IKUKO'S METHOD

春の気持ちをフライングゲット——地曳いく子のおしゃれメソッド24

ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のお題は「春色」です。

STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA

ワクワクスイッチは色から始まる

冬はアイシーパステルやグレイッシュパステルが流行っていましたが、同じパステルでもやっぱり春は一味違う。よりクリアで、見ているだけで心がウキウキするようなパステルです。まだ寒いこの時季ですが、確実に日は長くなってきています。春はもうすぐそこ。まずは色で春感を足してみませんか。

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1/11イレギュラーなヘムラインが可愛いノースリーブのワンピース。カーディガンやレギンスと合わせると今からでも活躍します。夏はもちろんサマードレスとして。きれいな色のワンピースを一枚手に入れるだけで気持ちもアガります。ドレス¥59,000(サヤカ デイヴィス×アーバンリサーチ/アーバンリサーチ/表参道ヒルズ本館B3F
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2/11セットアップで着れば素敵なお出かけ服ですが、それぞれをカジュアルなものと合わせても相性よし。トップはデニムやワイドパンツ、スカートはTシャツでもおしゃれ。寒い今ならグレーのタートルやタイツとコーディネイトしても。トップ¥45,000、スカート¥40,000 ※ともに六本木ヒルズ店限定アイテム(ユナイテッドアローズ/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店/六本木ヒルズウェストウォーク2F
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3/11きれいなすみれ色のワンピース。コットン100%のカジュアルな素材なので、エレガントになり過ぎず抜け感もあります。ワンピース¥20,000(アール ジュビリー×アーバンリサーチ/アーバンリサーチ/表参道ヒルズ本館B3F
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4/11チュニックタイプのワンピースはオトナ女史の味方。七分丈の袖なのでフライングゲットしても着やすいです。春のバカンスに連れて行きたい一着。シャツドレス¥34,000(バグッタ/ビームス/六本木ヒルズウェストウォーク3F
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5/11今からでも活躍するニット。ボトムが厚手の素材でもこれを着れば、ぱっと春感がプラスされます。カーディガンはボタンがなく、さらりと羽織れるのでエレガントに。カーディガン¥25,000、ニットトップ¥20,000(フィル オー/エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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6/11ラッフルやディテールの入った華やかなスカート。トップをシンプルにするとバランスが取りやすいです。今年なら白いスニーカーと合わせてカジュアルに。この時季ならオーバーサイズのコートやニットの裾からヒラヒラと覗かせても。スカート¥60,000 ※六本木ヒルズ店限定アイテム(ユナイテッドアローズ/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店/六本木ヒルズウェストウォーク2F
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7/11今季は明るめのレモンイエローが気になるカラー。すっきりとしたラインのスカートなので、オンにも活躍してくれます。スカート¥26,000(エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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8/11スポーツテイストのサイドラインが可愛いピンクのワイドパンツ。オフのリラックススタイルにも春気分を投入。パンツ¥14,000(山本マナ×アーバンリサーチ/アーバンリサーチ/表参道ヒルズ本館B3F
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9/11バックサイドのVネックやスリットなどのフェミニンなディテールにこだわったTシャツ。シンプルでありながら、ほどよいオトナカジュアルな一枚。Tシャツ¥7,400(チャンピオン×アーバンリサーチ/アーバンリサーチ/表参道ヒルズ本館B3F
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10/11胸のロゴやバックサイドのプリント、生地、色合いなどヴィンテージ感を再現したTシャツ。程よく大きめなサイズ感なので、どんなボトムも合わせやすく、コーディネイトのバリエーションも広がります。Tシャツ¥14,000(ドゥーズィエム クラス/六本木ヒルズウェストウォーク2F
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11/11イエローとラベンダーのバイカラーのスカーフ。やっぱり服ではちょっとまだ早いという人は、襟元にシュルっと巻いて一足お先に春気分を。スカーフ¥18,000(マニプリ/エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F

地曳いく子が指南する、今春色を買う理由

❶ 服を買う=気持ちがアガる

オトナ女史の皆さまなら、服はそれなりにお持ちかと思います。それでも毎シーズン新しい服を買いたくなるのは、必要だからではなく、その時の気分をアゲるために買うのではないでしょうか。実際私はそうですし、こういう服の買い方があってもいいと思います。たとえば、きれいな色のTシャツを買ったら「あー早く春になってこれを着たい」と思うだけで心はウキウキします。冬は寒さをしのぐ実用的な理由もありますが、春は服を買うのにそこまで考える必要はありません。ウキウキやワクワクこそ、大切なことではないでしょうか。

❷ 自分のシーズンカラーを追求

今年は、レモンイエローのような爽やかな黄色が気になります。といっても、それに飛びつく必要はありません。ペールトーンの淡いピンクやブルーなどきれいな色も揃っているので、まずは好きな色を探してみましょう。そして、自分カラーをひとつふたつに絞り込んだら浮気をせず、今シーズンはとことんその色と付き合ってください。それがおしゃれへの道です。日本のファッションは全部を平均点でまとめようとするので、いまひとつ個性が出ない気が。無難な色で来年も着回せるようになんて考えは捨てましょう。次のシーズンになれば、トレンドも気持ちも変わります。昨年は好きでよく着ていたのに、今年はどうも着る気がしない……ってこと多くありませんか? 旬のものは旬のうちにヘビロテが鉄則です。

❸ 合わせ技で夏まで着倒す

ノースリーブのワンピースは長く着られる便利なアイテム。今の時季ならカシミアのカーディガンを羽織ったり、レギンスと合わせたり、少し暖かくなってきたらTシャツに重ねたりと夏までのロングスパンで着倒せます。まだ着るには早いと思う一枚でも、一足先に手に入れて部屋に吊り下げておくだけで春の気分にしてくれます。

❹ 時代は丈とボリュームに出る

オンにもオフにも活躍するタイトなラインのスカートが多く出ていますが、春色の淡いパステルやレースのものなら持っていると、少し前のものを引っ張り出すときは要注意です。タイトといっても今季は膝下。しかもどっぷり膝が隠れる長めのほうが今っぽいです。色や素材が今年らしくても、丈とボリュームを間違うと危険です。

 

profile

地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、そのキャリアは30年超え。女優のスタイリングも数多く手がけ、大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評あり。独特の語り口も魅力で、現在はテレビやラジオでのコメンテーターとしても活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)、『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)、黒田知永子との共著『おしゃれ自由宣言』(ダイヤモンド社)など多数。