Living at roppongi hills

光と色とデザインの調和が生み出す居心地の良さ——六本木ヒルズ|サービスアパートメント体験リポート①

コロナ禍による生活様式の変容を受け、注目を集めているサービスアパートメント。都心と地方を行き来する人の生活拠点の一つとして、あるいは在宅ワークがメインになった人のリフレッシュの場として、多様なニーズに応える空間となったサービスアパートメントの魅力を、3組の六本木ヒルズをよく知る人々が体験リポートする。

Photo by Kohei Omachi
Edit 6 text by Jun Ishida

第1回 インテリアスタイリスト 川合将人

「六本木ヒルズの建設当時から、よく工事の状況を見にきていました」と言うインテリアスタイリストの川合将人さん。AXISビルの「リビング・モティーフ」を始め、インテリア関連のショップも多い六本木ヒルズ周辺は、仕事柄よく訪れるエリアだと言う。「六本木ヒルズ内に設置されたストリートファニチャーを見て歩くのも好きで、その一つを手掛けたアンドレア・ブランジが来日した際には講演を聞きにきました。コンランがデザインを手掛けた住宅棟も、オレンジのテラコッタタイルの外装が当時の日本では珍しく新鮮に思いました」。

チェックインする川合将人さん。フロントにはバイリンガル対応のスタッフが24時間常駐している。

ロビーの待合スペース。程よい明るさがリラックスした雰囲気を作り出している。

サービスアパートメントのある建物の通り向かいにはエットレ・ソットサスの「静寂の島」がある。

サービスアパートメントがある六本木レジデンスDは、けやき坂から少し入ったところに建つ。近くには蔦屋書店があり、通り向には川合さんが一番好きなストリートファーニチャーだと言うエットレ・ソットサスの「静寂の島」も設置されている。「テラゾー壁で囲まれた小部屋の様な空間になっていて、周囲から切り離されているのが心地よい。六本木のエアポケットの様な場所だと思います」。

今回、川合さんにはイタリアの家具メーカー「Molteni&C」のアートディレクターを務めるニコラ・ガリッツィアがデザインを担当した1ベッドルームの部屋を体験してもらった。約58平米の空間にキッチン&リビングとバスルーム、そして可動壁の区切ることもできるベッドルームが配置されている。部屋に入った途端に、「イタリアデザイン好きにはたまらない部屋ですね」と呟く川合さん。「Molteni&Cは、ミラノサローネの前身となる家具の見本市を立ち上げた会社の一つで、イタリアン・モダンを代表する存在です。ジオ・ポンティから近年人気のフロスのマイケル・アナスタシアデスの照明まで、名作とコンテンポラリーをうまく組み合わせているのが、さすがニコラ・ガリッツィア! という感じですね」。

ニコラ・ガリッツィアがこだわったと言う部屋の色使いと光の取り入れ方にも脱帽した。「グレーを基調にしながらオレンジの差し色を入れることで、日常とは異なる特別感も出していると思います。光も北向きから入る光が部屋全体に滲んで広がっていて、暗すぎず、明るすぎずちょうど良いですね。照明も丸みのあるシェードのついたものを用いることで、柔らかい光を放ちます」。

天然石を用いたキッチンスペース。手前のキッチンテーブルの上の照明はマイケル・アナスタシアデスの「アイシーライツS1」。

ベッドルーム。壁にかけられたアートワークも部屋のカラーリングに合わせたものがチョイスされている。

リビングに設置されたジオ・ポンティのミラーは川合さんが最も好きなプロダクトの一つ。室内にはジオ・ポンティのアームチェアなども置かれている。

滞在中は、今取り組んでいる仕事に集中したいと言う川合さん。「自宅や事務所だと、いろいろなものが置いてあるので情報量が多く、一つの仕事に集中しにくいんです。サービスアパートメントの部屋は、必要以上の要素がなく、居心地が良いので、思いっきり仕事に専念できそう。気分転換したい時や打ち合わせでは、ラウンジも使えるのも便利です」。

ホテルほど華美でなく、自宅ほど生活感はない。程よくデザインされた空間は、最適の仕事場でもある。

部屋のテラスからはけやき坂の緑が見える。

滞在中は建物内にあるラウンジも使用可能。ソファースペース、テーブルスペースに加え、ミーティングスペース(予約制)もある。

暖かみのある色合いでまとめられたラウンジは落ち着く空間。

川合将人 BUNDLESTUDIO INC.代表、インテリアスタイリスト/「Casa BRUTUS」や「Pen」といった雑誌や、大手住宅メーカーの広告やモデルルームでスタイリングに従事。この秋、千葉に<BUNDLEGALLERY>をオープンし、撮影スタジオの運営や、家具や照明、アートなどの販売をスタートする。

 

MORI LIVING
ROPPONGI HILLS RESIDENCE D
六本木ヒルズレジデンス D

所在地 東京都港区六本木6-12-4 アクセス 六本木駅 徒歩約5分[地下鉄 日比谷線・大江戸線]麻布十番駅 徒歩約9分[地下鉄南北線・大江戸線]
 
森ビルの展開するサービスアパートメントは、六本木ヒルズレジデンスのほか、愛宕グリーンヒルズフォレストタワー、アークタワーズ、プルデンシャルタワーレジデンスの4物件にあります。


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