夏バテ防止の特効薬、「辛いもの」と「酸っぱいもの」を同時に味わえる、各店各様工夫を凝らした「酸辣湯麺」をご紹介。酷暑対策はこれに限ります!!
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❶ 希少食材と熟練した技が奏でるホテル仕様の「スーラータンメン(酸辣湯麺)」——中国料理「花梨」
「スーラータンメン(酸辣湯麺)」¥4,475(サービス料込)。テーブルに置かれるとまず、複雑で芳醇な香りが漂う。見た目も香りもごちそうの感のある「スーラータンメン(酸辣湯麺)」だ。
材料は全て上質なものを使用。黄ニラ、シイタケ、タケノコ、鶏肉、赤ピーマン、豆腐などのほか、ナマコやアワビといった高級食材を用い、味に複雑な旨味や深みを表現。
まず、豆腐以外の材料を塩茹でする。調理工程のひとつひとつが鍛錬の技による手さばきで、食材の持ち味を引き出す大久保料理長。
上湯に米酢、ラー油、黒コショウなどの調味料、ボイルした具材を鍋に入れ、最後にとろみと豆腐を加え、オリジナルの「スーラータンメン(酸辣湯麺)」スープが完成。
どこのホテルも中国料理には力を入れている。宿泊客も、食事に来る方も洋の東西を問わず“中華好き”が多いからだ。だから高級ホテルの中国料理は、高級感溢れる贅沢な味はもちろん、豊富なメニュー構成やリッチな雰囲気で、万人受けする中国料理に“特別感”という魔法をかけるのだ。この「ANAインターコンチネンタルホテル東京」の本格派中国料理『花梨』は、ホテルの創業当時から今に続く。伝統的な広東料理を中心に上海、四川、北京、潮州、そしてモダン香港と幅広く、そして奥深い中国料理を提供することで定評のある店だ。
つゆそばひとつにしても名店に恥じないこだわりがある。今回は、数あるつゆそばから夏に人気の“酸っぱ辛い麺”、「スーラータンメン(酸辣湯麺)」をご紹介する。こちらの「スーラータンメン(酸辣湯麺)」はなんといってもナマコやアワビなど具材に高級食材を使い、他とは一線を画しグレードアップした上質感が特徴だ。その分中国料理長、大久保武志さんの飽くなきこだわりも強い。例えばとろみのあるあんは片栗粉にコーンスターチを加えることで、「ぼてっ」という重さを無くし、滑らかさを出している。とろみは強めだが、これは食べ進めていくうちにどうしてもとろみがなくなるので、最後まで美味しく食べられる配慮だ。また「酸っぱい、辛いの調和が大切」という大久保さん。酢は一般的にコクのある赤酢を使用するが、こちらではさっぱりして酸味が強めの米酢を。また白コショウではなく辛みや香りの強い黒コショウを用いているそうだ。
食欲がなくなる夏は「担々麺」や「冷やし麺」など麺に目が行くが、次回は是非、涼やかなラグジュアリー空間で「スーラータンメン(酸辣湯麺)」を試してみてはいかがだろうか? 『花梨』では多彩な香港式本格飲茶メニューもご用意している。蒸し物、揚げ物、饅頭などの点心やお粥類も、中国茶と共に楽しめる。盛夏のひと時を中国式ティータイムで優雅に……。こちらも併せて利用してみたい。平日は忙しいビジネスパーソンも、休日はゆったりと。そんなオンオフの使い分けができるのも“ホテル中華”の醍醐味だ。
中国料理「花梨」 住所=東京都港区赤坂1-12-33 ANAインターコンチネンタルホテル東京3F 電話=03-3505-1185(レストラン予約) 営業時間=平日11:30〜14:30(L.O.14:00)、土日祝11:30〜15:00(L.O.14:30)/17:00〜22:00(L.O.21:00) 定休日=無休 ※各種クレジットカード利用可
TEXT BY AKIRA TANAKA
PHOTO BY TAKUYA SUZUKI
❷ 2種類のお酢と胡椒がアクセント! 刺激的な旨みがやみつきに——老四川 飄香小院
2種のお酢、米酢と老陳醋(黒酢)が酸っぱさの決め手。胡椒も2種使用でパンチが効いている「酸辣湯麺」1,980円。酸っぱさが好きな人はお酢を足してもOK。熱々のとろみでボリューム満点。ランチにもディナーにも最適の一品だ。
具材を入れたのち、ひと沸かししたら調味料を投入。味が決まったら、水溶き片栗粉でとろみをつける。と同時に溶き卵を回し入れる。卵が花のように開くのがポイント。
四川料理の名店『老四川 飄香小院』。本店がコース主体であるのに対し、ここ六本木ヒルズ店はアラカルトが中心。洗練されたモダンな空間の中で伝統四川料理をカジュアルに味わえると、近隣の住民やオフィスワーカー、外国の方々で連日賑わっている。唐辛子や山椒の辛さにばかり注目されることが多い四川料理だが、こちらの料理は無数の香辛料を使い分け、香りを重視して仕上げる奥深い味わいが特徴。化学調味料を一切使わず、独自のスパイスブレンドが極上の旨みを創出。今までに味わったことがない本格四川料理を味わえるのが、人気の理由だ。
そんな伝統と独自のアレンジがうまく融合している『老四川 飄香小院 六本木ヒルズ店』の「酸辣湯麵」はとにかくパンチが効いている。口にするなり、酸味による爽快感が身体を巡る。その後に“ピリッ”とした辛みが押し寄せ、後を引く美味しさなのだ。その秘訣は、2種類の酢と2種類の胡椒。この独自のスパイスブレンドにより、より一層パンチと旨みが増し、とにかくクセになる! 調理法にもこだわりが。茶榎木、干し筍、干し椎茸、干し貝柱によるスープが深い味わいの支えとなり、溶き卵が花のように開いたら鶏肉や豆腐といった細切りの具材を投入。スープが完成したら、茹で上がった細麺を絡める。味が全体に馴染んだところで、酢と胡椒の登場。最後に入れないと、酸味が飛んで味が締まらなくなる。そして、アクセントに辣油をかける。この手順が重要。酸っぱさと辛さだけじゃない、芳醇な風味がやみつきの決め手となっているのだ。
アツアツ、トロトロのスープで食べる際は火傷に大いに注意が必要だが、この暑い中に食べると、不思議と、酸っぱさと辛さによる清涼感が口の中に広がる。食欲を刺激すること間違いなし。ビールやワインの相性も抜群。是非お試しあれ。
老四川 飄香小院 住所=東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ウェストウォーク 5F 電話=03-6804-2848 営業時間=11:00~15:00(L.O.14:30)/ 17:00~23:00(L.O.21:00) 定休日=水 ※各種電子マネー、各種クレジットカード利用可
TEXT BY HANAKO ASAKURA
PHOTO BY HIDEHIRO YAMADA
❸ 食べれば食べるほど食が進む! 辛さと酸味の絶妙なハーモニー——青山 日比谷園
「辛くて酸っぱいスープ麺 酸辣湯麺」¥1,199、ハーフ¥836。小松菜の緑に豆腐の白、卵の黄色いラー油の赤。目にもカラフルで食欲をそそる。麺がない「辛くて酸っぱいスープ 酸辣湯」¥539(1人前)もサイドメニューにおすすめ。
具材とスープ、調味料が混ざったら一気に仕上げに。水溶き片栗粉でとろみがついたら、溶き卵を投入。最後にお酢2種(香醋と米酢)を入れ、ラー油を回しかける。完成までのスピードが速い、まさに職人技!
酸辣湯麺にしては、具材が多いのが特徴。エノキ・にんじん・キクラゲ・豚肉・白菜・小松菜・豆腐の7種類たっぷり入っていて栄養満点。下茹でして、同じ大きさ細さに切ったものを、スープに投入する。
青山一丁目駅直結の『青山 日比谷園』は、東京で40年以上の歴史を持つ老舗の中華名店だ。四川料理と上海料理が融合した多彩な中華料理を味わえると人気。青山界隈で貴重な駅チカ“街中華”な上、味は一流とあってひっきりなしに客が訪れている。『青山 日比谷園』といえば、香り高く濃厚なゴマの味わいがやみつきになる「担々麺」や、辛くて痺れ感がたまらない「麻婆豆腐」が有名。しかし、それらと同じくらい常連から愛される隠れたメニューが「酸辣湯麺」だ。
こちらの「酸辣湯麺」は“辛くて酸っぱいスープ麺”とのキャッチコピーがつく。辛さと酸味、そして旨みをこれでもかというほど味わえる。スープをひと口飲めば、酸っぱさと出汁の旨みがあり、やわらかな口当たり。その後、すかさずピリっとした辛さが押し寄せる。とろりとしたスープが麺に絡み、すする度に食欲をそそる酸っぱい香りが立ちのぼる。酸っぱさは香醋と米酢の2種類のお酢。辛さの決め手は胡椒たっぷり。そして隠し味の中国たまり醤油がスープにより一層深みを与える。それぞれが主張しているのに、絶妙にまとまっている、なんともいえない後を引く美味しさだ。
そして忘れてはいけないのが、自慢の「ラー油」。四川山椒、りんご、八角、ニッキ、薬味で香りを油に移したものに、上一味含む2種類の唐辛子で作り上げる。風味豊かな仕上がりのこのラー油も、味の調和にひと役買っている。食べれば食べるほど食欲が進む、まさに食欲が落ち込む夏場にぴったりの一品といえる。ただし、夏場はランチセットでの提供はなく、夜のグランドメニューでのご用意のみとのこと。夜のコース料理のみ、それぞれプラス¥1,200で飲み放題もある。会食の際の締めの一品にもお薦め。是非とも、老舗中華が作る本格酸辣湯麺をご堪能いただきたい!
青山 日比谷園 住所=東京都港区北青山1-2-3 青山ビル B1F 電話=03-3401-3710 営業時間=11:30~15:00(L.O.14:30)/17:00~22:30(L.O.21:30) 定休日=日・祝/土曜不定休 ※各種電子マネー、各種クレジットカード利用可
TEXT BY HANAKO ASAKURA
PHOTO BY DAISAKU NISHIMIYA
※2023年8月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
#六本木ヒルズ#暑さ対策#酸辣湯麺
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