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連載旅する新虎マーケット Ⅱ期

Exhibitor 3-2

fireworks

花火だけじゃもったいない[長岡市|新潟県 2 ]

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「長岡を夏に巡るならどこに行こうか?」が今回の旅のテーマ。もちろん、日本三大花火大会のひとつに数えられる花火大会も見逃せませんが、もう少しローカルなエリアだっておすすめです。

Text by Chiharu Shirai / Photo by Chika Miura

 

 

新潟県のほぼ中央に位置する長岡市は南北に日本一長い信濃川が流れ、季節の移り変わりが美しい、豊かな自然風土に恵まれた街。また、平成の合併で11の市町村がひとつになったこともあり、海、山、川、歴史、文化など、さまざまな顔を持つのも大きな魅力になっています。

さて、「そんな長岡を夏に巡るならどこに行こうか?」が今回の旅のテーマ。もちろん、日本三大花火大会のひとつに数えられ、「開催期間中、新潟県内のホテルすべてが花火観光客で埋まる」とさえ言われる「長岡まつり大花火大会」も見逃せませんが、もう少しローカルなエリアにも足を伸ばしてみたい。

そこで目をつけたのが、「摂田屋」「与板」「寺泊」の3つの地域。情緒あふれるレトロな街から、最新のレジャースポットまで。夏の長岡を楽しむためのヒントがたくさん見つかりました。

 

 

旅は道連れがやっぱり嬉しい。

 
空襲で市街地の8割を失った長岡にあって、今なお古き良きレトロな街並みを残す場所があります。それが「摂田屋」と呼ばれる地域。カメラ片手に気ままに歩くだけでも十分に楽しい街だけど、今日は観光ボランティアガイドの小金井弘一さんと一緒。

「ほら、ここから急に空気の匂いが変わったと思いませんか?」と道の途中で小金井さん。はい、言われてみるとさっきまで醤油蔵がずっと漂っていた甘い匂いから、突然お酒を醸す香りに。「ここは醤油、味噌、酒など、醸造の街、前を通るごとに匂いが変わっていくんです。前に案内した人は七色の香りがする街って言ってたなぁ。それに塀や柱がみんな黒いでしょ? これは街全体に麹菌が漂ってるせいって言われてるんですよ」と楽しい会話がつづいていきます。

「ちょっと疲れたね。時間あんまりないけど、寄っていきますか」と誘われたのは、新潟県で最も古い酒蔵『吉乃川』の資料館。小金井さん、スタッフの方とも気心が知れているようで、まるで自分の家みたいにくつろぐのが面白い。ここではお酒造りについて学べるほか、できたてのお酒の無料試飲もできます。

スタッフ野口さんのおすすめは極上吉乃川 純米吟醸。「すっきりとした飲み口でどんどんいける。試飲と言いつつ、ついつい飲みすぎてしまう方もいるんですよ」と笑います。いやいやまさかそこまで……
と思いつつ、注いでいただいたグラスに口をつけると、香りをたっぷり感じられるのに後味は驚くほど軽い。ついつい「もう一杯!」とグラスを差し出してしまう気持ちがよくわかります。
旅は道連れ、世は情け。「旅はひとりよりも、ふたりの方が楽しい」を実感した摂田屋巡り。街に詳しい、おしゃべり上手な案内人と一緒ならなおさらです。

 

 

 

 

 

夏だ、ビールだ、バーベキューだ。

 
グループで長岡を旅するなら、きっと『与板★中川清兵衛記念BBQビール園』が夏の思い出をつくってくれます。すぐ隣を流れる川から気持ちいい風が寄せる中、アメリカ生まれのトップブランド「weber」のグリルで楽しむ本格バーベキュー。

アメリカン!なサイズの牛肉ブロックやスモーキーなチキンレッグもさることながら、何より感動したのが皮のまま焼き上げる長岡野菜たち。素材本来の生命力のような旨味が皮の内側に閉じ込められて、一切の調味料不要の美味しさです。取材で訪れたこの日は小さな子ども連れのママさんや、若い女性グループの姿も。皆さんよく笑い、よく飲みながら、細い体で食べる食べる!こちらも負けていられません。ところで、どうしてここ、長岡でビール園?

「実はビールの本場、ドイツで醸造技術をはじめて学んだ日本人が長岡市の出身なんです」と教えてくれたのはビール園の代表・石橋雅史さん。その日本人とは中川清兵衛で、ドイツで学んだ後、日本に戻り、札幌の北海道開拓使麦酒醸造所で国産ビールの発展に大きく貢献することになりました。「ここで出している生ビールは、中川清兵衛が学んできたと言われているレシピを最も忠実に再現したもの。当時の宣伝文句は『風味爽快ニシテ健胃ノ効アリ』。夏にぴったりですよ!」

太陽、風、新鮮野菜と、流れる汗に、爽快ビール。「今夏を楽しんでる!」という気持ちで胸をいっぱいに満たして、二杯のビールを飲み干しました。

 

 

 

 

 

魚のアメ横、寺泊で夏をコンプリート。

 
長岡駅から車に揺られること約40分。のどかな海岸線を眺めていたら、突如店々が軒を連ねる賑やかな一角が視界に飛び込んできました。

ここは寺泊、イキの良さと安さが売りの魚の市場通り、通称「魚のアメ横」です。ここに来たなら是非ともチャレンジしたいのが新鮮な魚介をその場で指名し、食べる「浜焼き」。イカ、鯵、鯖など、さまざまな食材が串に刺されて並んでいます。また、貝類のラインアップが豊富なのも嬉しいところ。今が旬の岩牡蠣にサッとレモン汁だけをかけたものをいただきました。ぷるんっと口の中に入ってきて、濃厚クリーミーな味わいとレモンの酸味が広がる……。ああ、夏ってなんて美味しいんでしょう。

お腹を満たすことだけを目的にしてもいいのだけれど、少し欲張りしていろいろと散策。海岸沿いの駐車場横にある古道具屋「ぷろ/ぽぜ」は何時間でも過ごせるほどカオスだし、オリジナルバッグのお店「グローカルスタイル」はベトナム、ネパールで仕立てた可愛いバッグに目移りしそう。さらに野積エリアまで足を伸ばすとカフェレストラン「ウィンズ」でとびきり評判のカレーがスタンバイ。あっちへ、こっちへ、ウロウロしているうちにあっという間に過ぎていきそうな寺泊の魅力は実に奥が深い。

 

 

 

 

 

せっかく夏の長岡へ訪れたのなら、花火もいいけれど、さらにもう一泊、二泊。一日じゃ楽しみきれない夏がきっとあなたを待っています。さて、それでは魚のアメ横に戻って、今宵の晩酌の買い出しに行ってきます!

 

 

旅する長岡市

 

Yosinogawa Syuzo Shiroukan Hisagotei

吉乃川 酒蔵資料館 瓢亭(ひさごてい)
創業1548年、460余年の歴史を持つ、新潟県で最も古い酒蔵。敷地西側の蔦に覆われた蔵は大正12年当時には珍しい鉄筋コンクリート造り。資料館「瓢亭」では吉乃川の歴史や酒造りを学べるほか、無料の試飲体験も。

Kina Saffron Sakehonpo(Setsutaya)

機那サフラン酒本舗(摂田屋)
明治時代に養命酒としのぎを削ったという薬用酒「サフラン酒」の蔵元。巨大な鬼瓦や鯱鉾(しゃちほこ)、鏝絵(こてえ)がたっぷり施された蔵や屋敷は、まさに贅の極みとも言える華やかさです。

Hoshino Honten(Setsutaya)

星野本店(摂田屋)
160余年の伝統を持ち、ヤマホシサンの商標で味噌や醤油を製造する老舗店。敷地内の衣装蔵は珍しい3階建てで、登録有形文化財の指定も。店舗では味噌や醤油の唎き味もできます。

Nakagawa Seibei Beer En

与板★中川清兵衛記念BBQビール園
長岡駅から車で約20分、川のほとりでボリュームたっぷりのお肉と、地元の新鮮野菜を使った本格バーベキューを楽しめる施設。大型テントが設置されているので、雨の日も安心。団体での利用の場合は交通サポートも。

Proposer(Teradomari)

ぷろ/ぽぜ(寺泊)
寺泊、魚のアメ横近くの古道具店。古民具、古布、ヨーロッパのアンティーク家具、食器、家電など、幅広くラインアップされていて、時間も忘れて滞在してしまいます。

Glocalstyle(Teradomari)

グローカルスタイル(寺泊)
新潟県下に3店舗を持つオリジナルバッグのお店。ネパールやベトナムなどでつくられるバッグは、現地の伝統技術や文化、色彩感覚がたっぷり反映されていてとてもいい雰囲気。

Cafe Winds(Teradomari)

Cafe Winds(寺泊)
シーフードを中心としたイタリアンメニューや自慢のカレーなどを、日本海に沈む夕陽を見ながら楽しめるカフェレストラン。寺泊エリアでちょっとのんびりしたい、そんなときにおすすめです。

「旅する新虎マーケット」は、全国津々浦々の魅力を集め、編集・発信し、地方創生へ繋げる“The Japan Connect”を目的とするプロジェクト。舞台は、2020年東京オリンピック・パラリンピックでメインスタジアムと選手村を結ぶシンボルストリートとなる「新虎通り」です。「旅するスタンド」でその街自慢のモノ、コト、ヒトに触れたり、「旅するストア」や「旅するカフェ」で珍しいグルメやセレクトアイテムと出会ったり。約3カ月ごとに新しくなるテーマに合わせて、日本の魅力を凝縮。旅するように、通りを歩く。そんな素敵な体験をご用意して皆さまをお待ちしています。
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