音楽評論家/DJであり、J-WAVEの『ORIENTAL MUSIC SHOW』のパーソナリティを務めるサラーム海上さん。中東料理研究家でもある彼が、東京の猛暑にもぴったりでヘルシーなトルコ料理のおすすめレシピを教えてくれた。
TEXT BY MIHO MATSUDA PHOTO BY MANAMI TAKAHASHI RECIPE BY SALAM UNAGAMI
日本の食材+αで作る絶品トルコ料理
中東やインドの音楽と料理に詳しいサラーム海上さんに「東京の夏にぴったりのエスニックなレシピを教えてください!」とお願いしたところ、それなら、と教えてくれたのはトルコ料理。トルコといえばケバブのイメージが強いが、実はヘルシーで簡単な料理も多いのだとか。
「中東料理は、インド料理のように特別なスパイスを揃える必要はありません。合言葉は、レモン、にんにく、パセリ、オリーブオイル。トルコ料理はそこにヨーグルトや白チーズなどの乳製品があればいい。食材も日本で購入できるものがほとんどです。今回のレシピでトルコ料理はケバブだけじゃないことがわかるはず」
考えてみればトルコはギリシャの隣。特に最大の都市イスタンブルは海に面しているので、魚や野菜をふんだんに使い、日本人の口に合うものも多い。
「多くの食材は日本の輸入食材店やハラルフードのお店で購入可能です。トルコの蒸留酒『ラク』は、手に入らなければペルノーや白ワインに代えてもいい。トルコはムスリムが多いので、現地ではお酒を使わないけれど、今どきのお店は使っています。今回のレシピはどれも簡単なものなので、すぐにできるものばかりですが、もしレストランで味わうなら、東京にトルコ料理店はざっと100店舗ほどあります。僕が一番美味しいと思うのは麻布十番の『ブルガズ アダ』。15世紀や16世紀のレシピを再現したものもあります。トルコ料理も地方によってバリエーションが異なり、現代的に進化している料理もあるので、ぜひ注目してみてください」
❶ 食欲をそそるハーブとラクの香り キャーウタ・バルック(鯛の紙包み焼き、ラク風味)
1/5 材料(1包分) 鯛の切り身 1枚、塩漬け葡萄の葉(なければ省略可)2枚、ミニトマト 4個(ざく切りに)、玉ねぎ 1/2個(縦薄切り)、青唐辛子 1〜2本(種とへたを取り1mmのスライス)、緑オリーブ 5粒(種を取り、ざく切り)、ケッパー 6粒、わけぎ 1/2本(輪切り)、ディル 2枝(葉だけを荒みじん切り)、有機レモン 1/2個(皮ごと1mmの薄切り)、バター 20g(小さく切り分ける)、黒胡椒 少々、ラク 2cc(ペルノーやリカール、ウゾでも代用可、なければ白ワインでもOK)、オーブンシート 50cm×35cm
2/5 下準備 塩漬け葡萄の葉は流水に漬け、塩気を抜いてから、ペーパータオルで水気を切る。鯛には塩少々(分量外)をふりかけておく。トマト、玉ねぎ、青唐辛子、わけぎ、ディル、有機レモンを所定のサイズに切り分ける。オーブンを220度に予熱する。 1 オーブンシートを広げ、長辺を1/3に区切り、その中央に塩漬け葡萄の葉を並べる。
3/5 2 上に鯛を置き、トマト、玉ねぎ、青唐辛子、わけぎ、ディル、有機レモンを散らし、更にバター、黒胡椒を散らす。
4/5 3 オーブンシートの長辺を中央に閉じ、短辺を折り曲げて封をする。ホチキスを使っても良い。余熱しておいたオーブンに入れ約20分、オーブンシートに軽く焦げ色が付くまで焼く。
5/5 4 ホチキスを外して、平皿にのせて完成。熱いうちにいただく。
❷ 切って盛るだけ! ヤズ・サラタス(スイカとミントと白チーズのサラダ)
1/4 材料(2人分) 西瓜 400g(よく冷やしておく)、白チーズ 80g(フェタチーズでもよい)、スペアミントの葉 1枝、黒胡椒 少々
2/4 2 スペアミントの葉を食べやすい大きさにちぎる。白チーズは1cm角にサイコロ切りにして、西瓜、チーズの順に盛り付け、最後にミントを散らす。
3/4 2 スペアミントの葉を食べやすい大きさにちぎる。白チーズは1cm角にサイコロ切りにして、西瓜、チーズの順に盛り付け、最後にミントを散らす。
4/4 3 あっという間に完成! お好みで黒胡椒を振るとさらに甘さが際立つ。
❸ お酒のお供に! アトム(水切りヨーグルトのハリッサオイルかけ)
1/4 材料(作りやすい量) プレーンヨーグルト 1箱(450g)、おろしにんにく 1/2かけ分、塩 小さじ1/2、オリーブオイル 大さじ2、鷹の爪 6本(お好みで増減)、ハリッサ 小さじ1(なければ省略可) 下準備 プレーンヨーグルトは布を敷いたザルなどに入れ、半量になるまで一晩水を切る。
2/4 1 しっかり水を切ったヨーグルトにおろしにんにくと塩を加え、お皿に盛り付ける。スプーンを使って表面に波状の凹凸を付けておく。
3/4 2 小さなフライパンにオリーブオイルと鷹の爪を入れ、弱火で熱し、焦がさないようにじっくり揚げ、オイルに香りや赤い色が移ったら、ハリッサを加え、フォークで溶かしてから火を止める。
4/4 3 1のヨーグルトに2のソースを「ジャッ」と回しかけ出来上がり。バゲットのスライスですくっていただく。
六本木ヒルズ周辺で食材を手に入れるなら
日進ワールドデリカテッセン 新鮮なハムや肉類、野菜、世界各国のチーズ、調味料、ワインなどが揃う麻布十番のランドマーク的なスーパー。8月16日からは休業し8月22日に道路の反対側(港区東麻布2-32-13)に移転する。
リンコス 六本木ヒルズ内のスーパーマーケット。フレッシュベーカリー、惣菜、ワイン、飲料、生鮮食品と日用品を取り扱う。今回のレシピでは鯛、ミニトマト、スイカ、ディル、スペアミントなどの生鮮食品やプレーンヨーグルトなどが揃う。
フェルミエ愛宕店 ナチュラルチーズ専門店。パリのランジス市場やミラノなどから200種類以上ものヨーロッパ産ナチュラルチーズを空輸、販売。ギリシャのフェタチーズはこちらでも手に入る。
サラーム海上|Salam Unagami 音楽評論家、DJ、中東料理研究家。中東やインドを定期的に旅し、現地の音楽と料理シーンをフィールドワークし続ける。原稿執筆のほか、J-WAVEの『ORIENTAL MUSIC SHOW』のパーソナリティ、NHK-FM『音楽遊覧飛行エキゾチッククルーズ』やクラブのDJ、オープンカレッジや大学の講義、中東料理イベント「出張メイハネ」などで活躍。著書は『家メイハネで中東料理パーティ 』(LD&K)など。Instagram:@salam_unagami
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