いよいよクリスマスが間近に迫ってきました! ケーキのご用意がまだの方、今年は少し趣向を変えて、自分で作ったスイーツでホームパーティーを演出してみませんか? 『ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション』のエグゼクティブシェフパティシエ・高橋和久さんが、とっておきのカンタン豪華なスイーツレシピを教えてくれました。
TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
PHOTO BY HIDEHIRO YAMADA
EDIT BY TM EVOLUTION.INC
家庭の道具でイチから作れて、しかも驚くほど美味しい!——林檎のクラフティ
口当たり軽やかなクラフティ生地に、林檎の甘さと酸味が際立つ絶品スイーツ。クラフティはジョエル・ロブション氏のお気に入りで、お店でも季節ごとに素材を変えて、度々登場する。残しておいたキャラメリゼした林檎を刻み、粉糖を振り、金箔を散らせば、ホリデーシーズンらしい華やかな印象に。ヴァニラのアイスクリームと一緒に食すと、さらに美味!
1/11[材料1 林檎のキャラメリゼ 4〜6名分]左から時計回りに、紅玉2玉、グラニュー糖50g、バター16g、レモン果汁8g、ミックススパイスパウダー(シナモン・カルダモン、レモン、クローブ)1g
2/11グラニュー糖を強火にかけ、溶けてきたら中火に落とす。
3/11沸々としてキャラメル色になってきたタイミングで、バターとレモン汁を加える。
4/11皮を剥き、8等分の櫛切りにした林檎とミックススパイスパウダーを加え、キャラメルを絡めるようにして加熱する。写真のようにしんなりしてきたらOK。バットなどに開け、粗熱を取る。
5/11[材料2 クラフティの生地 4〜6名分]左から時計回りに、全卵2個、グラニュー糖60g、薄力粉20g、クレームエペス(濃厚な生クリーム)250g、そのほか仕上げ用に粉糖を少々
6/11全卵2個を泡立て器で溶き、グラニュー糖を加えてしっかりと溶かす。その後に、振るった薄力粉を投入(写真)。粉っぽさがなくなるまで混ぜる。
7/11クレームエペスを加え、均一になるまで混ぜる。写真が完成した生地。
8/11室温もしくはレンジで柔らかくしたバターを、刷毛を使って型に塗る。
9/11グラニュー糖を型に振る。皿の側面を手の腹で叩きながら、バターの油分にグラニュー糖がうっすらとまぶされている状態を目指して、グラニュー糖を伸ばす。最後に余分なグラニュー糖は取り除く。
10/11型に生地を流し入れ、粗熱が取れた林檎を生地の上に乗せていく。林檎が熱いままだと、生地の火入れにムラが生じ、失敗につながるかもしれないので要注意。最後に180℃のオーブンで25〜30分加熱する(使用するオーブンにより調整が必要)。
11/11生地が膨らみ、写真のように焼き色が付いたら完成。差した竹串を抜いて、生地が付着しなければ火がしっかりと通っている証拠。粗熱を取り、室温に戻った後に仕上げの粉糖を振る。キャラメリゼした林檎を少し残しておいてトッピングしたり、アイスクリームや林檎のソルベを添えるのもオススメ。
「失敗しにくいレシピだと思いますが、案外フルーツ選びがとても重要。今回は紅玉という品種を使用していますが、この銘柄を選ぶ理由は、酸味がはっきりしているからなんです」そう教えてくれたのは、『ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション』で、エグゼクティブシェフパティシエを務める高橋和久さん。
スイーツだけに、甘い果物の方が適しているかと思いきや、このスイーツについては、さにあらず。生地にしっかりと甘みを加えるので、果物は逆に、酸味が効いたものの方がいいのだ。さらに紅玉は、加熱した後も繊維が崩れず、食感が残りやすいメリットも。もしも紅玉が手に入らない場合は、グラニースミス(青りんご)でも代用できる。
また、高橋シェフパティシエ曰く、「ミックススパイスパウダーやクレームエペスが手に入らない場合は、身近なアイテムでも代用できます」。今回使用したミックススパイスパウダーは、“スペキュロスパウダー”だが、こちらはベルギーで有名なスパイスミックス。このパウダーを使うと手軽にクリスマス感を強調できるが、これをシナモンパウダーに変えたり、あるいは使わなくても十分に味わいは決まる。そしてクレームエペスは乳酸発酵させた爽やかな酸味とコクが特徴の生クリームだが、こちらはサワークリームに一部、生クリームを加えたり、あるいはプレーンヨーグルトでも代用可。いろいろと試して、ご自身の味を見つけてほしい。
「型にバターとグラニュー糖をまぶすのも忘れずに。このひと手間で、生地がお皿に付着しにくく、切り分けもしやすくなります。溶け切らなかったグラニュー糖も、ザクっとした食感の面白さになります」(高橋シェフパティシエ)
パティシエからのアドバイス「材料がシンプルなので、ご家庭でも挑戦しやすいと思います。今回はクリスマスシーズン用にアレンジしていますが、季節のフルーツで中身を変えていくと、また違った味わいを楽しめると思います。アメリカンチェリー、杏、マンゴー、洋梨がオススメです」(高橋和久エグゼクティブシェフパティシエ)
※2023年12月現在の情報となります。
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