ミシュラン2つ星に輝くフランス料理店「レフェルヴェソンス」の生江史伸さん、全国からパン好きが訪れる大阪の人気ブーランジェリー「ル・シュクレ・クール」の岩永歩さん、世界最高峰のコーヒーを提供する「フグレン」の小島賢治さん。この3者のコラボレーションによる新店が、6月、六本木ヒルズのけやき坂に誕生する。魅力的な個性がどう交わるのか。生江さんに話を聞いた。
TEXT BY Yui Togawa
PHOTO BY Tamon Matsuzono
魅力的な3ブランドがコラボ。
日常と調和するパンとコーヒーと料理
「岩永さんと深く会話を交わしたのは、東日本大震災の焚き出しの時。私がハンバーグを作り、バーガーのパンを担当したのが岩永さん。ビーツを使ったピンクのバンズで、子どもやお年寄りを考慮した何とも優しい味わいでした。その時、モノカラーの生活に彩りを入れていくことが自分たちの役目と語った言葉が忘れられません。一方、小島さんとは『ノーマ』が来日した際、共にサポート役をしたことで親交が生まれました。店舗で初めてラテを飲んだ時は、その味と香りに頭を撃ち抜かれたような衝撃でしたね」。パンとコーヒーは、いずれも「レフェルヴェソンス」で取り入れている。
「新店のコンセプトは“ハレ”ではなく“ケ”の場所。80年代のスピーカーや古木を取り入れた、ずっと前からあるようなノスタルジックな空間をイメージしています」。広さは約80坪で、半分を工房と売場、もう半分をダイニングにし、コーヒーカウンターを設置。パンの材料は、「ル・シュクレ・クール」では仏産の粉をメインに使っているが、新店では国産を使うという。店名やメニューは現在構想中。“日本の今”をパンで表現する新店、オープンが待ち遠しい。
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