虎ノ門ヒルズエリアで開催中の「旅する新虎マーケット 夏の章」は「夏疾風の物語 ローカル線でめぐる越後の祭り」をテーマに、新潟県の5市をピックアップ。4つのスタンドとカフェ、ストアで展開されるグルメとワークショップを、フードエッセイストの平野紗季子さんが体験した、新虎マーケットの夏の1日をご紹介。
TEXT BY MIHO MATSUDA
PHOTO BY KIICHI FUKUDA
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東京で味わう、新潟五市の夏疾風(なつはやて)
フードエッセイストの平野紗季子さんと歩く「旅する新虎マーケット 夏の章」。平野さんは、これまで「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」で新潟には行ったことがあるけれど、まだ訪れたことがない街はたくさんあるという。今回はどんなフードに出会えるのか、旅をするようにマップを手に新虎通りを歩きスタンドを巡った。
夏の章で味わうことができるグルメは、村上市、燕市・三条市、長岡市、十日町市の4つのスタンドと、グッドモーニングカフェとコラボレーションした「旅するカフェ」。広い歩道を生かしたスタンドでは、旬の地酒と郷土料理を楽しむことができる。村上市のスタンドでは、鮭文化の話を聞きながら北限のお茶「村上茶」と、そのお茶で作ったソフトクリームを味わう。長岡市のスタンドでは、栃尾あぶらげ丼を。「あぶらげは思った以上に、料理の主役になりますね。ひとつのプロダクトとしてみても可能性を感じました」。十日町市のへぎそば、燕市・三条市の工場メシなど、それぞれの料理にまつわる物語をスタッフに聞く。それも新虎マーケットならではの楽しみ。
ワークショップで文化に出会う
「旅する新虎マーケット」は期間中にたくさんのワークショップも開催している。今回、燕市・三条市のスタンドで笹団子作りを体験した。講師は地元・三条市で笹団子店「ふーど工房 ゆうこ」を営む五十嵐祐子さん。よもぎ餅より食物繊維が多いオヤマボクチの葉を使った団子を笹で包みながら、三条市の笹団子の特色や、笹団子が集中する下田地区の話を聞く。「お店ごとにそれぞれ味が違うそうなので、旅行して食べ歩きするのも楽しそうですね」と平野さん。
その土地の文化を学ぶことができるワークショップは、アルミ製キーホルダー作り、スプーン磨き体験、オリジナルのクッキー型作り、土器作りなども予定されているので、ホームページでチェックしよう。
新虎マーケットから日本全国につながる
今回、ぐるりと新虎マーケットを回っての感想は?
「屋台のように、お店が道の上にあるのが面白いですよね。地方を楽しむにはアンテナショップもあるけれど、新虎マーケットはアートディレクションされていて、より魅力を感じることができるし、その土地の文化まで知ることもできる。取り組みとしても興味深いと感じました」(平野さん)
スタンドとカフェでグルメと文化を、旅するストアでプロダクトを。その街を知ることで日本の魅力に気付き、本当の旅に出たくなる。「旅する新虎マーケット」を巡って旅気分を味わうもよし、旅に出る計画を練るのもよし。夏の1日を新虎通りで楽しもう。
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平野紗季子|Sakiko Hirano
フードエッセイスト。1991年福岡県生まれ。小学生から食日記をつけ始める。雑誌等の連載執筆を中心に活動。著書に『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)がある。
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