BørneLund Story #2

子どもが初めて使う楽器だからこそ“本物の音色”を追求する|「ボーネルンド」の取り組み ❷

「子どもにとって、“あそび”は生きる上で大切なこと」という理念の下、あそびを通して子どもの成長に貢献してきた「ボーネルンド」。知育玩具のパイオニアである同社の取り組みをご紹介する第2弾では、オリジナルの“あそび道具”を取り上げます。

PHOTO BY Kenya Abe
Edit & Text by Ai Sakamoto

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1/5[研磨]木の表面を滑らかに磨く——音盤は上面を2回、塗装後にもう1回研磨。ボディは安全を考慮して、細かい部分まで磨いていく。
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2/5[塗装]魚の頭と尾をカラフルに着色——色むらが出ないよう着色するのも熟練の技。キレイに発色させるため、3回ほど塗料を吹きかける。
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3/5[調律]周波数を使ってチューニング——“本物の音色”に欠かせない正しい音階は、周波数を測りながら調律。寸分の狂いも許しません。
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4/5[仕上げ]パーツを組み立て出来上がり——音盤をとめるネジは、子どもが外しにくいよう別注品を使うなど細部にこだわる。目を入れて完成。
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5/5[成型]無垢材を裁断し、形を整える ——厳選した広葉樹の板材を音盤用に裁断。一定の幅にカットした後、厚さや幅などの精度を高める。

ボーネルンドが取り扱うあそび道具と言えば、海外から輸入された既製品というイメージが強いかもしれません。しかし、中には独自開発した商品もあります。赤ちゃんから小学生の発達段階に合わせた、多種多様な経験のできるあそび道具を網羅することを目指す同社。必要なアイテムが世界中を探しても見つからなかったり、あっても入手しづらい場合は、国内外のメーカーとコラボレーションしたオリジナル商品を製作しています。

魚の形をした木琴「おさかなシロフォン」もその一つ。子どものあそび心を刺激するデザインと叩きやすさ、正確な音階を兼ね備えた木琴が誕生したのは、30年以上前のことでした。

「子ども用に、よい素材できちんと調律された木琴を作りたいというのが、ボーネルンドの希望でした」と話すのは、木琴を製造する工房の責任者・小林昭義さん。そこには子どもが初めて出合う楽器、つまり初めて奏でる音だからこそ、きちんと調律された“本物の音色”であってほしいという思いが込められています。また、「子どもがより愛着を持てるように、ボディを魚の頭と尾、音盤(鍵盤)を骨に見立てた魚形を提案された時には、驚きました(笑)。今見ても色褪せないのもすごい」とも。

9名のスタッフが働く工房では、板材の成型から研磨、塗装、調律、仕上げまで約20の工程を経て、オリジナル木琴を製造。自然素材である木の個性を見極めながらの作業となるため、大半は人の手を介して行われます。

「木目の詰まり具合や、節などを見ながら手作業しています。小さなお子さんが触れるものですから、細かい部分までサンドペーパーをかけて滑らかにすることも欠かせません。木琴づくりで大切にしているのは、正しい音階はもちろん音の伸びや余韻。子どもたちの記憶に残る、よい音を作り出したいと思っています」

愛くるしい木琴に込められた“本物の音色”に対する両者の思い。多くの子どもたちに、長く愛されてきた理由がそこにありました。

おさかなシロフォン 1歳半ごろから使える入門用。ドからドまでの1オクターブ(8音階)ある。幅45cm、黄と青の2色。専用バチが2本付いている。10,000円(税別)

ボーネルンドショップ 六本木ヒルズ店
店内にあるあそび道具の多くを、実際に手に取って試すことが可能。専門のインストラクターが常駐し、あそび方の説明や、あそび道具選びのお手伝いもしてくれる。ボーネルンドがプロデュースした同フロアの親子休憩室にて、イベントを随時開催予定 住所 東京都港区六本木6-10-2 六本木ヒルズ ヒルサイド B2F 電話 03-5770-3390 営業時間 11:00~21:00 ※無休