森美術館では「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」が開催中! 現代美術の「スター」たちの夢の共演を見ることができる。参加作家は草間彌生、李禹煥、宮島達男、村上隆、奈良美智、杉本博司の6人。本展覧会では各アーティストの初期・中期の作品と新作にくわえ、過去の展覧会風景などのアーカイブも展示。キャリアを総覧できる構成になっているため、「現代美術入門」としてもおすすめの展覧会だ。今回は、そんな「STARS展」の様子を作家ごとに紹介する。
草間彌生
70年におよぶキャリアのなかで、多様なメディアを用いて作品を制作してきた草間彌生。本展では、ニューヨークを拠点にしていた1960年頃の初期のドローイング作品をはじめ、1993年の「ヴェネチア・ビエンナーレ」に日本館代表として出品した《天上よりの啓示(B)》《ピンクボート》を展示。ほかにも、インスタレーション作品《Infinity Mirrored Room—信濃の灯》や、最新の絵画シリーズ「わが永遠の魂」も並ぶ。
李禹煥(リ・ウファン)
1960年代末から70年代初頭にかけて登場した、日本美術史における重要なムーブメントである「もの派」。その代表的な作家が李禹煥だ。本展では、「もの派」の思想を最もよく象徴している最初期の作品《関係項》にくわえ、2点の大作絵画《対話》が展示されている。
宮島達男
1980年代半ば以降、1から9までの数字が変化するデジタルカウンターを用いたインスタレーションや立体作品を発表している宮島達男。出品作は、東日本大震災犠牲者の鎮魂と震災の記憶の継承を願うインスタレーションであり、1988年第43回「ヴェネチア・ビエンナーレ」に出展された《Sea of Time》の発展形でもある。今回は、本シリーズ最大級のインスタレーションとして719個のLEDを用いて展示される。
村上隆
日本のバブル経済期に花開いたオタク文化に、江戸時代から続く日本独自の感性を見出し、漫画とアニメを起点とするキャラクター絵画やフィギュア彫刻を発表している村上隆。今回はオタク文化を象徴する代表作《Ko²ちゃん(プロジェクトKo²)》や東日本大震災への応答として制作された鬼の巨像、さらには本展のために描かれた大型絵画2点などを出展している。
奈良美智
1980年代より作品制作を開始した奈良美智は、これまで、ドローイング、彫刻、絵画、写真など多様なメディアで作品を制作・発表している。本展では初公開の15点を含む、初期から近年までのドローイング20点を公開。中期の代表的なインスタレーション《Voyages of the Moon(Resting Moon)/ Voyage of the Moon》もが展示される。また、レコード、CD、本、こけし、ぬいぐるみなど奈良本⼈のコレクションも出品され、作家の創作世界を体験できる。
杉本博司
1974年にニューヨークに移住し、現代美術家として活動をはじめた杉本博司。出品作《シロクマ》は杉本の初期の代表シリーズ「ジオラマ」の最初の作品である。杉本が神奈川県小田原市に設立した「小田原文化財団 江之浦測候所」の四季折々の姿を細部まで映した《時間の庭のひとりごと》は、彼にとって初の映画作品。ほかには「海景」シリーズが発展した「レボリューション」シリーズも展示される。
展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」
森美術館(東京)2020年
撮影:高山幸三
本展は、森美術館HPからチケットの事前予約・購入も可能です。
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