ONE MORE CUP OF COFFEE

ペーパードリップで美味しいコーヒーを淹れるには?——TORANOMON KOFFEEのバリスタに聞く

暮らしを楽しむためのさまざまなアイデアや工夫を、ヒルズエリアのエキスパートに教えてもらう連載「Tips for Life」。第5回はTORANOMONO KOFFEEのバリスタ・小倉貴幸さんに、スタンダードな深煎りと、爽やかな酸味が魅力の浅煎りのコーヒー豆から美味しいコーヒーを淹れる方法を教えてもらった。

TEXT BY MIHO MATSUDA
PHOTO BY KOICHI TANOUE

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1/10TORANOMON KOFFEEのハンドドリップコーヒー
深煎りの豆と、浅煎り豆で器具を使い分けるTORANOMON KOFFEE。それを参考に、まずはカップ一杯(192cc)のコーヒーを抽出してみよう。
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2/10深煎り豆のドリッパー
TORANOMON KOFFEEのハウスブレンドの豆を使用。ドリッパーとフィルターはカリタのウェーブ。抽出の表面積が広く、甘さと香りが引き出せる。抽出時間は3分30秒を目指そう。
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3/10まず30gのお湯を注ぐ
少量のお湯を注ぎ、30秒蒸らす。ここで、コーヒーの甘みと酸味が決まる。
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4/10蒸らす
この状態で30秒待つ。この時間もハンドドリップの醍醐味。
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5/10お湯を注ぐ
ここから4回にわけてお湯を注ぐ。まずは50g、次は40gを2回、最後は32gで、合計192gを抽出する。
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6/10甘みが豊かな深煎りコーヒー抽出完了
豆の甘さと豊かな香りのコーヒーが出来上がった。ミルクを合わせても楽しめる。次は浅煎り豆の抽出にチャレンジ。
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7/10浅煎り豆のドリッパー
浅煎り豆のドリップは、ハリオV60を使用。コーヒー豆はエチオピア産。雑味のないクリーンなフレーバーを引き出そう。
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8/10お湯を注ぐ
30gのお湯で蒸らすなどの手順は深煎り豆のドリップと同じ。TORANOMON KOFFEEではドリッパーの中心に向けてお湯を注ぎ、よりきれいな味わいを目指す。
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9/10浅煎りは手早く
浅煎りは2分15秒で手早く抽出。深煎りよりもやや難易度は高めだが、ぜひチャレンジしてみよう。
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10/10華やかな酸味のコーヒー抽出完了
アールグレイのような華やかな香りのコーヒーが出来上がった。ミルクや砂糖を加えずに、ストレートでクリアな味わいを楽しみたい。

刻一刻と変化するコーヒーのトレンド

虎ノ門ヒルズにある「TORANOMON KOFFEE」の大きな特徴は、飲む人にベストなコーヒーを勧めてくれるエキスパートがいること。たくさんあるメニューに迷っても、エスプレッソかハンドドリップか、はたまた砂糖やミルクを入れるなど、好みや気分に合わせて最適な一杯を選んでくれるのだ。バリスタの小倉貴幸さんは「なんでも気軽に相談してください。コーヒーの酸味が苦手だったというお客様も、話しているうちに好みの酸味が見つかることもあります。今まで知らなかった美味しさに気付いて、よりコーヒーを好きになるお手伝いができれば」と語る。

2000年代にアメリカの西海岸から生まれた「サードウェーブコーヒー」の流れは、現在、世界的な潮流となり、ノルウェーのオスロやオーストラリアのメルボルンを中心に、さらなる盛り上がりを見せている。小倉さん自身も、西海岸で学んだ後、2年間ほどメルボルンにコーヒー留学をしている。

「メルボルンはイタリアからの移民が多く、街にエスプレッソ文化が根付いていました。それが10年ほど前からのスペシャルティコーヒーのムーブメントが合流し、現在は世界中からバリスタが勉強をしに集まるコーヒーの街となっています。そんなふうに、コーヒーのトレンドは次々と刷新されています。そういったことも含め、僕たちがコーヒーの美味しさをお伝えしていければと思っています」

覚えておきたいコーヒーの基本


❶コーヒー豆の保管
美味しいコーヒー豆は、直射日光を避けて温度変化の少ない場所で保管しよう。TORANOMON KOFFEEでは、ローストから1週間程度経過したコーヒー豆を使用するが、エスプレッソやハンドドリップなど抽出方法でも異なるので、豆を購入した店舗で相談するのがベスト。


❷湯量・温度
TORANOMON KOFFEEでは、90度のお湯を使用しコーヒーの旨味を引き出す。またコーヒーの粉量と湯量の割合でも味が変わるので、コーヒーサーバーの下にスケールを置いて重さをチェック。この習慣をつけると、自分好みの比率を把握することもできるのでおすすめだ。


❸コーヒーに合うスイーツ
TORANOMON KOFFEEのシグネチャースイーツは「ベイクドカスタード」(写真左)。深煎りのコクのあるコーヒーにも、クリアな浅煎りのコーヒーにもマッチする。他にも、虎ノ門にあるビストロ「Blanc」のシナモンロールやチョコパンや、サンドイッチもあるので、コーヒーとのマリアージュを楽しもう。

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小倉貴幸|TAKAYUKI OGURA
TORANOMONO KOFFEE」バリスタ。国内のコーヒー専門店、カフェ勤務を経てサンフランシスコで西海岸のコーヒー文化に触れ、さらにコーヒーを学ぶべくオーストラリア・メルボルンへ留学。2015年に帰国して現職。「OMOTESANDO KOFFEE HONG KONG」「OMOTESANDO KOFFEE SINGAPORE」を立ち上げ、現在は虎ノ門ヒルズで日々おいしいコーヒーを提供している。