IKUKO’S METHOD

ハッピーカラーで弾む春——地曳いく子のおしゃれメソッド48

ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、ファッションを楽しむためのハッピーカラーです。

STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA

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1/12パフスリーブのぷっくりとした立体感がかわいい個性的ニット。ボトムはデニムでもいいですし、チャレンジしたい人は華やかなスカートにも似合います。白やベージュ、ネイビーもOK。インパクトの強い色ですが、色々なカラーと相性がいいです。ニット¥19,000(エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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2/12マンダリンオレンジのジャケット。マスキュリンなシルエットですが、かわいいボタンが付いています。ドローストリングのデザインなど、カジュアルな抜け感に遊び心がつまった一着。ジャケット¥84,000(レジーナ ピョウ/エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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3/12ジャケット(前写真)とのセットアップになったパンツ。上下だと一見派手に見えますが、インナーを白やグレー、ベージュに、足もとを白のスニーカーでまとめてください。70年代のデヴィッド・ボウイの私服みたいで最高にクール。パンツ¥65,000(レジーナ ピョウ/エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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4/12グリーンのサテンがアクセントになった、ユニークなテクスチャーのプリントブラウス。グリーントーンでまとめて着こなしても素敵です。ブラウス¥90,000(エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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5/12ざっくり編みのイエローニット。デニムはもちろんのこと、ベージュのキャミドレスの上に重ねてもかわいい。シンプルな形ですが、今らしいビッグシルエットです。ニット¥22,000(エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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6/12袖の脇下にスリットが入った只者ではないカーディガン。色々な着こなしの楽しみがあります。ピオニーカラーが、鮮やかなのに落ち着いた印象を演出します。カーディガン¥65,000(エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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7/12センターにフリンジがあしらわれたグリーンのスカート。ミッドカーフ丈がモダンな印象に。思いっきりドレスアップしてもいいですが、私ならアクティブな白のストラップサンダルを合わせて、ガシガシと穿き倒します。スカート¥60,000(エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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8/12センタープリーツのマスキュリンなシルエットを、明るいスカーレット系の色で仕上げたパンツ。白Tシャツと白スニーカーで合わせて、おしゃれ上級者になってください。パンツ¥20,000(エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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9/12ヴィヴィドな朱のエナメル加工が印象的な2連リング。デスクワークが多い日々は、手もとにハッピーカラーを投入して、気持ちをあげてみてはどうでしょうか。リング¥399,000(レポシ/エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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10/12アンティークのような風合いが素敵なフランスのジュエリーブランド〈グーセンス パリ〉のリングとイヤリング。お手頃価格のコスチュームジュエリーで、日々のおしゃれを足してみてください。リング¥31,000、イヤリング¥34,000(グーセンス パリ/エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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11/12ルイ・ヴィトンのメンズを手がけるヴァージル・アブローによるブランド〈オフ-ホワイト〉のキッチュさと遊び心が詰まったサンダル。夏は素足でもいいですが、今ならクシュっとした靴下や、白のソックスで履きこなしたいです。サンダル¥24,000(オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™/エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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12/12クラシックなアッパーに、最新テクノロジーのソールユニットを融合させた〈ニューバランス〉のハイブリットモデル「MS1300」。きれいな色のパープルが大人なスニーカーです。スニーカー¥22,000(ニューバランス/エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F

あらためて感じたファッションの力

“SPRING(スプリング)”と聞くと、私は、“春”をイメージするよりも先に、“弾む”感じを連想してしまうんです。

COVID-19の影響や先日の地震で、大変な思いをしていらっしゃる方も多いかと思います。東京は緊急事態宣言による自粛生活が続き、楽しんではいけない、そんな空気が漂っているように感じます。でも、自分で自分自身を自粛し過ぎて、ハッピーな気持ちを忘れてはいないでしょうか?

そこで今回は、あえて“ハッピーカラー”をテーマにしてみようと思いました。この企画のため、まず下見にと足を運んだのが、六本木ヒルズのエストネーション。ショップはちょうど春物に入れ替わったばかり。目に飛び込んでくる色や形に、うわぁとテンションはあがりまくりでした。このところ、テレビをつけても、流れてくるのは大変なニュースばかり。私自身も色々なことが起こり、ハッピーを忘れていたところだったので、お店にいるだけですごく幸せな気持ちになれたんです。この時、あらためてこの仕事が好きなのだと再認識し、ファッションの力の凄さを感じました。

ということで、今回は、ハッピーな気持ちに引き戻してくれたエストネーションをフィーチャーしてみることに。実は私、会員レベルがマックスになるぐらいのメンバーズカードを持つほどエストネーションマニアなんです。エストネーションの魅力は、若手デザイナーのアップデート力。特に日本人デザイナーの目利きのセンスは抜群。その一方で海外ブランドも大人が納得するセレクト。オリジナルアイテムも、つい手を出したくなるものが多くて。これってかなりの依怙贔屓ですかね?(笑)

きちんとマスクをしてルールを守り、これ以上医療従事者の方にご迷惑を掛けないことが大前提ですが、ファッションで気持ちをハッピーにすることを求めてもいいのではないでしょうか?

地曳いく子が伝えたい
ハッピーカラーのすすめ

❶ ファッションは人生の活力剤

ビタミン剤が無かったとしても、食事をきちんととっていればいい。ファッションもビタミン剤と同じで、生きていくために、絶対に無くてはならないものではない。でも、ビタミン剤をとったほうが、調子がいいという人もいますよね。ファッションも、そういうものなのではないでしょうか。今回、服をセレクトしているとき、素直に楽しい!と思えたんです。気持ちが落ち込んでいたこともあったのかもしれませんが、心弾む色を目の前にあれこれ考え仕事ができていることに、久々にワクワクしました。COVID-19による自粛生活で、今まで当たり前と思っていたことを、抑えていかなければならない経験をしたからこそ、気がついたように思います。ファッションは楽しんでこそ。この春はハッピーカラーを活力剤のひとつとしてみませんか。

❷ 派手色は意外とアジア人にしっくりくる!?

インパクトの強い色を苦手としている人も多いのではないでしょうか。派手色の攻略は、とにかく着てしまうこと。彫の深いモデルのような人しか似合わないと思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。あっさりした顔の人が着たほうがちょうどいいというのが、私の持論。その証拠に、アジアの民俗衣装って、派手な色が多いと思いません? ハッピーカラーは似合う似合わないと悩むより、思い切って着てみましょう。

❸ 白Tシャツと白スニーカーでカジュアルに着倒す

ハッピーな派手色は着こなしが難しそうですが、白、黒、濃紺、ベージュとかなり相性がいいんです。例えば、スカーレットのワイドストレートパンツ。以前だったら、足もとはヒールで縦ラインを意識した気取ったスタイルが主流でした。こういうきれいな色はハイクラスの象徴みたいな感じで……。でも、今なら、白Tシャツと白スニーカーでカジュアルに着こなしてください。シンプルなのに、かなりおしゃれ上級者に見えます。思い切って、ハッピーカラーなパンツを手に入れてみると、気持ちの切り替えにもなります。ただし、パンツは購入したその場で裾上げすることをおすすめします。後でと思うと、絶対に裾上げするのが億劫になり、穿かないまま終わってしまうこともあるので。

❹ ワンポイントでハッピーを投入

服でのハッピーカラーはちょっと躊躇してしまうという人は、ワンポイントで投入してみてください。アクセサリーなら、指輪やイヤリング。デスクワークでつい見てしまう手もとや、マスクで隠れてしまう顔の耳もとに、ハッピーカラーを投入し、自分の気持ちをあげていきましょう。ちなみに、マスク着用の今は、クリップタイプのイヤリングをおすすめします。私は、マスクを外す時に、ピアスをひっかけて飛ばし、無くしてしまうことが多かったので……。大きさのあるイヤリングなら、ひっかけても落ちるだけで済みます。

※ 2021年2月現在の情報となります。
※ 表示価格はすべて税抜き価格です。
※ 六本木ヒルズ等各施設では、新型コロナウイルスの感染拡大防止の予防対策を徹底し営業しております。また一部の店舗では営業時間を短縮しております。ご来店の際には事前に各施設HPをご覧ください。

 

profile

地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)、『買う幸福』(小学館)、『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)、ひとりっPこと編集者の福井由美子との共著『たまには世界のどこかでふたりっぷ』(集英社)など多数。最新刊に『日々是混乱』(集英社)。