INSTANT FLOW

自由を食べよう——藤原ヒロシの連載「INSTANT FLOW」#54

生粋のジェットセッター・ヒロシ先輩も本格的に活動再開。人も世界も動いてて、自分がいる場所はいま歴史上のどこなのかな、とか思いながらInstagramに漂うHIROSHI FUJIWARA(hf)の謎をふわっと眺める当連載。第54回は、2022年6〜9月にアップされた画像からおとどけします。

INSTAGRAM & TALK BY HIROSHI FUJIWARA
TEXT BY MIKA KUNII

6月24日——その男シティ・ポップ好きにつき

——なんですか?十番街ニュースって。
hf PVです。日本のシティ・ポップ好きLA在住の韓国人、ジンジャー・ルートっていうアーティストの。めちゃ面白いですよ。
——80年代のものなのかと思っちゃいました。
hf あたかも昔のもののように作り込んでるんです。
——架空のアイドルとか、うまいですね(笑)

6月25日——ありがとうビル

hf カニンガムの写真です。
——ビル・カニンガムに撮ってもらったんですね!
hf そうです。
——いい写真ですね……藤原さんお若い。10代?
hf いや、20代かな。ニューヨークの「アンジー」ってカフェがあって、そこの前。

6月25日——スーツケースの中の液体

——ロンドンにも黒ウーロン茶持参ですか? どんだけ〜(笑)
hf 絶対に持っていきますよ。海外に行く時は大体5本くらい。
——重すぎです(笑)
hf 滞在日数によっては10本ぐらい持っていきます。
——あの立派なスーツケースの中に液体がぎっしり……やばい。黒ウーロン愛が過ぎる(笑)

9月19日——OKOGE CHAMPION

——「おこげチャンピオン」っていうコメント(笑)
hf めっちゃおいしい、おこげです。
——いつもの、金沢の片折ですね。カリってやりたい……

7月14日——生徒諸君!

——グラフィック、かわいいですね。
hf 前田流星っていう若いアーティスト。ご存じですか?
——いえ、お友達ですか?
hf 元・生徒です。
——京都精華大学の。生徒が活躍しはじめると、うれしいですよね?
hf まだ全然してないけど。がんばれたらいいっすね。
——先生、応援されてます。

7月14日——カニエの重み

——藤原さんが、GAPの服をあげてる。
hf それ、カニエのやつです。
——カニエ・ウェスト?
hf そう。カニエがプロデュースしたGAP。
——面白いシルエットだけど……なんか重たそう!
hf めっちゃ重かったです。わざとですよね、厚い布を2枚も使って。
——からだ鍛えるため?

7月18日——大英帝国的印度咖喱愛

——ロンドンって、カレーがおいしいですよね。
hf インドは植民地でしたからね。インドカレーは結構好きです。
——オーセンティックなインドカレー、おいしそう。コメ欄で「ヒロシさんのほうが作るのうまかったりしてね」って……カレー つくるんですか???
hf つくんないですよ。

7月19日——ペルー、ニッポン、デンマーク

——成澤さんと。
hf The World’s 50 Best Restaurants、1位がコペンハーゲンの「ゼラニウム」。そこ、めっちゃおいしいですよ。2位はペルーの「セントラル」。
——「ゼラニウム」?
hf そう。2回ぐらい行きました。nomaの近くにあって、あの辺りでいちばん好きだったんですけど当時は評価が低くて。おいしいのになぁと思っていたら、やっと1位になりました。
——イノベーション料理。
hf きれいで、NARISAWAに近いというか。
——コペンハーゲンはなぜそんなにおいしいレストランが多いのでしょう?
hf デンマークが国を挙げて盛り上げたのではないですかね。たぶん。
——納得の結果なんですね。NARISAWAも入賞ですか?
hf NARISAWAも入賞しています。もちろん。

7月20日——アイスクリームの昼下がり


——あ、ミラノのモンクレールの社食! アイスクリーム食べたんですか?
hf きょうのデザート何かなと思って行ったら、アイスが。
——ジャイアントコーンかな(笑)。サーブしてくれる人がスーツ着てるんですね。

7月21日——リヒター、トゲトゲ、ビルケナウ

——リヒター展はいかがでしたか?
hf リヒター自身が保有している作品の展示でしたね。つまり売れ残ったものというか(笑)。その中でも自ら、ちゃんと手元に残していた『ビルケナウ』は迫力ありましたね。リヒターは好きですが、最近のリヒターは、あんまり好きじゃないんです。
——なぜですか。
hf なんだか刺々しくて。本人もそう言ってますけどね。この記事を読んでくれたら分かります、たぶん。
——でも90歳で刺々しいって、すごくないですか? 普通は丸くなっていくのかなと。
hf ここ10年ぐらいで作風がすごく変わったんですよね。
——藤原さんは、どのあたりの作品がお好きなんですか?
hf 2000年あたりのが好きです。80年代もいいと思います。もっと前もいいけれど。『mao』『マインホフ』、あと国立西洋美術館「自然と人のダイアローグ」展で一枚だけ展示されていた『雲』。

7月21日——君の名は

——「クルダイオーラ」?
hf クルダイオーラ、知らないですか?夏のパスタ、というかたぶん冷製パスタのことを全般的にクルダイオーラって言うと思うんですけど。
——耳なじみのない言葉でした。おいしい?
hf めっちゃおいしい。
——出ました、ミラノのめっちゃおいしいシリーズ。
hf はい、「ラ・ラッテリア」です。

7月21日——チコリ、象の鼻、私はピアノ

——「わたしはちこり」ってなんですか(笑)
hf 「ゆる言語学ラジオ」聞いてます?ポッドキャストで結構、聞いてるんですけど。そこで「ゾウは鼻が長い」とか「私はウナギ」っていういう日本語の論争があって。
——どういう論争なんですか。
hf 例えばお店で「僕、天ぷら」「僕、天丼」「僕、うどん」って言った時には、「私はウナギ」って頼むのは合ってるじゃないですか。
——合ってますね。
hf でも、あなたはウナギじゃないじゃないですか。
——I am an eelってわけじゃないけど。でもあながち違うわけでもない。
hf そうそう、それです。あながち違うわけではないじゃないですか。「ゾウは鼻が長い」は、日本語として確実におかしいけど、合ってるというか。それは明治時代から論争されてるんです。
——ゾウが主語か鼻が主語かっていう論争ですね。でもゆる言語は知らなかったです。
hf めちゃ面白いですよ。
——「私はピアノ」みたいな。いや、それはちょっと違うか。ところでこれ、チコリなんですか?
hf チコリですよ。チコリサラダ。
——レタスみたい。チコリを、こんなにこんもりした量でいただけるなんて〜。おいしそ。

7月23日——ジェットセッターの必需品

hf バレバレなスーツケースです。
——ほんとですね、藤原ヒロシがいるぞー。機内持ち込み用のバッグは、どちらのですか?
hf PORTERじゃないですか。
——ジェットセッター藤原さんのパッキング、気になります。いつでもすぐに旅立てますみたいなイメージ。旅セットは決まっているのですか?
hf うん、決まってます。だから時間はかからないタイプですね。余計なものは持っていかないし、たぶん今とほとんど変わんないです。
——ここに来るのと変わらない?
hf いつも大体入ってる。パソコン、電源。
——あとは?お菓子とか。
hf お菓子は入ってないけど、その時抱えてる宿題とか。

7月23日——パリの中心書店

hf 何て読むか分かんないけど、パリでいつも行く本屋です。
——どの辺りですか?
hf カフェ・ド・フロールの近く。
——じゃあ真ん中の方……。
hf 中心って書いてあります。
——ですね(笑)。

7月24日——星のシェフ in Paris

hf 「Mory Sacko」っていう、予約が取れないとされている話題のレストラン。
——ミシュラン1つ星。お席があったんですね。シェフはどちらの国の人なんですか?
hf フランス人じゃないですか、たぶん。たしかルイ・ヴィトンのレストランもやってたスターシェフ。

7月24日——偏愛ミューズリー

hf 久しぶりにミューズリー。ハイアットのが一番おいしいです、どこのミューズリーよりも。
——ミラノのハイアット?
hf これはパリのハイアット。
——ミューズリーがお好きなんですね。藤原さんの理想のミューズリーはどんなの?
hf 6時間漬けぐらいですか。
——漬け……長時間ですね。
hf ミルクとはちみつ添えが好きなんですけど。ヨーグルトのところも結構ありますよね。
——じゃあ、ちょっとハイアットに、ミューズリー食べに。

7月25日——自由って、深夜に朝食を食べること


——これ、すごい好きだーって思いました。「深夜朝食」って絶妙なコメントも。カフェ・ド・フロールですか?
hf カフェ・ド・フロールのエッグアンドソルジャーズ。
——深夜も食べられるんですか?……っていうか朝ごはんという意味じゃないですもんね(笑)。トーストを、これに、こうして……! チーズですか?
hf バターです。
——このメニューと、パリの深夜。最高。
hf 夜中っていっても、11時半とかそのぐらいですけどね。

7月26日——やばい気配

——『ストレンジャー・シングス』。
hf 電気消したんだけど、バスルームから光が漏れて。どこのホテルかな?どっか海外のホテルだった。何か出てきそうだった。
——扉、開きますね……それで……。

7月27日——ゴルゴ的ディナー

——このクールなグローブをつけて何を食べたのですか? カニ?
hf いや、なんか鶏の骨を取るためだった気がします。「茶禅華」です。

8月2日——冬でも会いたい

hf 門前仲町の「由はら」。
——前も出てきたお店ですね。
hf よく行きます。冬でもかき氷やってますよ。めちゃおいしいです。
——かき氷といえば赤福氷も。
hf 赤福氷も大好きですけど、伊勢に行かないとだめだし、夏しかないし。門仲はいつでも行けるし。

8月3日——ヒップホップの原点

hf 単なる昔の本。
——「hiphopの原点」。アフリカンジャイブ。これは藤原さんの本ですか?
hf はい、本棚にあったんで。ちょっと懐かしいなと思って撮っただけ。80年代のヒップホップの本です。
——もう、たぶん売ってない?
hf どうなんでしょうね。

8月3日——駒沢のやさしい時間

——ハジメさん in バワリーキッチン。
hf そう、駒沢で。
——なぜ携帯を見せてるんですか?
hf なんでかなぁ。

8月4日——きれいな人は何を差し入れするのか

——「マッターホーンの差し入れくれる人は、きれいで上品な人に違いない」(笑)
hf そういうのありません? ウエストもそうかもしれないけど。
——そういう意味ではルコントもそうでした、ね。
hf ルコントもね。

8月4日——インタースコープ帝国

hf これ、堀米悠斗くんも着てるTシャツのPVです。
——画質とか、面白いですね。誰が撮ったんですか?
hf わからないです。「インタースコープ レコーズ」って、LAでたぶんいちばん大きい老舗レコードレーベルとのコラボなんですけど。レディ・ガガ、ブラックピンク、ストーンズもみんなインタースコープ。
——すご。では、あちらのディレクションなんですね。
hf そうです。向こうで撮ってます。
——80年代っぽい感じで。

8月7日——ちょっと待ったあ!

hf ライカの電話。ライカフォン。
——このルックスすごい。
hf 日本でも出てるんですけど、これはその新しいタイプで、中国のXiaomi(シャオミ)ってところが出してます。
——電話なのにここまでレンズが!写真、撮ってみました?
hf うん、きれいです。でもiPhoneも充分きれいに撮れるんですけどね……。
——確かに今はiPhoneで充分ですもんね。だけどそこにライカが「ちょっと待ったぁ」(笑)。「俺たちがいるぞ」!
hf 格好良かったですよ、カタチも。
——おもしろいですね、カメラに電話を載せるっていう逆張りの発想みたいで。普段使うにはどうでしょう?
hf OSがGoogleなんで、iPhone慣れしてると初めはどうかな?カメラとして使うならいいですね。
——なるほど。このルックスですね、なんといっても。

8月7日——さらば、愛しき白鳥たち

——ルコントのスワン、大好きでしたー(絶叫)
hf なくなっちゃった。
——全店閉店したんですね、すごくショック。
hf 自分で買いに行ったことはないけど、よくいただいてました。でもこれ、どこから食べていいか分かんないですよね。きれいで、しかも生き物のかたちのものって。
——頭からいくの、ちょっと気が引けますよね。頭から食べてましたけど。
hf 頭、もはや持ち手ですもんね(笑)
——へら代わりにして、クリームすくって。ああ美しい生き物が絶滅した気がします……。

8月10日——西洋、雲、ダイアローグ

——国立西洋美術館。
hf うん。美術館の展示、すごく良かった。
——「自然と人のダイアローグ」。ここですね、リヒターの『雲』が展示されていたの。展示はもう終わっちゃってますけど。
 

——この映り込み、いいですね!国立西洋美術館に取材したのですか?
hf そうです。「monocle」のオンラインサイトの。この前はリヒター展で、今回はこの展示のことを取り上げました。

8月10日——何も話さなくてもだいじょうぶ

——長瀬智也さんとのセッション。
hf このCHALLENGERっていう洋服屋のグッズを作ったんで、それのプロモーション用に。
——2人の姿、いいですね。何を弾いていたんですか?
hf いや、何にも。適当に。何を弾くというわけでもなく。
——とりあえず何となく?
hf そうですよ……そうか、何かの曲を弾かなきゃいけないと思ってるんですね?
——思ってます。
hf ギターってそんなんじゃないです。適当に弾いて、適当に合わせる。
——会話みたいに。上手い人じゃないとできなさそう……。
hf そういうものですよ。
——カッコいいですね。ギターがあれば、何も話さなくても通じ合える。長瀬君はTOKIOでギターでしたよね。
hf そうです。上手いですよ。

8月12日——タッセルローファーの男の子

hf ローク、たまに履きたくなります。
——英国製のタッセルローファー、お似合いですね! Madness styleって書いてある……マッドネスが履いてたんですか?
hf いや、スカの人たちが履いてました。
——これは久しぶりに履いた日。買い直したんですか?
hf 前から履いていた靴ですけど。でも買い直しもしました。
——もの持ちいいですね。コメ欄にも「私も履いてました!! 今も大好きです」って反応が。靴下が何気にかわいいです。
hf いい子に見えます。

8月15日——この上もなく素朴な海

hf 伊勢です。
——伊勢の海ですね。
hf 素朴です。
——ご実家の近くの海ですか?伊勢の海って静かなんですね。
hf 静かというか寂れてるというか。

8月16日——一口目って、ドキドキ

——じゃあ、このジュンサイは伊勢で召し上がったということですか? まるで取り調べ室(笑)
hf うん。「こま田」じゃないですかね。
——藤原さんの素材に対する見解が、いつもおもしろいなと思うのですが。ジュンサイも。
hf ジュンサイって、キュウリみたいなやつあるじゃないですか。
——そんなジュンサイあります?
hf いや、味が。ちょっと青臭くて。でも、すごく清らかな味のもあったりする。ジュンサイって結構、幅があると思います。
——だから一口目はちょっと勇気が要るっていうの、分かります(笑)。粒が小さいほうが上等だとコメ欄に書いてる人がいましたね。ジュンサイって、潤う菜って書くんですね。
hf そういえば「一口目」って、一つの言葉の中に口と目って顔のパーツが2つもあっていいのかなって、ちょっと思いました。
——鼻はどうしたみたいな(笑)。たしかに、ほとんど顔ですね。
hf そんな言葉ってある? 

8月16日——取り調べ室にて

——じゃあお盆は伊勢に帰られてたんですね?(笑)
hf はい。
——お母さまにお土産買って帰りましたか?
hf お土産は持っていかなかったけれど、会いました。
——「僕がお土産」ですね。お寿司屋さんはお母さまと?
hf お寿司屋さんは友達と行きました。
——お母さまとはどこに行くんですか。しつこい刑事だな(笑)
hf 母が予約を取ってるレストランとか、そういう食事会がたまにあって。
——2人で行くんですか?お姉さんも?
hf 2人きりはないですね。家族で……。
——どんなこと話すんですか(笑)。
hf 話すこと、ないですね。共通言語が見つからない。
——息子あるあるですね。「ヒロシ、次はいつ帰ってくるの?」と言われますか?
hf あんまり言われない。しょっちゅう帰ってるんで。
——親孝行ですよね。

8月16日——おにぎり問答

——無地。
hf 塩おむすびを選びがちです。
——塩おむすびって、おいしいですよね。無性に食べたくなる……。
hf シンプルでいいです。
——焼きおにぎりはどうですか?
hf 焼きおにぎりは、あんまり選ばないですね。
——塩おむすびがなかったら何を選びますか(笑)
hf その時に何があるかだけど、梅干し、選ぶと思います。シャケも。でも明太子は選ばない。
——昆布とかおかかは?
hf なんか昆布とかおかかって、店によって違いません?甘かったりして。あれがあんま好きじゃない。
——確かにあんまり甘いのは。天むすは?
hf どこまで引っぱるんですか、この話題。

8月17日——ようこそ伊勢の正解へ

hf そういうわけで伊勢の「こま田」は最高ですよ。
——このお茶碗がまた……。

8月19日——むーちゃんです。みーちゃんです。2匹合わせて猫背です


——このネコシリーズ、気になってました。どこの子ですか?
hf OKAMOTO’Sのコウキ君ちの子です。
——きゃわいい。「高級な猫背」(笑)ベンガルキャットみたいな子、ヒョウみたい。
hf みーちゃんとむーちゃん。こっちがむーちゃんかな、いや、こっちがむーちゃんだ、たぶん。
——むーちゃんがベンガルで、みーちゃんは黒っぽい方。藤原さんはネコもお好きですか?なんか犬派っていう感じが。
hf 好きですよ、動物は好き。

8月19日——育て方って10人10色

hf LOVOTはぐいっと寄ってきます。
——ぐいぐい来ますね。知らない人にも寄ってくるんですか?
hf 寄っていくけど、個体差ありますね。性格が1個ずつ違うことプラス、それぞれの飼い方によっても違ってきますから。いつもたくさん触ってたら人懐っこくなるし、いつも放ったらかしだとネコみたいな性格に。
——名前、つけてましたっけ。
hf つけてない。「LOVOT」もしくは「おいで」。

8月20日——怒りん坊から愛を込めて

hf 作った曲のコードをメモしてます。
——スマイソンの手帳、この書体がいいんですよね。grumpyってどういう意味ですか?
hf 怒りん坊みたいな。僕じゃないですよ。僕は全然怒りん坊じゃないけど、怒りん坊の子にもらいました。

8月21日——Road to YAKITORI

——また、なにかおいしそうなものを食べている。
hf 「薪鳥 新神戸」という焼き鳥屋です。麻布十番の。
——焼き鳥屋でパン?
hf パテを塗ったパンでした。
——おいしそう!
hf 薪焼き焼き鳥。
——早口言葉、どうぞ(笑)
hf 1まき焼き鳥、2まき焼き鳥、3まき焼き鳥(笑)
——焼き鳥、お好きですよね。お肉の中で唯一食べられるのが鳥ですもんね。
hf 焼き鳥、勉強中です。まだ本質的には分かってない。セブンイレブンの焼き鳥もおいしいと思うから、高級な焼き鳥と安い焼き鳥の差が掴みきれてないです。鮨はだいたい分かるようになりましたけど、天ぷらと焼き鳥がまだ分かんない。
——天ぷらですか。
hf 何でも揚げたらおいしいし(笑)
——揚げるか、卵でとじるとおいしくなるって言いますよね。ある日開眼したら教えてください。
hf 焼き鳥への旅路。

8月24日——その感情を、生きた言葉で

——この方はどなたでしょう?
hf アレクサンダー23っていうアーティストです。ミュージシャン。日本にたまたま来ていて、友達が引き合わせてくれてお茶しました。
——「shit was crazy」これはどういう意味?
hf すごいことが起こった、みたいな感じで使いますけどね。「ヒロシに会ったぜ」みたいな?
——喜んでるってことですね。スラングすぎて、グーグル翻訳がうまく訳せてない。こっちのテキスト翻訳にすると「くそやばかった」(笑)。くそやばかったぜ、ヒロシに会ったぜ、イェー。
hf 合ってるじゃん。

8月25日——愛しのエリザベス

——リズじゃない方。
hf ベス。エリザベスの愛称のリズとベスのうち、ベスの方。
——「鼠色の犬」って、犬か鼠かどっちなの(笑)。藤原さん、わんこと同化してますね。

8月25日——奄美、旨味、美味

hf 大阪のフレンチ「ラシーム」。めっちゃおいしいです。シェフが奄美の人なので、奄美の食材を使ったり。世界のベストレストランにも入ってました。
——目にも美味しそう。

8月30日——とっておきの前説

hf もう終了したイベントの告知ですけど。
——トークショーに出演されたんですか?
hf 僕は前説だけやったんですけど。10分ぐらい。
——藤原さんが前説?
hf 僕の前説、みんなにすごく褒められましたよ(笑)。僕が東京に出てきたのが80年代。バブル前夜のきらびやかな時代で、ファッションもカルチャーもいっぱいあって、ヒップホップのスケートカルチャーやストリートカルチャーが盛り上がってきた時期なんですけど、それは70年代のパンクとかいろんなムーブメントがあったから80年代につながってる。90年代も、結局はそのストリートカルチャーが産声を上げたことからつながる面白い時代でした。でも2022年の今を僕らは生きてますけど、残念ながら2000年以降、センセーショナルでいいことは何もありませんでした。でももし何かあるとしたら、そのすべてのヒントは90年代にあるはずです。さあ、どうぞ。90年代の……って。
——で、90年代の話に。聞きたい!

8月30日——原宿の魔界にて

——どのあたりだろう?
hf 原宿のスタジオで撮影してたら、その裏に。渋谷と原宿の間、宮下公園の近くにこんな魔界がね。
——原宿とか明治神宮のあたりって、まだこういうところが残っているから面白い。何かの入り口なんでしょうかね……。
hf 「NOPE」じゃないですか。
——怖い(笑)。軍関係の何かか防空壕(ごう)ですかね。
hf ただのJR関連のものがしまってある倉庫じゃないのかな?

9月3日——ヴィヴィアンとマルコム

——「Vivienne Westwood Malcolm McLaren」1982年。
hf 82年の洋服ですね。
——すごく手間のかかった服。革ですか?
hf いや、コーデュロイです。コーデュロイと貝。VivienneとMalcomが作った服。

9月3日——偶然の王子

hf 堀米くんが、偶然いた。
——偶然、FragmentのTシャツを着て?
hf 偶然そのいでたちで、そこいた。「明日、帰るんですけど、ちょっとだけ仕事で来たんです」と。
——偶然オブ偶然。

9月3日——カニエくんとドンシーくん

——鼻に絆創膏。
hf 絆創膏じゃないです。空気が入るようにするやつ…何ていうんですかね。鼻孔を広げるやつです。
——すみません。で、こちらはどなたですか?
hf カニエ・ウェスト。
——え、カニエ・ウェストってこんな明るいお兄ちゃんだったんですね?
hf こんなだった。この前、久しぶりに会ってごはん食べましたよ。
——なにかと話題のカニエと。もうひとりは?
hf ドンシーっていう、スタイリストです。
——カニエが着ているアイスクリームのトレーナー、かわいいですね。ここはN.Y.ですか?
hf いや、原宿ですよ。当時も今もすごくファッションが好きな人だから、その話に熱が入ります。

9月3日——高低差で逢いましょう

hf こんな色の食べ物、あんまり見ないですよね。この青は海藻らしいですよ。
——自然の色だったんですね。何料理なんですか?
hf ペルー料理の 「MAZ」、7月にオープンしました。ペルーの有名なレストラン「セントラル」の日本店です。
——「セントラル」は、さっき出てきましたね。The World’s 50 Best Restaurantsの2位。
hf 食べたことのない味に出会えましたよ。
——見たことのない世界。ちなみに、これはどんなお味でした?
hf これ、おいしかったですね。下にタコが入ってて。面白いのは、メニューに高低差が書いてあるんです、海抜何メートルとか。海の底から山に登って、また下がるみたいな。
——高低差のストーリー、面白いですね! ペルーはアップダウンに富んだ土地なんですね。
hf たぶんね。上の方で収穫する野菜や生息する虫とか、海の中で獲れるイカやタコや海藻とか。コンセプトがすごく面白いです。
——パンもありましたよね。

 

——とうもろこしの髭みたい。
hf そうです。とうもろこしの髭を焦がしたやつかな。
——うわ、おいしそう。
hf 面白いものも、おいしいものも、たくさんあります。

9月4日——真夜中のサウダージ

——夏の終わりの『イパネマの娘』。
hf ボケ防止に。手先を動かしているといいっていうじゃない。そんな真夜中の過ごし方。
——真夜中のイパネマの娘、響きますね。ボケ防止レパートリーは他にもあるんですか?
hf 何でも弾けますから、ボケ防止のためにだったらね。

9月5日——ごめんねカルティエ

——このカルティエ、いいですね。
hf タンク。
——こんなタンク、初めて見ました。このバンド珍しくないですか?
hf もうすぐ世に出ます、この無地。バーガンディーとネイビーは先に出ていて、今度ブラックが出ます。
——ベルトはご自分で変えたのですか? このカスタマイズ、かわいいですね!
hf 軍ものです。いいでしょう、カルティエの高貴な感じを無くしていくところが。

9月6日——サワーソニック’22

——気になってたんです。miida。
hf ねごとってバンドをやってた子なんですけど、OKAMOTO’Sのコウキ君の奥さんなんです。たまにコウキ君の家に曲作りに行くと彼女がいたりして。新譜、すごく良かったです。あと『スラムドックミリオネア』のミュージカルでバックでバンド生演奏もしてたみたい。
——この方の投稿を見たら、「サワーソニックに出演してきました」って書いてあって。サワーソニックって何ですか。
hf サマソニじゃなくて?
——サワーとか飲みながら歌うのかな。

9月6日——ガジェット選手権

hf 大体、僕はこういうガジェットが出たら絶対買うんで。もう買わずにはいられない。僕が買わずに誰が買う?というタイプ。
——ガジェットマニア。ガジェット病。電源タップ。
hf これは100Wあるんで、MacBookも普通に充電しながら……
——ほんとだ、めっちゃ挿してる。
hf そう。枕元に置いておくと最高です。
——どうやって見つけるんですか?こういうの。
hf それ系のサイトで見てて。Ankerのをよく買ってます。
——大きいから、重いんですか?
hf いや、重くないですよ。海外にもラクに持っていける。

9月6日——アウトドアにコンシェルジュを

hf 「Kammui」というオンライン。アウトドアのガイドとかと、つながることができるサイトをオープンしました。友達がね。
——つながる?
hf 海外から日本に来て、アウトドアツアーをしたい人とツアーガイドをつなげたり、キャンプ場を教えたりするんです。
——コンシェルジュサービスみたいなことですか。
hf そうですね。アウトドアに特化したコンシェルジュサービス。
——海外からきた人だけじゃなく、国内在住の人も使えますか?
hf もちろん。
——いいですね。日本人も知らないような場所に、海外の人がアプローチできる。こういうサービスっ、海外にはたくさんあるものなんですか?
hf どうなんですかね。
——秘境とか行ってみたいかも(笑)

9月6日——東独、復讐、ぽっちゃり型

hf 『KLEO』、観てください。
——これ、観る前からもう面白そうなんですけど。
hf 彼女はシュタージの殺し屋で、まだベルリンの壁がある時代に東からトンネルを抜けてベルリンに行って人を殺して戻るっていう任務を遂行したり。でもある時、国家に裏切られて西で捕まってしまうがベルリンの壁が壊れて解放される。しかしなぜ国家に裏切られたんだろう?って今度は東の国家に復讐する……みたいな。すっごく面白かったです。ずっとテンポ良くて。
——東ドイツに復讐?この子ひとりで?
hf この子、強いんです。かわいくて強くて小デブっていう。
——珍しいですね。大体、そういう役ってボンドガールみたいな細いモデルさんじゃないですか。
hf 今って痩せすぎも駄目とか、いろいろな配慮があるじゃないですか。Netflixもそうなんでしょうね。黒人ヒーローがいたりとか、多様な人種が出てきたりとか。
——最近は下着のモデルにも、いろいろな体型の人が出ますものね。それにしてもこの美術、昔っぽい感じがうまいですね。
hf ‘90年代くらいの話なんですかね、’89年に壁崩壊だから。でもね、今と変わんないですよ。僕はよく言っているんですけど、90年代以降はポップカルチャー、終わってるんで。この頃にかかってる、いわゆるハウスミュージックとかは今とあんまり変わらないです。
——ポップカルチャーは‘90年で死んだ。このドラマはワンシーズンだけですか?
hf そうですね。エンディングまで良かったです。

9月6日——名作映画の条件

——雲?
hf 『NOPE』知らないんですか?何も知らないんですね。
——すみません!
hf ジョーダン・ピール、知らないですか?
——あ『ゲット・アウト』の?
hf そう。
——怖いやつだ。
hf 全然怖くないです。めっちゃ面白い。
——でも藤原さんの「全然怖くない」は信じられない…。そんなに面白いんですか。
hf うん。
——怖くはないけど面白い?
hf 「怖くはない」と「面白い」の間に「けど」要る? それどういう会話?
——怖い前提の映画だったのかな、と思って。
hf もう、ただただ面白い。ジョーダン・ピール監督の3作目。『ゲット・アウト』『アス』『NOPE』。
——『ゲット・アウト』、じわじわ怖そうですね。
hf 『ゲット・アウト』はまあまあ怖いんですけど、今回の『NOPE』はわりとアカデミック。メッセージがてんこ盛りでした。
——まだ観てないので、ほどよく教えていただけますか?
hf 現代社会に対するアンチテーゼや動物虐待に対するメッセージとか、いろいろなことを伝えてきます。観終わった時、最初はなんだかイマイチだったなと思ったんですよ。でも帰りながら考えてて、あれ?でも結構面白かったんじゃないかな……って。
——じわじわと。
hf どんどん思い出してたら、じわじわ面白くなってきて。解説動画とか観たらどんどんつながって。もう一回観たくなりました。
——それはよくできてる映画ですね。見終わってからどんどん面白くなっちゃう。予告編の印象と違いますね。NOPEってどういう意味なんですか? NO HOPEかな。
hf NOPEは、ノーです。Noの強めかな?外国人と話しているとNopeって言ってますよ。
——TOHOシネマズ六本木でやってるんですね。
hf 僕はIMAX GTで見ました。日本では池袋にしかないんですけど、ほぼ正方形のスクリーンです。隅から隅までスクリーンなんで、迫力あります。
——最近、映画館で『トップガン』しか観てない(笑)。
hf それ、浄化してください(笑)。
——浄化ですか(笑)。『トップガン』観ました?
hf 観てない。
——観てないんですか?「1」の方も。
hf 観てない。文化系だから。
——『トップガン』の人を敵に回した感じがしないでもないけど(笑)。でも『007』は観ますよね。
hf 『007』と『トップガン』は領域が違いますから。『トップガン』はどちらかというと『タイタニック』とか『アルマゲドン』とかそっち系じゃない?そういえば、 NHKのサブカルチャーシリーズ観てました?
——あ、サブカルチャーの特集。観てません。
hf すごく面白かったんですけど。この間、再放送やってたんですよ。
——しまった観たかった……。
hf そこで『ジェイソン・ボーン』を取り上げていて。ジェイソン・ボーンとジェームズ・ボンドの違いについて。ジェイソン・ボーン、観てます?
——ジミー大西…
hf マット・デイモン。
——いい役者さんです。
hf あれもスパイ映画で、ジェームズ・ボンドのアメリカ・現代版みたいなイメージだと思っていたんですけど、全然違っていて。ジェームズ・ボンドは50年代のきらびやかなナショナリストスパイ。でもジェイソン・ボーンはテロ後の反国家の左翼スパイなんです。だからCIAとアメリカを敵に回して戦う。どちらもスパイ映画ではあるけれど、テロ以前・以後で立場が全然違う。
——最初は記憶喪失でしたよね。
hf CIAの特殊任務で殺人ロボットとして訓練されて、記憶を失って。僕はジェームズ・ボンドよりも面白いんじゃないかなと思うくらいでした。明日がないスパイと、テロ以降の暗い中で戦うような世間の風潮やカルチャーとマッチしてるんだな、と感心しました。
——うう、観ればよかった。
hf あれはNHKならでは。民放だと難しいのかも。
 

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藤原ヒロシ|Hiroshi Fujiwara
1964年三重県生まれ。DJ、音楽プロデューサー、ファッションクリエイター。英米で触れたクラブ文化を80年代の日本に持ち込むなど、音楽とファッションの両軸で日本のストリートカルチャーを牽引。現在、デジタルメディア「Ring of Colour」を運営する。京都精華大学ポピュラーカルチャー学部客員教授。