六本木ヒルズに、ケニアのバラを中心にしたフラワーショップ「アフリカローズ&フラワーズ」が4月11日(木)にオープン。バラというと国産も種類が豊富だが、ケニアのバラは何が違うのだろう? 創設者の萩生田愛(めぐみ)さんに、ケニアのバラの特徴と楽しみ方を聞いた。
TEXT BY MIHO MATSUDA
PHOTO BY AYA KAWACHI
ケニアの強くしなやかな女性たちが育てる、大輪のバラ
創設者の萩生田愛(めぐみ)さんがケニアのバラに出会ったのは、勤務していた製薬会社を退社し、ケニアでボランティア活動を行っていたとき。
「かつてイギリスの植民地だったケニアは、バラがヨーロッパに向けた主要な輸出産業のひとつで、最高品質のバラがたくさんありました」
萩生田さんは、同時に農園の女性たちにも魅せられた。
「バラ農園に従事しているのは女性が多いのですが、豊かとは言えない生活を支えながら、とても強くたおやか。太陽のような、明るい笑顔が印象的でした。そして、彼女たちのエネルギーを象徴するのが、このバラの美しさだとも感じたんです」
エネルギーにあふれたバラの秘密
ケニアのバラの特徴を、萩生田さんは「ケニアの大地を表すような生命力」だと表現する。その秘密とはなんだろうか。
❶ 茎が太く、大輪の華やかさ
ケニアのバラは、茎がしっかりとしており、細めのアスパラくらいの太さがある。また、花のサイズも大きく、通常のバラの1.5〜2倍の大きさ。数本をブーケにまとめると、通常のバラよりも華やかな印象に。また一本でも主役になるため、一輪挿しでも暮らしに華やかな彩りを与えてくれる。
❷ 丈夫で長く楽しめる
ケニアは赤道直下にあるので、日照時間が長く、太陽の光をたっぷり浴びて育つ。そしてバラが育つのは、ケニアの高地。寒暖差が激しい環境で育ったバラは、生命力が強く1〜2週間ほど日持ちする。冬にこまめに手入れをすれば1カ月も持つことも。長持ちさせるには水を2日に1回換えて、そのたびに茎を水切りすればOK。忙しくても花を楽しみたい人にもぴったりだ。
❸ 繊細で個性的な色と柄
赤や白など単色のバラは多く見かけるが、ケニアのバラは夕陽のような燃えるような色合いや、ピンクからグリーンなど繊細な色のグラデーション、スプレーをシュッと吹いたような柄など個性豊か。
バラのある暮らしが、遠いケニアとつながっていく
経済や政治が不安定で、貧困問題も残るケニア。このバラを買うことで、現地の支援につながるのだろうか?
「このバラはフェアトレードですが、援助やチャリティーではなく、最高の品質のバラを暮らしに取り入れ楽しみながら、それが結果として、ケニアの雇用創出につながっていければいいと思っています。それがサスティナブルなケニアとのつながりになると考えています」
新しく誕生した六本木ヒルズのショップ「アフリカローズ&フラワーズ」では、この場所ならではのコンセプトも。
「現在、六本木ヒルズがあるエリアの一角に、かつてバラ園があったそうです。バラに所縁のある場所で、現代人が忘れかけている心の豊かさや、生命力を、ケニアのバラを通じて伝えていけたらと思います」
ケニアのバラをメインに、彩り豊かな季節の花々やグリーン、ローズティーやローズキャンドルなどバラにまつわる商品も取り揃える。ケニアのバラのある生活で、生き生きとした生命力と美しさを生活に取り入れてみよう。
萩生田愛|Megumi Hagiuda
AFRIKA ROSE創設者、代表取締役。1981年東京生まれ。カリフォルニア州立大学卒業後、大手製薬会社勤務を経て、2011年ケニアでNGOの活動に従事。現地で、生命力に溢れた最高品質のバラに出会い、12年にネットショップ「アフリカの花屋」をオープン。15年広尾に「アフリカローズ」をオープン。19年4月六本木ヒルズに「アフリカローズ&フラワーズ」をオープンする。
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