instant-flow #16

目が覚めたらスイスの山のてっぺんにいました——藤原ヒロシの連載「INSTANT FLOW」#16

またしてもヨーロッパツアーへ! hf目線の絶景の旅をお楽しみください。藤原ヒロシのinstagramの謎の部分を掘り下げ取材する連載の第16回(月2回更新)! 2018年9月後半にポストされた画像からお届けします。

INSTAGRAM & TALK BY HIROSHI FUJIWARA
TEXT BY HF WATCHING COMMITTEE (HWC)

2018年9月19日——ドイツの空??


また旅(お仕事)ですね。「ドイツ経由でミラノに。ミラノに夜ついて、カプレーゼだけ食べたんですよね」(hf)

9月20日——あしたのジョー最終回 (うなだれ)

まさに最終回の矢吹丈……。「時差ボケと戦う。疲れてるところ撮られた。翌日の準備でずっと立ってて……」(hf) 時差エンジョイ派としてはこういうシーン珍しくないですか。おつかれさまです

9月20日——best presentation for tonight.

「〈モンクレール〉のジーニアスと呼ばれる人たちが、それぞれ動画をプロデュースして見せるというプレゼンテーションだったんだけど、シモーネ・ロシャがダントツですごかった。レディースのデザイナー。昼間準備している時はなんのためのブルーシートなんだろう、って思ってたらプールになっていて、リフレクションでめっちゃ綺麗。素晴らしかった」(hf)じゃあ次は重油を使って……。「それはリチャード・ウィルソン!」(hf) そうそう! 高尚な会話を愉しむ午後のひとときでした。ちょっと自慢。

9月20日——#moncler #frgmt


「これはショーの写真ですね。来年の春夏」(hf)デニムも〈モンクレール〉なんですか? 「そう、全部〈モンクレール〉」(hf) ヒロシさんもモンクレールもすごいな、というお話。

9月21日——旅に出る


そして旅(遊び)ですね。「これ、だいたい向こうに行ったら僕が通りたい道なんですけど、ゴッタルド峠。山越えです。「ゴッタルド道路トンネル」という、世界で4番目の長さの道路トンネルもあるんですが、ぼくはあえて山の上を通ってミラノからスイスに行くんです」(hf) 物凄い難所で、ここに架かっている橋は、「悪魔の橋」と言われているくらいらしいです。トンネルには鉄道と道路の2種類があって、鉄道トンネルは青函トンネルより長いんですと。峠越えだとトンネルより1時間くらい所要時間が長くなるけれど、どうしてもこっちを通りたくなるくらいの絶景。いいなあ。峠越えたいなあ。「行きましょ。みんなで」(hf) はい! 以上、好きな人にはたまらないスイス土木情報でした。

9月21日——gottard名物

あ。パトラッシュがいっぱい。「山の上にロッジみたいのがあって、まあドライブインです。冬はしまっちゃうんですけど」(hf) お土産グッズには世界共通の匂いがする。

9月21日——ugano でカジノ君と、さようなら

「ルガーノの駅。梶野くん(フォトグラファーの)を下ろすってだけのためにルガーノの街の駅まで送って行きました。日本とヨーロッパって駅そのものが違う。改札とかがないんです。誰でも入れる感じ。段差もない、階段もない、何にもない。道からそのまま線路が出てるみたいな。それがすごいおもしろいなあ」(hf) ちなみにアナウンスもないです。簡単に電車に乗り損ねます。

9月22日——アスコーナ

「そのままアスコーナという街に行きました。ルガーノから近いんですけど、ここもいい街。リゾートというか、リタイヤした人たちが住むような街。湖沿いですごいきれい」(hf) お金もちのお年寄りが多いリゾート地。でもそこにはいろんなものがあるのです。

9月22日——電気代を払わないレストラン。最高レストラン

「Osteria Grotto Baldoriaってレストラン、たまに行くんですけど、ここの人が頑なに電気代を払わない。2時間に1回くらい電気が切れる。真っ暗になる。そうするとみんなが『わーっ』ってなって、乾杯とかして。自動販売機みたいな機械が置いてあって小銭を入れると電気が着くんです」(hf) 味も最高なんですか? 「いや、そうでもないです」(hf)

9月22日——ホックニー的な朝


「アスコーナで泊まったホテルのプールがもう、デイヴィッド・ホックニー的な」(hf)そこからの素敵なブレックファスト? 「気持ち悪いコンビネーションでした。うなぎとサバとミューズリー」(hf) それぞれは美味しくても組み合わせ次第では悲劇になるという例。

9月22日——アナーキストの里



「モンテ・ヴェリータ(真理の山)。1990年前くらいから、ドイツで産業革命があって、それに反対してもっと自然に帰ろうって人たちが集まって作ったコミューンなんです。みんな、アナーキストとかベジタリアンとかで基本ヌーディスト。夏は裸で過ごして、そこにユングとかヘッセとかが住み着いたという。アスコーナにあるんです」へ〜。精神分析とフェミニズムとオカルティズムとダダと……真理の山に関する本もいっぱい出てます。ものすごく興味深い。「戦前からヒッピーも入っていて、ここがパワースポットらしいです」(hf) ピースなパワーを吸収中のヒロシ(hf)「で、来月、元全共闘の人と対談するんですけど、こういうところで平和に暮らしている人と彼らの違いは何なんだろう、聞いてみたい、って思いました」(hf)詳細はこちら

9月23日——15年ぶりのvals



「ヴァルスっていう温泉地があるんですよ。以前はよく行ってたところに久しぶりに」(hf)モダン建築を愛する人々のメッカ、ヴァルスにある「ホテル7132」に宿泊。「建築はズントー。部屋は安藤忠雄さんと隈研吾さんとズントーがやってるんです。で、好きな部屋を選べて、これが安藤忠雄部屋。リノベなんで、狭めのワンルームマンション感あり」(hf)

9月23日——ホテルの朝食


「そこ(ホテル)のレストラン。自分盛り」(hf)名建築になってる。確実に影響受けてる。「ズントーっぽい盛り付けにしてみました」(hf)

9月23日——ハイジ転がってくる予感






「これがその温泉の施設と近くの風景」(hf)水着を着てお風呂に入るんですね。「5つくらいあるのかな? 内と外のが水路でつながってる。ずっといられる感じなんです」(hf) それにしてもいいところですね。「普通に牛がいたり。丘の上にも上がってみたんだけど、結構急斜面で、転んだりする人もいて。途中でこんな滑り台があったり」(hf) これもアート作品? 「単なる子ども用。光り輝いて綺麗でした」(hf)

9月23日——リヒテン



「その帰りにリヒテンシュタイン公国に寄りました。リヒテンシュタイン産のポケモンを捕まえようと」(hf)ポケモン以外何にもない。
「何にもない。電車だけ。アート作品がいっぱいあるんです。お金のある街だから」(hf)

9月23日——スイス de キャッチ


「そのままチューリッヒに行きました。バリヤードを捕まえて」(hf)あ。希少ポケモンが普通にいる。

9月24日——収まりきらないケルン大聖堂


「飛行機が出るまで時間があったので、ケルン大聖堂に行ったんです。ゲルハルト・リヒターのステンドグラスがあるんだけど、めっちゃ上の方にあって、『おーーーっ!』って写真撮ってるのぼくらだけ。誰もまったくそんなこと気にしてないの」(hf)それにしても、世界遺産にこの現代アート。あっぱれ大勇断。

9月24日——ケルン名物?


で、甘いもの食べて。「ケルンといえばバウムクーヘンらしいですよ。あんま美味しくなかった。チキンナゲットも食べたんですけど、箱がオシャレ」(hf)マックのコレクターズアイテム。フェデックスで送れそう。

9月28日——消えてなくなるビットコイン

そして東京の日々に戻る。「ビットコインのコインチョコを作りました。ビットコインってパブリックドメインらしいんです。らしいってだけで本当かどうか知らないんだけど。じゃあ作っちゃえ〜って。消えてなくなるものじゃないですか。コインチョコのように、ビットコインも手に入れてもすぐなくなっちゃいますよ。って戒め」(hf)。戒めチョコ

9月28日——ヴィジュアル系塩ラーメン

かと思えば京都。「京都の『齋華』って中華料理屋。めっちゃ美味しいんですよ。そこの塩ラーメン」(hf)

profile

藤原ヒロシ|Hiroshi Fujiwara
1964年三重県生まれ。DJ、音楽プロデューサー、ファッションクリエイター。英米で触れたクラブ文化を80年代の日本に持ち込むなど、音楽とファッションの両軸で日本のストリートカルチャーを牽引。現在、デジタルメディア「Ring of Colour」を運営する。京都精華大学ポピュラーカルチャー学部客員教授。