ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、リモートワークで考えるお仕事服です。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
人は学び、次の時代へと進んでいく
リモートワークを一度体験したら、「これでも仕事ができてしまえるのですね」と、そんな空気が世間に漂ったように思います。同時に、仕事着が「これでもよかったんだ」と気づいてしまったことも事実。かなり前からシリコンバレーでは、普段はTシャツでオフィスに出勤。ポロシャツ(または、襟付きシャツ)を着てきただけで、「今日はクライアントと打合せ?」と言われてしまうぐらいビジネスカジュアル化は進んでいました。COVID-19の影響により、図らずとも日本もそんな時代へと加速したように思います。カッチリとしたスーツでバリバリ働き、満員電車すし詰めという時代から、次の段階への移行。いい意味でも、悪い意味でも、以前には戻らない。仕事着も、いい意味でカジュアルに変わっていくと思います。なんだかんだと、心身ともに疲れていると思うので、楽しくラクな服で仕事ができると効率も良くなるのではないでしょうか。ということで、今回は自分がご機嫌になれるを基準に、シンプルだけど遊び心もあるビジネスカジュアルな服を集めてみました。
地曳いく子が指南する
ビジネスカジュアルの心得
❶ スマートさは忘れるべからず
基本は楽しくラクに、と言いましたが、あまりにそれが強すぎるのは、仕事をする気が削がれてしまうのでご注意を。ある程度の緊張感は必要です。遊びもあるけれど、どこかにスマートさ(知性)を感じさせるものを選ぶこと、それがビジネスカジュアルのポイント。例えば、形を遊んだものなら、色はベーシックに。また、ボトムの組み合わせ次第でも見え方が変わってくるので、そのバランスのさじ加減が大切です。
❷ すっきりとリラックスして
リモート会議でのポイントは、首や襟元のまわりをすっきりとさせること。バストアップ重視なのでそこをクリアすれば、身体を締め付けないドルマンスリーブのシャツやゆったりシルエットのカットソーも仕事着として活用できます。ジャケットを選ぶなら、半裏仕立てやアンコン、ニットタイプなど、軽くて着やすいものを。ある程度のルールを保ったカジュアルなものを上手に取り入れましょう。
❸ オンオフの切り替えスイッチを
カジュアル化してくると、服のオンとオフの切り替えがなくなってしまうのも問題です。自分の中で切り替えスイッチを作ってみてはどうでしょうか。例えば、お仕事服は、ベージュやグレーなどシックなトーンを選び、オフの時は明るい色を着るなど、色で心の切り替えスイッチを作ってみるのもおすすめです。
※ 2021年3月現在の情報となります。
※ 表示価格はすべて税抜き価格です。
※ 六本木ヒルズ等各施設では、新型コロナウイルスの感染拡大防止の予防対策を徹底し営業しております。また一部の店舗では営業時間を短縮しております。ご来店の際には事前に各施設HPをご覧ください。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)、『買う幸福』(小学館)、『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)、ひとりっPこと編集者の福井由美子との共著『たまには世界のどこかでふたりっぷ』(集英社)など多数。最新刊に『日々是混乱』(集英社)。
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