イタリア人が昔から言う通り、人生はマンジャーレ(食べて)カンターレ(歌って)アモーレ(恋をして)だ。食べるだけのために行くんじゃ、つまらない。レストランは恋をしに行く場所でもあるのだ。恋をしましょう、恋を。——馬場康夫
TEXT BY YASUO BABA
ILLUSTRATION BY MAYUMI TAKADA
INTERVIEW BY TAICHI KURAMOCHI
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馬場さん流レストランの心得を聞きました——
❶ 予約するならいつ?
予約はせいぜい1週間後までですね。「2カ月後に予約取れるんだけど行かない?」じゃ、やれないでしょう(笑)。今日だったらココは行けると思うよ、というからいいんで。だいたい2カ月後に行きたい気分かどうかわからない。
❷ メニューの選択に迷ったら?
「メニューの選択に迷ったら二番目に書かれている料理を選べ」と指南する本もありますが、経験上「メニューは一番上」が鉄板。料理名を見ても説明を聞いてもチンプンカンプンな時は、自信をもって一番上を頼みましょう。
❸ コースに対してワインはどう選ぶべきか?
一般にはコース料金と同額のワインが無難ですが、それとは別にその店のワインの品揃えでいちばん安いのはいくらなんだろう?ってすごく気になりませんか? ぼくは「一番安いワインはどれですか?」ってまず聞きます(笑)。
❹ 2人分のお会計、その基準とは?
サラリーマンが清水の舞台から飛び降りるつもりで行くとしたら、払える上限は24,000円だと思います。おおよそ1時間ひとり6,000円。面白いことにミュージカルも、マッサージも、1時間あたり6,000円なんですよ。
❺ 馬場さんの言う「いい店やれる店」とは?
一緒に行って雰囲気がいいか悪いか。単に暗くてエッチという訳ではなく、こんないい店に連れて行ってくれるなんて、あなたは素敵だと「勘違い」してもらえればいいのですから。このつくりでこんなに安いの?という驚きもアリ。
★ ヒルズの魅力とは?
昔のオフィスビルは四角で同じような店しか入ってなかった。ところが森ビルはヘンなもの作るのが好き(笑)。30年前からタイムマシンに乗って六本木ヒルズにやってきたらひっくり返るでしょうね。ぼくにもインパクトありました。
スマホ版『東京いい店』馬場康夫|YASUO BABA
1954年生まれ。ホイチョイ・プロダクションズ代表。1982年『気まぐれコンセプト(現在も連載中)』でデビュー。代表作に『見栄講座』『東京いい店やれる店』、映画『私をスキーに連れてって』『バブルへGO!!』(原案・監督)など。現在も「スマホ版 東京いい店やれる店」で東京新店情報を毎週更新し「やれる店」の研究に余念がない。Portrait by Yuri Manabe
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