4月9日(火)〜6月16日(日)まで、森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)にて「ムーミン展 THE ART AND THE STORY」が開催されている。世界中のファンを魅了する奥深い物語の魅力を、約500点の展示品で紐解く大規模な展覧会はファンならずとも必見!
TEXT BY KYOKO INOU
フィンランドを代表する芸術家、トーベ・ヤンソン(1914〜2001年)が生み出した「ムーミン」シリーズ。小説、絵本、アニメ、キャラクターグッズなど様々な形で親しまれ、愛らしい姿とユーモアにあふれた言葉で、世界中のファンを魅了し続けるムーミンとその仲間たちが、まさに集大成ともいうべきスケールで日本にやってくる!
約2000点の作品を所蔵するフィンランド・タンペレ市にある世界で唯一の「ムーミン美術館」からは、小説の原画やスケッチのほか、トーベがムーミン小説を手掛ける前に描いていたスウェーデン語系の政治風刺雑誌『GARM』の挿絵など、選りすぐりの作品群が日本に初上陸。
『小さなトロールと大きな洪水』『ムーミン谷の彗星』『たのしいムーミン一家』『ムーミンパパの思い出』『ムーミン谷の夏まつり』『ムーミン谷の冬』『ムーミン谷の仲間たち』『ムーミンパパ海へいく』『ムーミン谷の十一月』と、全9作が発表されたムーミン小説。本展では、すべての物語のさまざまなシーンの数々と、絵本『ムーミン谷へのふしぎな旅』の原画を紹介。ダークな森の描写や深いテーマ性など、日本で最も親しまれてきたアニメとは異なる、独特の世界観に浸って。
また、“幻のムーミン人形”と呼ばれるアトリエ・ファウニのムーミンフィギュアやイースターカード、アドベントカレンダーの原画、銀行や新聞の広告など、ムーミンキャラクターズ社所蔵の貴重なコレクションも展示。トーベ・ヤンソン自身が最後まで手元に残しておいた作品と共に、小説や絵本では出会うことができない、ムーミンと仲間たちの多彩な表情が楽しめる。
2019年は、フィンランドと日本の外交関係樹立100周年。トーベが来日した際の写真資料やスケッチが紹介されるほか、浮世絵とトーベの作品を対比して展示するなどの趣向も。記念すべき年に開催される本展に、ぜひ足を運んでみて。
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