ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回はグランピングとファッションのお話です。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
贅沢に気分はアウトドア
おしゃれ感度の高い人たちの間で数年前から人気のグランピング。日本でも、この1、2年でグランピング施設が急増中です。コーチェラやグランストンベリーなど、海外のフェスで今やセレブたちが泊まるのはグランピング。昔のテントサイトは若い子たちが節約のためにテントを持ち込みフェスに参戦というイメージでしたが、高級ホテルとシャトルバスのセットよりもグランピングのほうがお高い時代なのです。テントの設営から食事の準備まですべて用意され、手ぶらで行けて、優雅にキャンプを楽しめる、それがグランピング。年々ラグジュアリー化しているので決して安くはないですが、にわかキャンパーが年に1回使うかどうかも分からないテントやギアを揃えることを考えれば、ちょっと高いなぐらいで済みます。優雅に自然を満喫して、仕事の疲れを週末リセットするにはおすすめ。近くには大抵温泉やスパもありますしね。今回は山気分に注目して、グランピングだけでなく、週末温泉旅行でも使えるアウトフィット術をお伝えします。
地曳いく子が伝授する
グランピングのためのアウトフィット術
❶ ネイチャー感を盛る
グランピングはガチなアウトドア服でなくても、サバイブできてしまいます。そこが普通のキャンプとの差。グランピングとは、おしゃれができるキャンプ生活なんです。なにしろ、火を熾したりテントを張らなくていいのですから、軍手をする必要もありませんよね(キャンプ経験者ならうなずくはず)。あなたのお仕事と言えば、ワインやビールの銘柄の心配をすることだけです(笑)。だからこそ、ワンピースだってスカートだって許されてしまいます。ここで大事なのは、ネイチャー感を盛ること。普段だったらどうしようかなって思うフォークロアなフリンジや、色や素材のものも、一枚でもあるとより山気分が高まりリラックス度も深まります。フォークロアなトレンドは根強くありますが、都会だとちょっと敬遠している人もいるはず。オトナフォークロアを着たいならグランピングです!
❷ セットアップは使える
意外と使えるのがトップスとスカートのセットアップ。合わせで着ればそれなりのおしゃれ感。あとはTシャツとタンクとレギンスがあればOK。色々と着回せるので、荷物も減り、道中もスマートなオトナ女史を演出できます。
❸ 水着は必ず忍ばせる
海だったら絶対に忘れないのですが、山方面となるとついつい抜けてしまうのが水着。グランピングには温泉やスパはつきものと思って下さい。最近はバーデゾーンもあり、男女で入れるところも多く、持っていない時点でさっと境界線が引かれてしまうわけです。先週私も水着を持って行き忘れ、「ジャグジーに入らないの?」と言われ奥歯をギリギリしたばかりです。ビキニは場所も取らないのでとにかく忍ばせていきましょう。そうすれば、悔しい思いをしないですみますよ。
❹ サンダルも忘れずに
グランピングと言えば、テラスでBBQですよね。となるとティピーやキャビンの出入りが結構あったりします。そんなときはつっかけ気分で履けるフラットサンダルが便利なんです。温泉やスパに行ったり、敷地内を散歩するのにも使えます。ビーサンという手もありますが、そこはオトナ女史。ペタンコサンダルのほうがおしゃれに見えますし、気分も上がるハズ。水着同様、予備で持って行っても平たいから嵩張りません。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、そのキャリアは30年超え。女優のスタイリングも数多く手がけ、大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評あり。独特の語り口も魅力で、現在はテレビやラジオでのコメンテーターとしても活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』、『着かた、生きかた』(ともに宝島社)、『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)、黒田知永子との共著『おしゃれ自由宣言』(ダイヤモンド社)など多数。
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