用意。柑橘系のスッキリとした酸味は、まぜそば後半の味変に活用したい。
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6/6カウンター14席、大テーブル7席、計21席の店内は広々。余計な装飾を省き、ウッディーなデザインで統一している。

原宿エリアで“つけ麺”といえば、その筆頭に挙がる人気店。鶏ガラ・豚骨に魚介を加えた濃厚スープは、もちもちのオリジナル麺に負けず、絶妙なバランスだ。つけ麺の量は大盛(300g)までの増量無料。プラス ¥100で特盛(400g)、プラス¥200で特特盛(500g)を選択できる。

チャーシューは、特製ダレで煮込んだバラ肉を、注文を受けてから丁寧に炙っている。つけ麺の麺の上に鎮座するスタイルで提供されるこの厚切りチャーシューは、スタンダードで1枚、特製つけ麺だと2枚。口の中でホロっと崩れるジューシーな味わいは、濃い目のスープに良く合うのだ。

店内ではビール、レモンサワー、ハイボールを提供。『hajime』ならではの、おつまみ「炙りチャーシューさっぱりポン酢」「炙りチャーシューてりたま」「辛もやしねぎメンマ」「牛すじ煮込み」を肴に、ちょい呑みもOKだ。もちろん、締めはつけ麺で!! 辛党なら、昨夏登場した最新メニュー「辛しびれまぜそば」もお勧めだ。

PHOTO BY ATSUMI ODATE(NDPP.)

hajime(つけ麺 ハジメ) 住所 東京都渋谷区神宮前3-23-1 NODERA BLDG B1F 電話 03-5772‐5800 営業時間 11:00〜20:00 定休日 無休 ※価格は税込 ※緊急事態宣言の発令を受け、感染拡大防止への配慮から、2020年2月7日(日)までの期間は左記営業時間に変更中。デリバリー、テイクアウトは21:00まで。酒類の提供は19:00まで。

※ 六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズ等の各施設では、新型コロナウイルスの感染拡大防止の予防対策を徹底し営業しております。また一部の店舗では営業時間を短縮しております。ご来店の際には事前に各施設HPをご覧ください。