一年で最も寒い季節。こんな時には、個性派揃いの今時鍋とワインで温まりましょう。身体に嬉しい薬膳鍋、スパイスたっぷりの辛鍋、見た目も楽しいオリジナルしゃぶしゃぶなど、心も潤うヘルシー鍋料理をぜひ!
TEXT BY YOSHIKO NAKASHIMA
EDIT BY TM EVOLUTION.INC
❶ 高価な天然きのこのしゃぶしゃぶを赤ワインに合わせて
——SHANGRI-LA’S SECRET(シャングリラズシークレット)
中国雲南省の山岳地帯・シャングリラは、天然きのこの産地として有名。そのシャングリラの天然きのこ約30種類をじっくりと煮込んだ「ブラックスープ」を使った、しゃぶしゃぶ鍋が楽しめる。スープが真っ黒なのは、きのこの旨味が溶け出しているためで、ビタミン、ミネラル、カルシウム、アミノ酸などを豊富に含み、健康増進にも最適。スープは現地の味をベースに、日本人でも楽しめるよう味の調整をしているという。このスープを目当てに訪れるリピーターが続出。
きのこ類はスープで3分煮込んでから、お肉はさっとしゃぶしゃぶしていただく。最後は「ブラックスープ」を練り込んだ麺で締める。きのこ鍋のスープがあっさりとしているので、ワインは、ピノ・ノワールやメルローなど軽めの赤ワインを合わせたい。
PHOTO BY YUJI YAMAZAKI(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)
❷ 個性的な“リング鍋”のしゃぶしゃぶとワインを
——六道(ろくみち)
こちらの看板メニューは、鹿児島県の豚肉を使った豚巻き串、天ぷら串、リング鍋の3本柱。リング鍋とは、特注した陶器の鍋に、野菜と豚肉をリング状に盛り付けた『六道』オリジナルの鍋。肉や野菜を中央の出汁の中に入れてしゃぶしゃぶしながらいただく。リング鍋のひとつ「厳選鰹出汁の豚しゃぶ」は、鰹節で丁寧にとった出汁に黒胡椒を効かせ、鹿児島産の豚肉をしゃぶしゃぶしてからくるみだれでいただくもの。同じく「牛タンしゃぶ」は、たっぷりの牛タンを、しゃぶしゃぶした後にネギ塩かレモン酢をさっとつけていただく。鍋に合わせるお酒は、日本酒や焼酎はもちろん、約20種類あるワインから選べるのも嬉しい。
野菜を豚肉で巻いて焼いた豚巻き串や野菜などの天ぷら串をつまみながら飲んで、締めにリング鍋を食べるのが人気の定番コース。もちろんお造りや串焼き、サラダなどの一般的な居酒屋メニューも豊富に揃う。夜は17時から24時までと営業時間が長いので、早い時間集合の飲み会や、残業終わりの一杯まで、使い勝手のいい店だ。
PHOTO BY FUMIAKI ISHIWATA(DAISAKU NISHIMIYA OFFICE)
❸ 冬に嬉しいスパイス鍋で、美味しく健康に
——香辛(コウシン)
冬場に手足が冷える、肌が乾燥する、そんな時にぜひ訪れたいスリランカ鍋の専門店。スリランカ出身でスパイスを知り尽くしたトウシータ クラシンハさんが、それぞれのスパイスの効能を活かしてブレンドしている。スリランカから取り寄せる生のスパイスを、毎日使う分だけ店内ですりつぶしているので、より効能を得られるという。例えば「香辛スープ」には、八角や生姜など血行促進を助けるスパイスに加え、黒胡椒にシナモン、ナツメグなど胃腸の働きをよくするスパイス、漢方食材の金針菜、高麗人参などを含む約20種類のスパイスをブレンドし、長時間鶏ガラスープで煮込んでいる。そのスープを入れた鍋で、鶏肉や黒豚、11種類の野菜ときのこ類を煮込んでいただく。食べた直後から、身体がほかほか温まってくるのが実感できる。スパイスは日本人が美味しく心地よく食べられるようにアレンジしているので、くせが強すぎるということは全くない。
鍋には、豊富に揃うビオワインを合わせたい。辛い鍋には白ワインが合う。レモンサワーに使うレモンも国産のノンワックスを使うなど、全てにおいてゲストの健康に心を配っている。
PHOTO BY TAKUYA SUZUKI
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