今年で4回目を迎える「CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS 2019」が、4月19日よりスタートした。1日10蔵が11日間、計110蔵が出店する平成最後となる日本最大級のSAKEイベント。“日本酒と世界各国料理とのペアリング”をテーマに掲げ、話題のレストランによるオリジナルメニューを展開する。初日「SPARKLING SAKEの日」のイベントの模様をお届けする。
TEXT BY Yui Togawa
PHOTO BY Yuji kanno
初日を祝う、SPARKLING SAKEで乾杯!
「CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS 2019(以下「CRAFT SAKE WEEK」)」の初日のテーマは、「SPARKLING SAKEの日」。会場の日本酒ブースに並んだのは、一ノ蔵 (一ノ蔵・宮城県)、八海山(八海醸造・新潟県)、獅子の里(松浦酒造・石川県)、水芭蕉(永井酒造・群馬県)、菊泉(滝澤酒造・埼玉県)、七賢(山梨銘醸・山梨県)、紀土(平和酒造・和歌山県)、雨後の月(相原酒造・広島県)、獺祭(旭酒造・山口県)、雁木(八百新酒造・山口県)の計10蔵。平日の昼間にもかかわらず、オープンから多くのゲストが会場を訪れ、思い思いの蔵元の日本酒とレストランの料理を楽しんだ。夕方からは、スターターセット販売ブースに行列が絶えない状況が続くなど大盛況となった。
会場でゲストにお酒を注ぎ、丁寧に説明をする出店蔵元に「CRAFT SAKE WEEK」について話を聞いた。「六本木ヒルズという特別な場所で日本酒を提供できることは嬉しいですね。日本酒だけでなく、最先端のレストランが出店していることも素晴らしいと思います」(平和酒造の山本典正さん)。「日本酒だけではなく、食、音楽、会場など全体を楽しめる貴重な場所です。また、日本酒のスパークリングの数が増え、認知度が高まり、日本酒のすそ野が広がれば嬉しいですね。明日は、ゲストで訪れたいと思っています」(山梨銘醸の北原亮庫さん)。
酒を醸す蔵人に直接会えるのも「CRAFT SAKE WEEK」の醍醐味だ。各日のテーマは次の通り。HP内には、出店蔵元が掲載されているので、ぜひチェックしていただきたい。
4/20(土) 東北の日
4/21(日) 北陸・信越の日
4/22(月) 関東の日
4/23(火) 東海の日
4/24(水) 関西の日
4/25(木) 中国・四国の日
4/26(金) 九州の日
4/27(土) SAKE COMPETITION 2018の日
4/28(日) SAKENOMY ALL STARSの日
4/29(月祝) チーム十四代の日
イベントの楽しみは、日本酒だけではない
今年のテーマは「日本酒と世界各国料理とのペアリング」。会期中の11日間で、アジアから欧州まで世界10カ国分の料理が登場し、“日本酒の新たなペアリング体験”を提供する。開幕に先立ち実施したオープニングセレモニーで中田英寿さんは「日本酒を世界に伝えていくためには、ワインやシャンパンと同じように、様々なジャンルの料理とのペアリングを伝えることが重要だと思います」とテーマを策定した経緯を語った。
会場デザインも「CRAFT SAKE WEEK」の魅力のひとつ。期間中、六本木ヒルズアリーナが“縄”をコンセプトにした巨大なアート空間に生まれ変わっている。担当するのは、2020年に開催されるドバイ国際博覧会日本館の設計を手掛ける注目の建築家である永山裕子さん。「お酒と関わりの深い縄で、人々を柔らかく包み込む浮遊感のある空間を表現しました」と語る。全長16km、570本の縄で構成された3つの大きな天蓋が会場を覆う景色は実に壮観。風で揺れる様子も美しい。
今年は、会場の一角に「ご当地キットカット ペアリング BAR」がオープン。日本酒とキットカットのおすすめペアリングをAIが提案するもので、その組み合わせは1,650通りにもおよぶ。5つの質問に回答すると、AIがその人におすすめの日本酒とキットカットのペアリングをしてくれる。提案された日本酒(60ml)とキットカット(1枚)で、価格はコイン2枚。
初日は、約1万5千人を超える人たちが来場。イベント終了時間前に、出店10酒蔵の日本酒がすべて完売した。空間、音楽、酒器など、日本酒を取り巻くすべてにおいて、こだわりを持つ「CRAFT SAKE WEEK」。ぜひ足を運び、それぞれの楽しみ方を堪能してみてはいかがだろうか。
中田英寿|Hidetoshi Nakata
1977年山梨県生まれ。2006年のW杯ドイツ大会後にサッカー選手を引退後、09年から47都道府県を巡る旅を開始。この活動をきっかけに伝統文化を支援する活動を始め、15年には「JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」を設立。工芸や日本酒のイベントを開催するなど、日本文化を世界に発信し続ける。
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