RARE BEEF RESTAURANT

オンリーワンの肉に出逢う。マニア垂涎“希少牛”を食す

昨今流行りの“赤身肉”“熟成肉”の次に来るのは、“希少牛”。一般の流通ルートでは出回らず、牧場主の許可が出たお店にだけ産地直送されるという、こだわりに満ちた牛肉。島根県産の「かつべ牛」に「石見牛」、イタリアの「キアニーナ牛」などなど……。ここでは、そんな価値ある牛肉の魅力が満喫できる名店2軒へご案内します。

TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA
PHOTO BY YUJI YAMAZAKI(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)
EDIT BY TM EVOLUTION.INC

❶ 日本での出逢いは希少。イタリア「キアニーナ」のステーキを
Fiorentina(フィオレンティーナ)

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1/5ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(Tボーンステーキ)550g ¥15,000 1カ月につき約30食限定で供される。高級銘柄牛であるイタリア産キアニーナ牛のフィレとサーロインを同時に味わえるステーキ。
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2/5トリュフの香る大分県産豊後牛サーロインのタリアータ¥4,800。絶妙なバランスでサシの入った豊後牛と一緒にバルサミコソースでいただく贅沢な温菜。フレッシュなトリュフをたっぷりと削って。
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3/5ハーブでマリネした信玄どりとポテトのロースト¥3,600。ジューシーで脂がのった山梨産の地鶏をローズマリー、タイム、セージ、ニンニクとオリーブオイルでマリネして焼き上げた、ハーブ香る一品。
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4/5都会的でハイセンスなインテリアで、大切な人との会食にふさわしい店内。朝食、ランチ、カフェ、ディナーと、終日幅広い利用の仕方ができる。
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5/5「イタリアでも有名で品質の良いキアニーナ牛を使う事を決めたのは、噛めば噛むほどに旨味が出る味わいに惚れ込んだからです」と、古村和也料理長。

店名を冠したスペシャリテ、ビステッカ・アッラ・フィオレティーナ(Tボーンステーキ)は、イタリア・フィレンツェの郷土料理。こちらでは、イタリアでも生産量が少なく、非常に希少な「キアニーナ牛」を、フィレとサーロインの両方が食べられるTボーンステーキのスタイルで提供している。

「カット肉ではなくTボーンにすることで、塊肉の醍醐味である骨と筋の周りの、肉の旨味を一番感じられる部位を味わっていただけます」と、古村和也料理長。

ステーキをひと口食せば、和牛ともアメリカ牛とも違う、独特の深いコクのある旨味が広がる。塩・コショウだけでも充分だが、マスタードソースやアンチョビとケッパーが入るサルサヴェルデソースをつけても美味。自分の好みで複数の味に変えて楽しめるのも魅力だ。キャンティクラシコやブルネロなどの赤ワインと合わせれば、肉の旨味はより一層広がっていく。

「キアニーナ牛」は脂肪が少なく、さらにコレステロール値が他の牛肉と比べて低くヘルシーな牛肉として知られている。高タンパクで鉄分が多く、とても柔らかい肉質。同店では独自のルートで、この希少なキアニーナ牛を、発祥の地にある『サン・ジョッベ農園』から確保。1カ月30食の限定提供で、毎月末には完売しているという人気メニューだ。

Fiorentina(フィオレンティーナ) 住所 東京都港区六本木6-10-3 グランド ハイアット 東京1F 電話 03-4333-8780 営業時間 9:00〜L.O.22:00( Tボーンステーキ提供時間11:30〜22:00)定休日 無休 ※カード使用可 ※価格は税・サービス料別

❷ 希少で、とろけるように柔らかい石見和牛
THE STEAKHOUSE (ザ・ステーキハウス)

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1/7石見和牛サーロインステーキ 250g ¥8,900。島根県で年間約200頭しか生産されない希少な黒毛和種。口に入れるととろけるように柔らかいのに、脂っぽくないのが特長。
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2/7仙台和牛フィレA5 ランク 150g ¥8,500。赤ワインソルトでいただくのがおすすめ。こちらも柔らかいのに、さっぱり、あっさりといただけるステーキ。ひとりで300グラムを注文する人もいるそう。
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3/7ステーキハウス和牛バーガー ランチ¥2,300、ディナー¥2,500、フレンチフライとコールスローのコンビディッシュ(ディナーのみ、プラス¥1,000)。ケイジャンマヨネーズがアクセント。テイクアウトも可。
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4/7エレガントな内装の高級ダイニングで、宿泊客以外でも気軽に利用できる。毎週金曜日には、「マンハッタン・ジャズナイト」と題したトリオジャズの生演奏がある。
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5/7オープンキッチンで、活気溢れるシェフたちの料理シーンが目に入る店内。全長3メートルの備長炭炭火焼グリルが設置されており、ステーキなどはここで香ばしく焼き上げられる。
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6/7世界的に人気の和牛ステーキを目当てに、海外からの観光客やビジネスマンも多く訪れている。ビジネスの会食に利用しやすい個室もある。
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7/7宮崎 ブラスザック・トーマス氏。ポーランド出身。ロンドンの著名レストラン『The Gilbert Scott』、バンクーバーのブティックホテル『Granville Island Hotel』で経験を積んだ後に来日。2018年4月より同店のスーシェフに就任。

2016年12月9日に、アメリカンスタイルのステーキ料理専門店としてリニューアルオープンした『THE STEAKHOUSE』。料理を取り仕切る宮崎 ブラスザック・トーマス シェフは、「オーセンティックなアメリカンスタイルのファインダイニングを目指していきたい」という。店内はホテルらしい高級感があり空間的にも広々としていて、ゆったりと食事を楽しむことができる。

ブラスザックシェフが、日本全国にある数多くの和牛の中から、石見和牛と仙台和牛を選んだのは「価格と品質のバランスがいいから。日本三大和牛ほど高額ではないので、メニューもこのお値段でお客様に提供できます」。そして「口の中に入れるとマシュマロのようにとろけていく柔らかいところが特長です」とシェフ。

特に石見和牛は島根県で年間約200頭しか生産されない希少牛として知られる。確かにナイフが不要なほど容易に切ることができ、ステーキの印象が変わるほど柔らかい。同店では肉の旨味がより引き立つよう、例えば赤ワインソルト、トリュフソルト、レモンソルトなど、週替わりの3種の塩で提供している。

THE STEAKHOUSE (ザ・ステーキハウス) 住所 東京都港区赤坂1-12-33 ANAインターコンチネンタルホテル東京3F 電話 03-3505-1185(予約専用)営業時間 11:30〜L.O.14:30/17:00〜 L.O.21:30 定休日 無休 ※カード使用可 ※価格は税・サービス料別