朝も午後も夜も。コーヒーと共にゆったりとした時間を作ってリフレッシュ。ここでは、各店各様、ほかにはない味で勝負する、オリジナリティー溢れるコーヒーが楽しめるお店をご紹介します。
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❶ エスプレッソの香りに癒される小粋なイタリアンバール
——ANTICO CAFFÈ AL AVIS(アンティコカフェ アルアビス)
1/7「マッキアート」¥380。香り高いエスプレッソとフォームドミルクを“1:1”で合わせたドリンク。エスプレッソの苦味をミルクが中和してくれて飲みやすい。食後にお勧め。
2/7「カフェ アメリカーノ」M ¥370。エスプレッソをお湯で割ったもの。自家製ブレンドのエスプレッソの深みをしっかりと味わえる。「ブレンドコーヒー」は別にある。
3/7「マロッキーノ」M ¥500 エスプレッソを使用したチョコレートドリンク。ホイップクリームと刻みチョコレートをトッピングしている。濃厚なチョコレートの苦味を味わえ、甘さは抑え気味。
4/7「カンノーロ」¥350。筒状に焼いたパイの中にチーズクリームをたっぷりと入れたシチリア島の伝統菓子。サクサクのパイ生地と、なめらかな舌触りのチーズクリームの取り合わせが秀逸。
5/7「クロックムッシュ」¥300。薄めのパンにハムとチーズを挟み、表面にアンチョビバターを塗っている。パンは薄めで食べやすく、トーストした時のアンチョビの香りが食欲をそそる。
6/7ショーケースには「チキンときのこ」「ほうれん草ときのこ」などのパニーニが9〜10種類ほど並ぶ。来るたびに違う味を試してみるのも楽しい。フレンチトーストやペストリー、ドルチェ類もある。
7/7「朝食やランチに、パニーニなどもテイクアウトできますので是非ご利用ください」と、店長の伊藤務さん。
イタリアの人々の日常に根付く「バール」をコンセプトにしたカフェ。アメリカ西海岸のシアトルに焙煎所を持ち、自社で焙煎したコーヒー豆を輸入。「エスプレッソ」と、それを使った様々な飲み物が自慢だ。イタリア人のようにさっと「エスプレッソ」だけを飲んだり、本を読みながらゆっくり「ブレンドコーヒー」と自家製ドルチェを楽しんだり、「パニーニ」でランチをしたりと、その日の気分で様々な利用の仕方が出来る。
食べ物もシチリア島の伝統菓子「カンノーロ」や、イタリアのサンドイッチ「パニーニ」も現地の食材を使用し、日本人に合った味付けに仕上げている。早朝から毎日作り、当日中に売り切るスタイルが信条。「パニーニ」や「クロックムッシュ」は、注文が入ってから表面をグリラーで香ばしく焼き上げてから提供している。
店内はテーブルや床の柄、注文カウンターに至るまで、まるでイタリアの「バール」に迷い込んだかのよう。木目とレンガの雰囲気が温かく、寛げるその空間も魅力。
TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA
PHOTO BY CHISATO NOGUCHI(NDPP.)
❷ 本場のエスプレッソを極めつつ、日本人好みにローカライズ
——BREAD, ESPRESSO &(パンとエスプレッソと)
1/8京都『小川珈琲』のオリジナルブレンドを加圧抽出した、約25mlの濃厚なコーヒー。「エスプレッソ・ソロ」¥300。ドッピオ(エスプレッソ2倍、約50ml)の場合は¥400。
2/8「エスプレッソ」に泡立てたミルクを加えた「カプチーノ」¥500。濃い目がお好みなら、プラス ¥100でドッピオ(エスプレッソ2倍)にすることも可能。
3/8「アイスカプチーノ」にチョコレートとホイップクリームを載せ、ココアパウダーを振りかけた「アイス・モカチーノ」¥650。苦味が少なく、コーヒーが苦手な人でも大丈夫。
4/8「フレンチトースト」¥680(15:00以降はイートイン限定で「鉄板フレンチトースト」¥800もあり)は、食パン「ムー」を牛乳や卵などの“アパレイユ”にひと晩浸して焼き上げたもの。テイクアウトの場合でも、レンジで90秒温め直すと、中はトロトロ、外側はふんわりとした状態に戻る。メープルシロップ付き。
5/8定番アイテムの食パン「ムー」¥350は、バターをたっぷりと溶け込ませ、ふんわりとした食感。“ムー”とは、フランス語で、柔らかいの意味。
6/8「ソイ」¥220は、豆乳100%の自家製クリームを、豆乳を使用した生地で包み込んだクリームパン。ほんのりと優しい甘さが人気の秘密だ。
7/8玄米粉を使用した食パン「リーゾ」¥260。もっちりとした食感で、そのまま食べても、トーストしてカリッとさせても美味。『パンとエスプレッソと』の定番アイテムのひとつ。
8/8森本美咲店長のお勧めは、「エスプレッソ」に砂糖をたっぷりと混ぜていただくこと。「お付けした砂糖を全て入れて、よく混ぜてから飲むと、ビターチョコのような味になって美味しいと思います。濃い目でしっかりとした味を好まれる方は、是非試してみてください」。
日本で、イタリアの「バール」の雰囲気を出したいと、エスプレッソを徹底研究。京都の『小川珈琲』から生豆を購入し、『小川珈琲』指導の下、大阪の自社工房にて焙煎し、それを系列店舗に直送している。その「エスプレッソ」は、深みのあるアロマが特徴で、カウンターでひと息つくだけでも、瞬間的にリラックスのスイッチが入るはず。
「エスプレッソ」は繊細で、気温や湿度の影響を受けることから、バリスタが1日に何度も再調整。逆に言えば、その作業ができる人だけが、この店のカウンターに立っている。スタッフはパンとバリスタで採用が異なり、それぞれのスペシャリストとなるべく技磨きに専念している。
パンは皮が薄く中がモチモチの食感。海外のパンに比べて水分量を多くしていて、日本人に合った風味・食感となっている。中でも人気の食パン「ムー」のモッチリ感は極め付けで、通常の製法では出せないほど。その「ムー」が出来たのは、試行錯誤の中での偶然の産物だったとか。
TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
PHOTO BY FUMIAKI ISHIWATA(NDPP.)
❸ 日本のエスプレッソのパイオニアであり、豆の栽培まで手掛ける
——DOUBLETALL CAFE HARAJUKU(ダブルトールカフェ原宿)
1/10創業以来、「カフェラテ」に合う「エスプレッソ」をバリスタが日々追求。クリーミーなミルクと合わせ、時間が経っても美味しい一品となっている。ラテアートも楽しみのひとつ。「カフェラテ ショート」¥620。
2/10「ドリップコーヒー」は、注文を受けてから1杯ずつバリスタがハンドドリップ。ショート ¥600、トール ¥700。
3/10細かく砕いた紅茶葉をエスプレッソマシンで抽出。その濃縮されたエキスをフォームドミルクで合わせた「ティーラテ ショート」¥620。ロイヤルミルクティーのようなコクとスッキリとした後味が同居する、新感覚な味わいだ。
4/10テイクアウトは、こんなカップで。ホット、アイス共にオリジナルのイラストが描かれたアイテムで提供される。
5/10店内で提供しているコーヒー豆は、豆売りもしている。購入する際は、自宅でのドリップのコツを聞いて、是非バリスタの技を試したい。100g単位で ¥600から。
6/10「魅惑のチキンカレー」¥1,300(ドリンク付き)。複数のスパイスを使用してコトコトと煮込んだチキンの味わいが忘れられないと、リピターが続出。
7/10季節限定として登場した「塩キャラメルモンブラン」¥550。キャラメルとマロンのアイスタルトとなっていて、甘さの中に、ほのかな塩味が効いている。
8/10店舗につながる外階段には、「やけに珈琲にこだわった食堂」とボードが掲げられている。原宿で26年もの間、愛され続けてきた自信の表れだ。
9/10コーヒーは、ホット、アイス共に2サイズ展開。たっぷり飲みたい時にも、少しだけ飲みたい時にも、その日の気分に合わせてサイズを選べる。
10/10「日を追うごとに寒くなっていく季節、身体を温めるカフェラテやドリップコーヒーで『ダブルトール』の味わいを是非試していただければ」と、原宿店店長の道口理恵さん。
まだ「エスプレッソ」がそれほど浸透していなかった1990年代の日本に「エスプレッソ」の濃厚な味わいを紹介したいと、1号店を原宿・表参道沿いにオープン。現在は全国に7つの系列店を持つ『ダブルトール』ブランドだが、その“ダブルトール”とは、エスプレッソ2杯分のトールサイズを注文する時にアメリカで用いられてきた通称だ。
『ダブルトール』ブランドは渋谷に自社焙煎所を持ち、独自の焙煎手法を徹底追求。豆のポテンシャルを最大限に引き出し、味わいと香り、余韻全てを楽しめるように日々研鑽している。豆の仕入れについても、一般的なアラビカ種に加えて、ロブ種をスパイスの様に用いる事で、コーヒーにさらなる深みを与えているのが特徴だ。
現在はハワイに自社農園を持ち、コーヒーの木の栽培にもチャレンジ。他方、エスプレッソマシンの開発にも携わり、泡立てたミルクの気泡を細かくすることでシルクタッチの舌触りを実現。「エスプレッソ」の味をさらに引き立てることに成功している。
TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
PHOTO BY ATSUMI ODATE(NDPP.)
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