夏が近づくに連れ、無性に恋しくなる「冷やし中華」。昔ながらの一杯から、目にも麗しい進化系まで、身体も気分もクールになる、珠玉の冷やし中華をご紹介します。
EDIT BY TM EVOLUTION.INC
❶ リッチな空間でいただく、変幻自在の涼麺
——中国料理 ゴールデンタイガー
「昔ながらの冷やし中華」¥1,380。あえてスタンダードな醤油ベースのタレは、年代問わず人気を博す。錦糸卵、きゅうり、干しシイタケ、ボイルした海老に、蒸し鶏、ロースハム、チャーシューと3種の肉も加えスタミナ満点。
「冷やし黒ごま担々麺」¥1,200。ピリ辛が暑い夏にぴったりの冷やし担々麺。氷水で締めた麺に、ピーナッツの食感がアクセントになった涼を運ぶ一品。パンチの利いたタレが絡み合い、しっかりとした味わいだ。グループで来店し「昔ながらの冷やし中華」とシェアするお客様も。
『ゴールデンタイガー』は、玉に見立てた地球に乗る虎のイラストが目印。店内はレトロな洋館を思わせるクラシカルな印象だ。
瀟洒なシャンデリアが目を引く、クラシカルで落ち着いた空間の『ゴールデンタイガー』。枠に捉われないメニューは、点心師が作る名物餃子のほか、定番の中国料理から多彩な食文化を取り入れたモダンチャイニーズまで幅広く、何度リピートしても飽きることがない。
その人気の秘密は、バリエーション豊富なメニューが全て本格派なところ。料理長の陽田 創さんは「日本人の方向けにと妥協せず、中国の方が来ても自信を持ってご提供できるものを」という自負を持って丹精込めた料理を作る。そのため希少な香辛料をはじめ、布豆腐など日本では珍しい食材も惜しみなく使うのだ。「水煮牛肉」(和牛の四川辛味スープ煮)¥3,000などは本場中国の方から、日本の食通まで唸らせる、黒毛和牛を麻辣で煮込んだ逸品。また、お店の状況を見て余裕がある時は、お客様の自由なリクエストにもなるべく応えているのだとか。「以前お出ししていたメニューを『あの味をまた、食べたい』と再訪されるお客様には、食材や混雑していないなど都合が付けばお作りすることも」と陽田さん。
さて、今回スポットを当てるのは『ゴールデンタイガー』の“2023年版冷やし中華”。写真でご紹介するオーソドックスな「昔ながらの冷やし中華」¥1,380と、黒ごまの風味豊かな「冷やし黒ごま担々麺」¥1,200。そのほかにも、フレンチドレッシングのような爽やかなタレでいただく期間限定の「鯛のカルパッチョ冷麺」¥1,380の3種が今夏お目見え。麺はいずれも卵を用いていない、全粒粉のコシが感じられる細麺。標準ゆで時間より3倍の時間をかけボイルし、柔らかく茹で上げた麺を一気に氷水で締める。それによってしっかりとした歯ごたえながら滑らかな食感が感じられるのだ。シンプルな分、その店ならではの味が楽しめる冷やし中華。厳しい夏に“一幅の清涼剤”を食してみては。
中国料理 ゴールデンタイガー住所=東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ヒルサイド1F 電話=03-5772-5580 営業時間=11:00〜23:00(L.O.22:00) 定休日=施設に準ずる ※QRコード決済、交通系IC、各種クレジットカード利用可
TEXT BY AKIRA TANAKA
PHOTO BY KIPPEI MITSUYA
❷ 味変ソースで、スープが2度美味しい! サラダ感覚のヘルシー冷麺
——華都飯店
「棒々鶏冷麵」¥2,400。トッピングは、鶏の千切り、紅芯大根、白髪ねぎ、きゅうり、フルーツトマト、レタス、生きくらげ。素材の持つ自然な甘み、酸味がスープの旨味を押し上げる。
麺は冷麺用のものを使用。スープがよく絡み、高級中華ならではの複雑な味わいを存分に堪能できる。
黒酢に豆板醤を加えた”スッパ辛い”ソースは、途中、お好みでプラスする。お好みとはいえ、もちろん激ウマソースなので、思う存分に使うことをお薦めする。スープが俄然シャキっとして、旨味の解像度がさらに上がる。
さすが老舗中華! 胡麻の風味が効いた棒々鶏スープは複雑なコクがあり、とても美味。なおかつ爽やかな酸味でさっぱりとした印象だ。しかも、野菜がたっぷりとトッピングされているから、まるでサラダ感覚。これからの季節、暑さや湿気でバテ気味でも、『華都飯店(シャトーハンテン)』の冷麺なら美味しく完食できそうだ。
今回紹介している「棒々鶏冷麵」¥2,400は、6月限定の冷麺メニュー。『華都飯店』では、夏季の間、毎月ごとにメニューが更新されていく。もうひとつの冷麺、『仙石山冷麺』¥2,400は、夏季を通じて提供される定番メニュー。こちらは、胡麻の風味が香る、醤油ベースのオーソドックスな冷やし中華タイプ。根強いファンを持つ人気の冷麺である。
『華都飯店』は、六本木に移って10年。その前の三田にあった時代から数えると、58年の歴史を持つ。長きに渡り人々に愛されてきたレシピは、当然のごとく本物。特に3代目店主、馬衣真さんは料理研究家としても活躍していることから、ただ美味しいだけではなく、塩味を控え、心と身体を元気にするひと工夫が加味されている。本格中華ながら、尖った辛さはマイルドに微調整。味の構成要素は減らさずに、日々食べ続けても飽きない、細やかなアレンジを施しているという。
華都飯店住所=東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ 仙石山森タワー B2F 電話=03-3587-9111 営業時間=平日11:30〜14:30(L.O.)、17:30〜21:30(L.O.) 土日祝11:30〜14:30(L.O.)、17:30〜20:30(L.O.) 定休日=無休 ※QRコード決済、交通系IC、各種クレジットカード利用可
TEXT BY TAKASHI TSUCHIDA
PHOTO BY HIDEHIRO YAMADA
❸ 多彩なトッピングで“今までにない”冷やし中華を
——ふるめんUSA
豪華な具材、たっぷりの麺、オリジナルソースが並ぶボリューム満点の「冷やし中華 夏季限定」¥1,100。この量でこの価格はコスパ◎。具材は同量で麺のみがハーフにできる「〆のハーフ」¥1,000は、全ての麺料理でオーダー可能。
全11種という豊富なトッピング。(上段左から時計回りに)蒸し鶏、ラタトゥイユ、煮卵、クラゲの土佐酢漬け、煮豚、きくらげのピリ辛和えとトマトピクルス。中央にはシャキシャキとした食感の穂先メンマも。
(右)高菜と自家製ラー油を混ぜた「高菜ラー油」。ピリッした味わいの中に、高菜の歯応えが食欲をそそる。(上)口にした途端、ごまの風味が押し寄せる「濃厚ごまだれ」。どちらもクセになる美味しさ。(左)「自家製マスタードソース」をつければ、味にさらなるアクセントも!
「普通の冷やし中華をお求めの方はご遠慮ください」――というキャッチコピーを掲げるのが、外苑西通り近く、米軍基地の前にある『ふるめんUSA』だ。西麻布で人気の『中華 ふるめん 西麻布クロスロード店』の姉妹店で、昨年9月にオープンしたばかり。バラエティー豊富なメニューを取り揃え、連日賑わっている。
試行錯誤の末誕生した、今までにないオリジナル冷やし中華の特徴は、ずばり“カスタマイズ”。豪華な具材のトッピング、麺の太さ、食べ方など、食べる人の好みで自由に楽しめるのだ。まずは選び抜かれたこだわり食材によるトッピング。蒸し鶏や煮卵、煮豚など全11種。全ての食材に細やかな配慮がされていて、ひとつ一つがおかずとしても楽しめるものばかり。この豪華なトッピングをつまみに、ついビールを注文したくなる。全部混ぜて食べるもよし、好きな食材だけをのせて食べてもよし。まさに、お好み次第だ。
お次は麺。もちもちとした食感の麵は、太麺と細麺からチョイス。ザーサイなど5種の漬物トッピングと醤油ダレの相性は抜群だ。美味しすぎて、まず麺だけを楽しむ人もいるとか。さらに旨みを増幅させるのが、自家製の調味料で作られたオリジナルのソース2種。濃厚なゴマソースにピリ辛の高菜ラー油。何から何まで自分好みの“特別な”冷やし中華を作り上げることができる。こちらの冷やし中華は9月頭まで食べられるとのこと。夕方5時半から翌朝6時まで営業しているので、遅めの夕食や、飲んだ帰りの一杯など、様々なシチュエーションで楽しめるのも人気の理由。是非とも、自分流の冷やし中華を楽しんでほしい。
ふるめんUSA住所=東京都港区西麻布1-4-36 ロジマン西麻布 1F 電話=03-6452-6101 営業時間=17:30~翌6:00(L.O.翌4:30) 定休日=不定休 ※各種クレジットカード利用可
TEXT BY HANAKO ASAKURA
PHOTO BY PHOTO BY ATSUMI ODATE(NDPP.)
※2023年6月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
#冷やし中華
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