こちらの連載でも2020年が始まりました。なんだか激動の日々なので、ずいぶん前のことのような気もしますね。世界のHIROSHI FUJIWARAのinstagramの謎の部分を掘り下げ取材する連載の第38回! 2020年1月にポストされた画像からお届けします。
INSTAGRAM & TALK BY HIROSHI FUJIWARA
TEXT BY HF WATCHING COMMITTEE (HWC)
1月1日——2020
「伊勢神宮の年越し。日本はね、平和です」(hf) そうですよね。毎年の恒例行事が無事行えるということはいいことです。
1月2日——これを読んでる
「『リメンバー』(五十嵐貴久|幻冬舎文庫)は、昔、『リカ』(五十嵐貴久|幻冬舎文庫)っていうすごい怖い本があって、その続編なんですけど。この前『リカ』のドラマやってたんですよ。そしたらちょうど続編のこれ(リメンバー)が出ていて。めちゃ怖いです。面白い。読みやすくて一気に読んだ。でも怖いです」(hf) ヒロシさんが怖いと言う本を読める気がしません。「オカルト的なじゃなくてストーカー的な怖さだから大丈夫だと思います」(hf)
1月6日——よろにく
「骨董通りの『よろにく』です焼肉屋はあんまり行かないんですけど、友達に連れて行ってもらって……。でもここはかき氷がめっちゃ美味しい」(hf) お目当ては肉ではなく、かき氷。昨今の美味しいかき氷は本当に美味しいですよね。
1月6日——ミサ
ミシュランの星のある料亭かと思いました。「撮り方撮り方。新潟の食堂、『ミサ』の冷奴です。120円くらいだった」(hf) 真俯瞰マジック。でも本当に美味しそう。
1月7日——修行日和
「関温泉です」(hf) 結構雪降った時ですか?「全然降ってなかったです。そういう意味での修行でした」(hf) 今年のスキー場は修行日和続きです。
1月7日——朱雀
「そしてついに……ついに行ったんです。『えんとつ』。『小布施堂』っていう栗屋さんがやってるカフェなんですけど、9月ごろに行くと『栗の点心 朱雀』ってのがあって、それは朝6時に行って並ばないと食べられない。でもこの『モンブラン朱雀』は『えんとつ』でいつでも食べられる」(hf) ちょっと貞子っぽい写真ですけど、おいしそう。「これに似てるものが『伊勢丹新宿店』でも売ってるんです。それもおいしいんです」(hf) わざわざ?「いつも関温泉から帰るときに、小布施のサービスエリアで着替えるんですけど、『小布施堂』近いらしいってことで行ったんです」(hf) 車で5分だったらしいです。ちなみに、『小布施堂』の朱雀三兄弟について。『栗の点心 朱雀』は新栗を蒸して裏ごししたものを、砂糖も何も加えずに、そのまま栗あん(これもうまい)の上にふわりと盛ったもの。新栗が届く1カ月間、「小布施堂本店」「本宅」のみで味わえる一品。『モンブラン朱雀』は『朱雀』を洋風にアレンジ。軽い食感のセミフレッドアイスにナッツを忍ばせ、二種のクリームと栗鹿の子を重ねて栗あんを贅沢にのせたもの。秋から冬の期間限定でオンラインショップなどで買える『朱雀モンブラン』は、渋皮栗と二種のクリーム、栗あん、スポンジ、生クリームをタルトにのせ、さらに栗あんを被せたもの。この、過剰なまでの詳細な説明は、取材スタッフに熱烈ファンがいたからです。
1月8日——藤原ヒロシ
「『セブンイレブン』が出してる雑誌の取材かな? 雪山についての取材でした」(hf) ビジュアルの完成度のレベルが増しています。
1月10日——大学の日常と、Aさん家、最寄のカフェ
「京都精華大学」(hf)ですね。
「大学の帰りにAくんって子の家の近くに虎屋があるっていうんで行ったんです」(hf) その方のお家はどこにあるんですか?「京都。京都の虎屋の近く」(hf) こういうのをブレイクダウン イン コミュニケーションと言います。
1月10日——いつつ
「『和久傳』がやっている蕎麦屋『五–いつつ』」(hf) 雰囲気のいいバーかと思いました。お茶ですか?「お茶です。これ『五』を撮りたかったんです」(hf)
「めっちゃ美味しかったブリとカブ。ぐりとぐらみたいですね。絵本が書けそう。海からやってきたブリさんと畑からやってきたカブさんが出会って、『ブリさん、今日はわたしが包みます』『いやいやカブくん今日は僕が包むよ』」(hf) そうしたら空から黄色い粉雪が降ってきて……。「ブリさんがそこでちょっと怒るの。『おいおい、お前はカラスミだろ。ボラじゃないか』」(hf) 海の男同士の闘い。「あはははは」(hf) 最後は髪の長い男の人の胃袋の中へ入っていきました。めでたしめでたし。
1月10日——CD本
「出ます」(hf) 京都精華大学の学生集団「S.U.C.C.」が、コンピレーションCDブック『MUSIC course FASHION』をリリースする。『MUSIC course FASHION』は、2019年に発行されたタブロイドペーパー「S.U.C.C.PAPER」に続くプロジェクトとして2019年秋から始動した。バックグラウンドミュージックをテーマに、「S.U.C.C.」のメンバーがオリジナルの楽曲を制作。これに藤原ヒロシの未発表曲や外部アーティストによる作品全11曲を収録したCDに、楽曲のイメージに合わせて撮りおろししたファッションフォトを収録したブックレットが付く。価格は2,500円。2月12日より、「S.U.C.C.」特設販売サイトか、一部セレクトショップやレコードショップなどで販売される(Ring of Colourより)。CD本、もう出てます。
1月10日——京都とは思えない共産圏感
「いつも思うんだけど、京都タワーはなんか共産圏感あるよね。京都なのにね。なんでだと思う?」(hf) 京都タワーの竣工は1964年、日本社会党公認の蜷川虎三の長期府知事時代ですからね(wiki知識丸出し)「やっぱ、そういうことなのかなあ」(hf) でも、タワーとか、それを作る時代背景とかって、何かがありますよね、確かに。
1月11日——仕事中シュンスケ
「レコーディングがはじまってまーす」(hf) アルバムのための、ですね。「そうです」(hf) この日は歌詞書けましたか?「ブラインドから光が漏れてて、きれいだなって思って。それをすかさずメモって歌詞にしました」(hf) どんな歌詞ですか?「なんだっけな?“月明かり差し込む部屋の中 ブラインドの影が作るストライプ ホリゾント 二人の影が浮かび そして夜の雲が再び闇を呼び込む”こういうのをスタジオで黙々と考えていたんです」(hf) 素敵じゃないですか! いつも食べている美味しいものが素晴らしいリリックを生むんですね。「美味しいもの関係なくないですか?」(hf) あります。ご飯大切。
1月15日——ジェイソンボーン スピンオフ アマゾン プライム
「これ、早く観ようと思います。誰も知らない間にはじまっていたジェイソンボーンのドラマ。『Amazonプライム』にあった。人間兵器を作るプログラム『トレッドストーン』のお話みたいです」(hf) また眠れない夜が。
1月15日——パッサテッリへ辿り着いた
「目白にある『トレガッティ』。パッサテッリ(11/5にトリノで食べたふやけたかっぱえびせんのようなパスタ)が日本で食べられるって聞いて行きました。ウイキョウも美味しかった。オイシカッタ。雰囲気もヨカッタ。サイコー」(hf) あ、食べログになってる。
1月16日——目から鱗な縦デザイン紙幣
「ハイパーインフレの国のすごい単位の紙幣とか探すのが趣味なんです。ジンバブエのハンドレッド トリリオンダラー的な」(hf) ハンドレッドトリリオンって……。「100兆円。それでも卵も買えない。で、ベネズエラもハイパーインフラだからそういうお札ないかなあって探していたら、縦プリントのお札があった。で、もっと探したらカナダにも縦プリントのお札があった。面白いなあ」(hf) お財布問題ありますよね。縦型に変えたりとか。※ハンドレッドトリリオンダラーは、現在使用されていません。お土産屋で3.5USドルくらいで売ってるみたいなので、卵と交換できるかもですね。
1月16日——こういう、少し強引なデザイン好き
「デザインが秀逸。ペットボトルを紙に落とし込んでる」(hf) あ……。そういうことですか!すごーい。気づかなかった。「そういうところに気づかないと……」(hf) 以下説教。
1月16日——めっちゃニセモノ。笑。軽くブサイク
ニセモノなんですね。「タグが変なカタカナなの。ポケモソ」(hf) ニセモノを作る勇気があるなら、いい加減カタカナのンとソの違いについて学習してもいいと思います。そもそも作らない方がいいとは思いますが。
1月16日——@theconveni
「ザ・コンビニ」でポテトチップ出したと思いませんでしたか? なんとトラベルピローなんです、よお。「……」(hf) もう次のこと考えてますね。
1月19日——金沢 片折
「金沢の『片折』にご飯食べに行きました」(hf) これは何ですか?「出汁」(hf) 黄金に輝く“命の出汁‘と呼ばれているそうです。
1月19日——ナウシカになった
こういう付け方あるんですね。かわいい。「たまたまこうなったんですけど、僕の後ろ歩いてた人が『ヒロシさん、ナウシカみたい』っていうんですよ」(hf) 確かに。黒ナウシカ。プレスの方、これからはストリートのゴッドファーザーとかカリスマじゃなくて、ナウシカって呼ぶのはどうでしょう。
1月19日——読書
ムバラクさん、亡くなりましたね。「うん。亡くなったね。パレスチナ問題について書かれた本です」(hf) 重信房子の長女、重信メイ著。2012年刊。
1月20日——KUDOPAN
青森に行ったなってすぐわかりました。「青森はすごいな。走れメロスと全く関係ない」(hf) 太宰と黒糖カステラサンド。工藤パンの企画力にはいつも驚かされます。
1月21日——listening
「ローリー・アンダーソン。久しぶりに聞いてみました。ラフォーレ飯倉のライブに行ったんだけど、それがこのアルバムの時だったんです。森ビルを思い出しました」(hf) ミュージシャンというかパフォーマーというか、自由な人の自由な音。アルバムタイトルは『ミスター・ハートブレイク』(1984年)。当時のライブはおしゃれさんばかりでしたね。
1月21日——フラグメント全社員
「全社員集合写真。3人ですけど」(hf) 来季モデルと今季モデルの集合写真でもありますね。「はい」(hf) 雪の八甲田寒そう。これみてるだけで鳥肌立ちます。
1月22日——青森の太陽
一転して大晴れ。「うん。山頂までめっちゃ登りました」(hf) こういう時の体力ってすごいですよね。普段、体温低そうなのに。
1月24日——たまたまつけてた
「シュプリームとヴィトンと、ジュディ・ブレイムとヴィトン」(hf) シュプリームは2017年夏で、ジュディ・ブレームは2015-16秋冬。持ってるものがアーカイブ。
1月25日——どこでも宿題セット
あんなに登ったり滑ったりしたのに夜は宿題もしましたね。えらいですね。「はい」(hf)
1月27日——still love it! thank you
「コービーさんの日」(hf)
1月27日——アニッシュ・カプーア(嘘)
「アニッシュ・カプーアっぽくないですか?『おおっ』て思ってくれる人がいたら幸いです」(hf) 以前、森美術館でも展示された現代彫刻家のことを言ってます。画像検索してみると、この謎は解けます。そもそもこの黒いのは何なんですか?「鉄板ステッカーなんです。車のダッシュボードとかに磁石のアタッチメントをつけておくと、ペタッてつけられるんです。これがなかなか、っぽいなって。僕のおサイフケータイです」(hf) うまいっ! 「トム・サックスはこのケースにめっちゃ響いてた。そしてすごいいっぱい写真を撮ってました」(hf)
1月31日——若き天才、いや、もう若くはない天才とレコーディング
「ハマ・オカモト」(hf) 彼、すごいベーシストなんですよね。「すごいです」(hf) 今までも結構一緒にやってるんですか?「ずっとやってます。28歳? もうちょっといってそうな気がするんですけど」(hf) ちなみに彼のお父様がヒロシさんとほぼ同い年ですよ。
1月31日——こんなのある
「フリーメイソンの時計」(hf) これはスーベニールショップでは売ってないんですか?「これはヴィンテージなんじゃないですか。初めて見ました」
藤原ヒロシ|Hiroshi Fujiwara
1964年三重県生まれ。DJ、音楽プロデューサー、ファッションクリエイター。英米で触れたクラブ文化を80年代の日本に持ち込むなど、音楽とファッションの両軸で日本のストリートカルチャーを牽引。現在、デジタルメディア「Ring of Colour」を運営する。京都精華大学ポピュラーカルチャー学部客員教授。
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