
コースを締めくくる“ご飯”や“麺”。お腹いっぱいなのに、なぜかたまらなく美味しく感じる……。ここでは、「締めのご飯や麺を目指して」といっても過言ではない、コースのラストが楽しみな、至福の日本料理店をご紹介します。
TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA
PHOTO BY YUJI YAMAZAKI(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)
EDIT BY TM EVOLUTION.INC
❶ 中華麺+和の出汁が、唯一無二の味わいを生む
——澄まし処 ふくぼく(スマシドコロ フクボク)
夜のコースの締めとして選べる澄まし麺は、和と中華を融合させた料理。澄んだ出汁は、深みがあり複雑な味わいだ。素麺ではなく細めの中華麺を使うことにより、あっさりしつつも食べ応えが加わっている。最初はそのままで、次に、添えられているネギ、海苔、胡麻油を加えて、違う味わいを楽しみたい。
「出汁と麺の細さと茹で具合の兼ね合いが難しく、調整に調整を重ねて完成までに一年を費やしました」と店長の臼井忍さん。コースでは澄まし麺のほかに、ごま油で焼きめし風に仕上げた鴨だし焼きめしも選べる。店名の『ふくぼく』は、荘子の「彫琢復朴」(余計なものを削ぎ落として本来の姿に戻るの意)からきている。その名の通り、料理もなるべく余計な手を加えず、素材の持ち味を生かすことを念頭に置いている。

澄まし処 ふくぼく(スマシドコロ フクボク) 住所 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワーウェストウォーク5F 電話 03-5413-2989 営業時間 11:00〜15:00(L.O.14:30)/17:30〜23:00(フードL.O.21:30、ドリンクL.O.22:00、土曜・日曜・祝日17:00〜) ※カード使用可 ※価格は税・サ別
❷ 炭火焼き肉料理と個性溢れる締めご飯
——MATOI-YA(マトイヤ)
備長炭を使った炭火焼き肉料理を供すバル。ビーフ、ラム、ダック、チキンと、様々な肉メニューが並ぶ。牛フィレの熟成肉をグリルした料理は300グラムで ¥3,780(ハーフ ¥1,980)。仲間とシェアしながら食べるのに向いている。グリル料理と一緒に楽しみたいワインは、ポルトガルのスパークリングワインをはじめ30種類以上が揃う。
飲んだ後に食べたい”締めご飯”も充実。パルミジャーノTKGは、カルボナーラをイメージしたご飯。しらすのせオリーブご飯は、刻んだオリーブとオリーブオイルという洋のベースに、しらすという和の要素をプラス。国産鶏の黒ソース焼きパスタは、和風ソースが決め手。いずれも、ここにしかないオリジナル料理で、お肉とワインの後にも食べやすい締めご飯に仕上がっている。

MATOI-YA 表参道店(マトイヤ オモテサンドウテン) 住所 東京都渋谷区神宮前5-50-6 中島ビルB1F 電話 03-6418-2871 営業時間 月曜〜木曜11:30〜15:00(L.O.14:30)/17:00〜23:30(L.O.フード22:50、ドリンク23:05)、金曜11:30〜15:00(L.O.14:30)/17:00〜翌3:00、土曜・日曜11:30〜23:30 定休日 無休 ※カード使用可 ※ディナーは税別、ランチ税込
❸ 焼き鶏コースの締めに食べたい2種の丼
——鳥与志(トリヨシ)
虎ノ門界隈のビジネスパーソンから根強い支持を得る焼き鳥専門店。店主の吉野定宏さんは「素材によって焼き方を変える」と語る。例えば脂を落としたい部位は弱火で脂を落としながらじっくりと、そうでないものは強火で、など、創意工夫に余念がない。
夜のおまかせコースは14本(野菜串入り) ¥3,800、半コースは7本で ¥2,400。いずれも、野菜サラダ、大根おろし、お新香、鶏スープが付く。コースの締めの食事は、焼き鶏丼、きじ丼、そぼろ丼、鶏雑炊、お茶漬け、稲庭うどんと種類豊富。中でも夜の締めご飯にはそぼろ丼が人気。粗めに挽いた鶏肉を醤油とみりんで炊いたそぼろが絶品だ。
もうひとつの名物は焼き鶏丼で、こちらは夜だけでなくランチタイムにも大人気。4種類の焼き鳥の味の違い、そぼろとご飯の相性の良さ、様々な魅力が存分に楽しめる。

鳥与志(トリヨシ) 住所 東京都港区虎ノ門1-1-11 マスダビル1F 電話 03-3593-3545 営業時間 11:15〜14:00/17:00〜22:30(L.O.22:00) 定休日 土曜・日曜・祝日 ※カード使用可 ※ランチは税込、夜は税別
SHARE