ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回は、スポーツマインドなファッションがテーマです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
普段の着こなしにスポーツマインドをプラス!
半年ほど前、“機能的なスポーツアイテムを日常にも取り入れる”をテーマにしましたが、目的は普段から体を動かすため。今回は純粋にファッション好きの視点からスポーツにフォーカスします。今季の展示会でビビッときたのが、古き良き時代のスポーツにインスパイアされたレトロでオールドスクールなアイテム。機能性を追求したモダンなデザインというより、クラシカルなテニスやゴルフウエアのマインドを取り入れたもの。一方、スポーツメーカーがつくるウエアといえば、素材の機能性はそのままにゆったりとしたシルエットなど、デイリーにも取り入れやすいデザインが増えている気がします。お互いが逆方向に進んで歩み寄る面白い現象ですよね。ファッションの歴史を辿っていくと、スポーツからインスパイアされたものというのは、意外と多いんです。ポロ競技で襟がパタパタしないようにと襟先をボタンで留めたシャツからボタンダウンシャツが考案されたり、ポロ競技の選手が着ていた機能素材のシャツに襟をつけて発展したテニスウエアがモッズカルチャーの象徴となったり。ということで、今回は普段の着こなしに取り入れたい今年らしいスポーツマインドの融合点を集めてみました。
地曳いく子が指南する
今季のスポーツミックススタイルとは
❶ 古き良き時代のエッセンスを
スポーツインスパイアといっても、テニスやゴルフウエアなど、今季は古き良き時代のクラシカルな雰囲気が新鮮。オールドスクールなラガーシャツなども気になります。色味は、テニスコートの芝のような濃いグリーンや、ヴィンテージ風の褪せたブライトカラー。ただし、シルエットはぴったりではなくゆったりとした形で。もちろん素材はアップデートされています。スポーツでレトロ感をプラスする、それが今年らしいスポーツミックスのポイントです。
❷ デイリーに着られる機能服
スポーツメーカーがつくる機能性抜群のウエアは、いまやスポーツだけではもったいないレベルのファッション性を備えています。スポーツラインを立ち上げるセレクトショップも増えてきていますが、これがなかなかにデイリーユースに着たくなるおしゃれ度。まだまだ楽な服が着たい今の状況下、シティ顔のハイテクウェアを上手に取り入れ日々のファッションを楽しみたいです。
❸ ワンプラスアイテム投入で旬な気分
いつもの服でも小物をひとつ足すだけで、スポーツマインドはあげられます。たとえば、プリントワンピースにリストバンドをしてみたり、ライン入りのスポーツソックスをサンダルと合わせたりするだけで、今年の気分に。ファッションルールが崩壊した今は、フリーダムな気持ちでコーディネイトしてください。
※ 2022年1月現在の情報となります。
※ 表示価格は全て税込価格です。
※ 六本木ヒルズ等各施設では、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一部店舗・施設の営業内容を変更しております。営業状況は定期的に変更がありますので、ご来店の際には事前に各施設HPをご覧ください。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)『買う幸福』(小学館)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『日々是混乱』(集英社)など多数。
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