INSTANT FLOW #37

年末でも、特にいつもと変わらない日々。なのか?——藤原ヒロシの連載「INSTANT FLOW」#37

とうとう始まってしまった2020。こちらの連載の中身は過ぎ去りし2019年の暮れの出来事です。世界のHIROSHI FUJIWARAのinstagramの謎の部分を掘り下げ取材する連載の第37回! 2019年11月中旬以降にポストされた画像からお届けします。

INSTAGRAM & TALK BY HIROSHI FUJIWARA
TEXT BY HF WATCHING COMMITTEE (HWC)

11月19日——杉崎花が好き

「杉咲花が好き」(hf) はい。

11月20日——yellow is the color of the sun rays

「これ分かってくれる人には、『めっちゃセンスあるね、あなた』って言われるワードなんですよ。でもなかなかわかってもらえなくて(hf) このyellow is…ですね。Soul Ⅱ soul、ですか?「そうです。一番いいところでアカペラになるところの歌詞なんですけど」(hf) Keep On Movin’の一節。わからない人には言わない、だそうです。

11月21日——初心者マーク

かわいい。ヒロシ盛りですか。「違う違う。こうやって出てきたの」(hf) ほっとくと人間が自然とやるデザインなんですね。「これぞまさにユニバーサルデザイン」(hf)

11月21日——ダ・ヴィンチ先輩

ミラノですね。「ダ・ヴィンチ先輩のところを通って……」(hf) 寒かったですか?「寒かったですよ。ダ・ヴィンチ先輩のNHKの番組を観たんです。僕、あまり知らなかったんですけど、ダ・ヴィンチ先輩ってすごいですね。夜中に地下室で一人で遺体を解剖していたんですよ。ずっと」(hf) へえええ。「人体解剖図を描くために。すごくないですか」(hf) 先輩にとっては荒巻ジャケを裁くくらいの感じだったんじゃないですか?「モナリザの微妙な微笑みも解剖したからこそ描けたものなんですって。他にもそういう作品があるらしいです」(hf)

11月21日——白いイカの上にイカ墨アルデンテ。モノクロディッシュ。最高

「めっちゃ美味しかったです」(hf) あれ、ミラノじゃないですね。「モデナのオステリア・フランチェスケッタ58。何度も世界一になっている有名なレストランの若手シェフがやってるビストロ的な店なんですけど、めっちゃ美味しかったです」(hf) イカスミのパスタなんだけど、下は白イカベースのスープなんですよ。モノトーンパスタ」(hf) イカは黒くても白くてもうまい、という。

「そこの鰻とパルメジャーノのリゾット。食べると『あ、これどっかで食べた出汁』って思わせる、鰻の味が口の中に広がる」(hf) 物体としての鰻は存在しない。「しない。でもオステリア・フランチェスカは鰻の切り身をよく使ってる。美味しかったですよ」(hf) 美味しいもの連チャンですね。日本では体験できないことがまだまだいっぱいあるんですね。

11月22日——渋谷ゴミ屋敷

「僕が日本にいない間に渋谷のパルコがオープンしてた」(hf) ヒロシさんがこういのにしようよって?「そうです」(hf) でも、本当の生ゴミじゃない。「そう。同じようなゴミを作って入れたんです。なんでここゴミが溜まってるんだろう、って思ってもらえたかな」(hf) ある種のメッセージ伝わりましたか?

11月22日——絶対に1日じゃできない


「そしてローマに初めて行きました。ここ、絶対1日じゃできないですよ」(hf) ローマは1日にして成らず。……大きなことを成し遂げるのには時間がかかるという意味らしいですよ。「もっともでしょう。できそうだけどできないっていうのならことわざとして意味があると思うけど」(hf) もっともです。

「ここ、カメルレンゴがスカイダイビングしたとこですよね」(hf) トムハンクス主演の『天使と悪魔』の1シーンのことです。「でもあれ、セットなんですって」(hf)

11月26日——fish & chipsで餌付け

ロンドンに行きました。「餌付けされています」(hf)すごい楽しそうですね。「エリック・クラプトンです」(hf) イギリスの古いお友達。普段、こんな学校の先生みたいな方なんですね。クルーネックにシャツって。素敵です。

11月26日——この冬は少し寂しい冬になる

バートンの創業者、ジェイク・バートン氏。「日本に来ていてお茶してて、めっちゃ元気だったんだけど、次の日かその次の日に体調が悪くなって」(hf) 残念ですね。「これが多分最後のカップオブティー」(hf)

11月27日——ホームグラウンド

「ここ(フィオレンティーナ)のカプレーゼが美味しい」(hf) イタリアから帰ってきてすぐ?「そうですよ。カプレーゼ食べようっと。すみませーん。カプレーゼ。トマト多めで、アンチョビ入れてください」(hf)

12月1日——この店の鰻はこんなに美味しい

「まじ美味しかったです。『瞬』って静岡のお店」(hf) 静岡駅から約10キロ。でも行く。かなり美味しいのは確実。

12月2日——憧れの丸ドア

「昭和のドラマとかで中華っていうと、こういう丸ドアが出てくるじゃない。僕行ったことなくて、憧れてました」(hf) そっち? めちゃめちゃ美味しくて予約取れない系なんでしょう?「『ShinoiS(シノワ)』って新しいお店なんです。上海でやっていた人が日本に来て、評判ですね。かなり」(hf)

「ピータン再構築」(hf) ピータン?「ピータンをバラバラにして黄身は黄身、白身は白身にしたんじゃないですかね?」(hf)

「これは大きいしいたけ。『これを料理します!』って先に見せてくれて」(hf) また珍しくて美味しいものを食べましたねー。「美味しかったですー」(hf)

12月3日——NO IDEA

生みの苦しみ。「歌詞とかってそんなすぐには浮かばないですよ」(hf) スタジオに行ってから考えるんですか?「いろいろだけど、車の中で思いついてメモしたり。メモの積み重ねです、僕のやり方は」(hf) なるほど。「なんか、ちょっと浮かんで、30分くらいで1曲できる時もあれば、半年くらい何も出てこない時もある」(hf) どういう歌詞が多いんですか?「なんでもいいんだけど、この前ふと”僕の距離の届く範囲にいて”っていう言葉とメロが思いついたので、それを歌にしました」(hf) 音楽におけるヒロシさんって、すごい切ない人なんですよね。

12月4日——大きな箱が届いた

「2個入ってるんです。85年にジョーダンが試合で履いていたモデルの再発と、84年に学生の頃のジョーダンが履いていたヤツらしいです」(hf) その詰め合わせですか。すごいですね。

12月4日——高貴な唐揚げ

キャピタル東急ORIGAMIですね。「昔からチキンバスケットはこれなんです」(hf) 行きたい! 頼みたい!「昭和の名残。これがくるとやっぱり嬉しい」(hf) デートの時とかね。「うん」(hf) でも、一人の時は頼まないほうが良さそうですね。

12月6日——一杯やりながら学校に向かう

飲まないあなたもおつまみセット。「いや、これ、ダイエットにいいんですよね。お寿司が一個小さいのが入ってるだけだし」(hf) でも、見たことないです。「え、品川駅のキオスクで買いましたよ」(hf) 東京駅になくて品川駅にあるもの。

12月6日——先行公開だって。観に行きたい

もう観ました?「僕は飛行機の中で。昨年観た映画の中で一番面白かった。うちの会社のQOOさんが『ヒロシさん、『下半身家族』って本当に面白いですか?』っていうから、何のことだろうと思ったらこれのことだった。僕のインスタで下半身しか写ってないから、半地下を下半身と勝手に思ってたみたい」(hf) 頭のなかの誤変換。あり得る!「アカデミー6部門ノミネート。すごくないですか。しかも作品賞もですよ。実際、面白い。ストーリーも映像もいい。でもあんまり下半身は出てこない。」(hf) QOOさん、卑猥な映画じゃありませんよー!

12月7日——ギター3兄弟

「ギター。3つはいつもうちにありますね」(hf) 手前の方からご紹介いただいてもいいですか。「一番手前はマーチン×ゴローズ。ゴローさんが亡くなった時に記念に作ったマーチンです。その後ろは、スペイン産とブラジル産です」(hf) フラメンコとボサノバってことですか?「そうそう。フラメンコギターは割と薄くて音が良く鳴るんです。ボサノバギターはある意味ちゃちい」(hf) ライブでも使うんですか?「最近ライブの時わりと使ってますね。ブラジルの方」(hf)

12月8日——夢の国上海

ポラロイドのイベントで上海へ。ディズニーランドにも行きました」(hf) 社員旅行状態ですね。楽しそう。「上海のディズニーランドが一番新しいからハイテクがすごいらしいんです。『カリブの海賊』は日本の規模の2倍らしいです。僕はあんまり分かってないんだけど、最初にバーンって落ちるところがめっちゃ大きいスクリーンになっていて、CGで完全に水の中にいるみたい」(hf)

このお城、ちょっと偽物みたいじゃないですか。「シンデレラ城じゃないんですよ。僕もはじめて知ったんですけど、シンデレラ城は日本にしかないんですよね。それぞれ場所毎に違うお城なんですよ」(hf) ごめんなさい。私間違ってました。これはエンチャンテッド・ストーリーブック・キャッスルといって、すべてのディズニープリンセスが集まる魔法のお城らしいです。シンデレラ城より60mも高いんですって。「東京なんて江戸城とか安土桃山城とかでもよかったんじゃないでしょうか」(hf) よくないでしょう。


「トロンがすごかったんです。トロンもここしかないんじゃないですか?」(hf) はい。現状上海だけです。来年マジックキングダム(フロリダ)にできます。「ジェットコースターなんですけど、乗り物が全部トロンの形になっていて、バイクに乗ってるみたいな格好になるんです。で、めっちゃ早くって、暗い中入って行って時々表に出たり」(hf) コース設定がすごいんだ!「そう。でも自分では何にもすることないんだけど(笑)まあそういうことです」(hf)

12月9日——帰国。そして安定の鰯

「ここですね。(六本木ヒルズのイルブリオ)イワシ。前菜で必ず頼んでしまうイワシ)」(hf) 自分盛り?「違います。これはここ盛り。侵入禁止盛り」(hf)

12月10日——制服案件も終盤に

青稜中学高等学校?東京ですか?「品川です」(hf) 行きたくなりますよね。「試験受けて行ってください」(hf) 女子もあるんですね。チェックのスカート。「ブレザー着なくてもいいんじゃない?から始まってるんです。リボンの位置とか合わせて、このフーディならジャケットなしで通学してもOKっていうルールにしてもらって」(hf)

「これはトラックジャージ」。「シャツも3種類くらいあってその日によって好きなシャツ着て、ネクタイしない時はこのシャツにしなさいとか」(hf) 私服になりたくない学生が急増しそうです。

12月13日——new shoes

「ディオールのジョーダン。フットベッドを取ったらこの革のソールだった。ここまではなかなか誰もみてないでしょう。ディテールがオシャレですよね」(hf) 何かの底力を感じます。このスウォッシュはお家でですか?「そう」(hf) このラグいいですね。

12月15日——balmuda

作ったんですか?「そう。ちょっとアイウェイウェイ(2019/11/14参照)。バルミューダのこれ(加湿器)を買った時、いつかやろうって思ってたのにずっと忘れてたんだけど、ちょうどぴったりのステッカーを見つけたんです。でも単なるパブミラーを家に貼ってる人みたいになっちゃったかも。自分的には2019年いちばんのアイデアだと思ったんですけど」(hf) アイウェイウェイのある種のパロディ感をもう一回パロったらちょっと違うところに着地しちゃった、みたいなことですかね。

12月16日——凄く凄く久しぶりのラーメンは、めちゃめちゃ美味しかった

「ラーメンってあんまり食べに行かないんですけど、連れて行ってもらったらめっちゃ美味しかったです『ジャパニーズラーメンヌードルラボQ』。ゆで卵がゆで卵サイズのおさらに入ってくるという。写真だとでかい卵なのか何なのかわからなくなる」(hf)@札幌。「卵の器にちょっとラーメンとスープを入れて食べる」(hf) ここのローカルルール。

12月16日——懐かしい写真。身長差

「昔の写真が出てきて。身長差と握手のスタイル差がちょっといい写真でしょ。常識の違いです」(hf) その瞬間を捉えましたね。「日本人の握手はこう(下)、むこうこう(上)」(hf) この後どうなったんですか?「お互いの歩み寄りで真ん中へんでうまくいったんじゃないんですか? コービー・ブライアントですよ」(hf) コービーさんの身長は198cm。お父さんが、日本の神戸で食べた神戸牛の美味しさが忘れられなくてコービーという名前をつけたそうです。現在41歳。(※コービー氏は1月26日に事故により急逝されました。R.I.P.)

12月20日——はじめ君。展覧会


「桑園創(くわぞのはじめ)くんの展覧会に福岡へ。元京都精華大学卒業」(hf) すごいんですよね。これ。実は。「全部手描きという。証明写真をもとにやってるらいいんですよ。ドットに落として、その一個一個を描いて行く」(hf)


これがそれでこうなると。「うん。これが僕なんです」(hf) すごいですねえ。「すごいです」(hf) 動画みてください。必ず驚きます。

12月28日——半透明りんご

「半透明ですよね。最近のりんごって」(hf) それは蜜がいっぱい入った美味しいりんごです。全部がそうじゃない。「最近流行ってるのあるでしょう。桃みたいな」(hf) 味が?「見た目が。知らないですか? どこ行っても出てくるんだけど。味は完全なりんご」(hf) それは希少なりんご。秋くらいが旬なのでもう出回ってないようです。上等なレストランなどで使われています。らしいです。

12月29日——茶禅華のピータン。特別ピータン

「そして『茶禅華』もピータンがおしゃれ。ピータンをおしゃれにするのが流行っているんですかね」(hf) そもそもピータンなんですか?「はい。これもめっちゃ美味しかった」(hf) ピータンって黒くないですか?「黄金ピータンってね、輸入できるようになったみたいなこと聞きました」(hf) 黄金ピータンは香辛料をブレンドした土をまぶして作るそうで、添加物や保存料が入っていないため賞味期間が短いので今まであまり日本に入ってなかったのだそうです。ちなみに、黒ピータンは石灰などを混ぜた土に藁をまぶして発酵させたもの。

12月29日——雲

「意味はないけどちょっと綺麗だったな」(hf) 雲を愛する人。

12月30日——読書/帰省

黒木のおせちを持って帰る日だ!「イスラム2.0結構面白かったです」(hf) 今読んでます。面白いです。

profile

藤原ヒロシ|Hiroshi Fujiwara
1964年三重県生まれ。DJ、音楽プロデューサー、ファッションクリエイター。英米で触れたクラブ文化を80年代の日本に持ち込むなど、音楽とファッションの両軸で日本のストリートカルチャーを牽引。現在、デジタルメディア「Ring of Colour」を運営する。京都精華大学ポピュラーカルチャー学部客員教授。

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