知育玩具のパイオニア「ボーネルンド」の取り組みをご紹介する第3弾は、疑似体験を通して社会性を育む“ごっこあそび”に注目。世界中から厳選した“本物そっくりの”あそび道具がそれをサポートします。
TEXT BY Kenya Abe
Edit & Text by Ai Sakamoto
20カ国、100社に及ぶ遊具・玩具メーカーと提携し、子どもの発達に役立つ優れたあそび道具を世界中から厳選しているボーネルンド。発達段階に合わせた多種多様なあそびの中でも、今回注目するのは“ごっこあそび”。子どもが興味を持った“何か(誰か)”になる疑似(模倣)体験を通して、役割分担やコミュニケーションを学び、社会性や協調性を身につけていきます。
家事を真似する「おままごと」や、大工や医者などの職業を体験できる「なりきりあそび」といった“ごっこあそび”に欠かせないのは、より本物に近いあそび道具。子どもの空想の世界と現実をつなぐものだからこそ、ボーネルンドでは、高い再現性を大切にしています。
例えば、スポーツカーから働く車、飛行機まで約500種ものミニチュアカーを手がけるドイツの「ジク社」。ヨーロッパにおけるトップブランドで、メルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェといった世界的な自動車メーカーと契約を結び、実車の設計図からデフォルメせず忠実にミニチュアカーを製造しています。
「ジク社」にはジオラマを作れるセットもあり、ミニチュアカーが走る街並みを再現したり、区画を自由に広げていくことも。今回は、より本物に近づくよう街の設計を、5歳の息子さんを持つ建築家・成瀬友梨さんに依頼しました。
「ジクのミニチュアカーやジオラマは、息子も大好きでよく遊んでいます。街を自由に作れるのが、とても面白いですよね。そんな経験を活かして(笑)、『ストライプ・シティー緑と水と近いまちー』を考えました。ストライプ状に海、ビーチ、車道、公園、農場などを並べることで、各エリアの広がりを得つつも、縦に移動すればいろいろな区画の雰囲気を味わうことができる街です。中央のパーキングタワー(立体駐車場)は、駐車場でありながらも、街のシンボル的な建物に見立てています」(成瀬さん)
大人も十分楽しめる、機能美を合わせ持った本物そっくりのあそび道具。この秋冬は、親子で過ごす時間が少し長くなりそうです。
成瀬友梨|Yuri Naruse
1979年愛知県生まれ。2007年東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得退学。同年成瀬・猪熊建築設計事務所を共同設立。地域・ライフスタイル・コミュニケーションという観点から建築を考え、“シェア”をキーワードに設計を行う。近作に「9h nine hours なんば駅」「Dance of light」などがある。息子さんと一緒にジクで遊ぶことも多い。
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