暮らしを楽しむためのさまざまなアイデアや工夫を、ヒルズエリアのエキスパートに教えてもらう連載「Tips for Life」。第5回はTORANOMONO KOFFEEのバリスタ・小倉貴幸さんに、スタンダードな深煎りと、爽やかな酸味が魅力の浅煎りのコーヒー豆から美味しいコーヒーを淹れる方法を教えてもらった。
TEXT BY MIHO MATSUDA
PHOTO BY KOICHI TANOUE
刻一刻と変化するコーヒーのトレンド
虎ノ門ヒルズにある「TORANOMON KOFFEE」の大きな特徴は、飲む人にベストなコーヒーを勧めてくれるエキスパートがいること。たくさんあるメニューに迷っても、エスプレッソかハンドドリップか、はたまた砂糖やミルクを入れるなど、好みや気分に合わせて最適な一杯を選んでくれるのだ。バリスタの小倉貴幸さんは「なんでも気軽に相談してください。コーヒーの酸味が苦手だったというお客様も、話しているうちに好みの酸味が見つかることもあります。今まで知らなかった美味しさに気付いて、よりコーヒーを好きになるお手伝いができれば」と語る。
2000年代にアメリカの西海岸から生まれた「サードウェーブコーヒー」の流れは、現在、世界的な潮流となり、ノルウェーのオスロやオーストラリアのメルボルンを中心に、さらなる盛り上がりを見せている。小倉さん自身も、西海岸で学んだ後、2年間ほどメルボルンにコーヒー留学をしている。
「メルボルンはイタリアからの移民が多く、街にエスプレッソ文化が根付いていました。それが10年ほど前からのスペシャルティコーヒーのムーブメントが合流し、現在は世界中からバリスタが勉強をしに集まるコーヒーの街となっています。そんなふうに、コーヒーのトレンドは次々と刷新されています。そういったことも含め、僕たちがコーヒーの美味しさをお伝えしていければと思っています」
覚えておきたいコーヒーの基本
❶コーヒー豆の保管
美味しいコーヒー豆は、直射日光を避けて温度変化の少ない場所で保管しよう。TORANOMON KOFFEEでは、ローストから1週間程度経過したコーヒー豆を使用するが、エスプレッソやハンドドリップなど抽出方法でも異なるので、豆を購入した店舗で相談するのがベスト。
❷湯量・温度
TORANOMON KOFFEEでは、90度のお湯を使用しコーヒーの旨味を引き出す。またコーヒーの粉量と湯量の割合でも味が変わるので、コーヒーサーバーの下にスケールを置いて重さをチェック。この習慣をつけると、自分好みの比率を把握することもできるのでおすすめだ。
❸コーヒーに合うスイーツ
TORANOMON KOFFEEのシグネチャースイーツは「ベイクドカスタード」(写真左)。深煎りのコクのあるコーヒーにも、クリアな浅煎りのコーヒーにもマッチする。他にも、虎ノ門にあるビストロ「Blanc」のシナモンロールやチョコパンや、サンドイッチもあるので、コーヒーとのマリアージュを楽しもう。
【関連記事】
小倉貴幸|TAKAYUKI OGURA
「TORANOMONO KOFFEE」バリスタ。国内のコーヒー専門店、カフェ勤務を経てサンフランシスコで西海岸のコーヒー文化に触れ、さらにコーヒーを学ぶべくオーストラリア・メルボルンへ留学。2015年に帰国して現職。「OMOTESANDO KOFFEE HONG KONG」「OMOTESANDO KOFFEE SINGAPORE」を立ち上げ、現在は虎ノ門ヒルズで日々おいしいコーヒーを提供している。
SHARE