INSTANT FLOW #4

AIBOはバスキアの夢を見るか——藤原ヒロシの連載「INSTANT FLOW」#4

DJ、音楽プロデューサー、ファッションクリエイター、その他いろいろとして活躍する藤原ヒロシ(hf)が日々の体験を共有するinstagram。彼がやっていることが最新トレンドになり……という説明はもういいか。相変わらず、その目の付け所はやはり只者ではない。hfウォッチャーが本人に追加取材する連載の第4回。2018年3月前半にポストされた画像からお届けします(※今月から月2回公開となります)。

INSTAGRAM & TALK BY HIROSHI FUJIWARA
TEXT BY HF WATCHING COMMITTEE (HWC)

2018年3月1日——「クロモリ」のお弁当

仙台ライブに向けて東北自動車道ドライブ。サービスエリアで食したのは、「クロモリ」のお弁当。仙台で予約が取れないお店と言われる中華「クロモリ」(食べログ情報)。東京からのお客さんが7割と言われる中華「クロモリ」(食べログ情報)。黒森さんの作る中華「クロモリ」。完全予約制。クロモリ、クロモリ。

3月1日——バスキアとの再会


東京は青山、スパイラル地下にある「Restaurant Bar CAY」へ。ここの壁にはジャン=ミシェル・バスキアのドローイングが今も残されている。「残ってるもんなんだなと思って。’80年代の中頃かな? 彼が来日した時、一緒にクラブ行ったりしましたよ」(hf)。スパイラルが出来たのが1985年、バスキアが他界したのは1988年。ちなみに、バスキアジャケットのアルバム『HIROSHI FUJIWARA IN DUB CONFERENCE』は93年でした。そんな場所でのライブ、どうでした? 「楽しかったですよ。若い頃、遊びに行っていた『CAY』で出来て良かった」(hf) 遊び場が仕事場に。ヒロシは大人になりました。

3月2日——足元の

で、その時のライブの足元がこちら。「ギターのエフェクターです」(hf) 詳しくない人にはあまり説明してくれません。「だいたいいつもアコースティックなんですけど、今回はエレキギターだったので、足元にはこういうのがあるんです」(hf) コーラスのエフェクターでリー・リトナーだよね、なんて言えればモテます、的な時代もあったなあ。本当のミュージシャンはそんなこと言いません。

3月1日——バナナ格差

「誰かの差し入れのバナナが小ちゃくて、誰かのが大きくて、同じバナナでも、グレート・デンとチワワくらいの差があるんだなあって。バナナ格差。足立区と港区みたいな」(hf) 格差っていうよりは種類の違いですから。両方美味しいですから。足立区も港区も素晴らしいところですから。忖度しない人。

3月2日——大人のちゅうちゅう

「ロンハーマンカフェでお茶した『NEIGHBORHOOD』の人たち。イカツイブランドの男たちが二人ともクリームソーダをちゅうちゅうしてるのがなんか可愛くって」(hf) 今回の取材の時、ヒロシさん、苺クリームソーダをちゅうちゅうしてましたね。いつまでも少年の、と言うより幼児の心を忘れない大人の男たち。

3月2日——銀座しのはら


2017年、18年、「THE TABELOG AWARD」Gold受賞の店。食べログポイント4.81。夜のコースは23,000円から。「最近、デザートが3つくらい出てくるのが流行ってますよね。緑色のがうぐいす餅で、赤いのはイチゴ。お皿の影が綺麗だったので……」(hf) 陰翳礼讃。

3月3日——1982年の少年

イチゴのような少年……。「ははは。なんかの雑誌に出てた昔の写真が出てきて。18歳の頃です」(hf) 生意気盛りですね。今もそうだけど(小声で)。「DJやってた頃です。今でもたまにこういうニット着てますね。部屋が80年代だなあ。カラーボックスにカセットデッキにでっかいスピーカー。カラーボックスは横にも縦にも使える高度成長期の最後のアイテム。あ、これうちじゃないですよ」(hf)rikaco officialから懐かしいな〜ってコメント来てます。「RIKACOと遊んでる頃だったんですよ。多分」(hf)

3月3日——モンクレール新作

「こないだ発表した『モンクレール』の次に出るやつです。薄手のフリースで、いいですよ、これ」(hf) 作った人のお墨付き。

3月3日——映える系

「麻布昇月堂」の一本流し麻布あんみつ羊かん。「たまにいただく。美味しい、というよりも映える系ですよね」(hf) 桃の節句ですから。

3月4日——苛立ち

『サバイバー:宿命の大統領 シーズン2』が配信予定日になっても配信されない。
「1月1日って言ってたのに! 海外では全部日本語で配信されてたりするんですよ。しっかりして欲しい」(hf) 大統領に何が起きているのか。ヒロシを苛立たせてますよ。

3月4日——ナリサワのカレーライス


世界が注目する成澤由浩シェフが手がける新しいバー「BEE’S BAR by NARISAWA」。4/11のグランドオープンに先駆けて、hfはプレオープンにお邪魔した。お酒はもちろん、食事も各種楽しめます。サスティナビリティーとガストロノミーの融合がテーマだそうです。「カレーライスが美味しかったですよ」(hf)

3月4日——AIBOその後

こないだマーキング始めたって言ってましたけど、どれくらい成長しました? 「ぼく一人の時は電源入れてない。彼がきた時だけ彼が電源を入れる」(hf) ペット虐待にならないのがAIBOのいいところ。そういえばHomePodは? 「電源は切ってないですけどね」(hf) 友達が持ってるといいもの、にランクイン!

3月15日——大御所

「京都でやったパネルディスカッションの様子がハニカムにアップされてました。『朝まで生テレビ!』的な」(hf)「藤原ヒロシが豪華クリエイター陣と討論。テクノロジーとクリエイティビティの関係とその未来」というタイトルでアップされているので、これ、読んだほうがいいです。hfはhfをもてはやす大人たちの中にいながらいかに冷静で賢い子供でい続けているか、というのがよくわかります。蛇足ですけど、マイクの持ち方、かっこいいです。

3月6日——ネルホル

「Nerhol 知ってます? 写真を何枚も撮って、プリントアウトしたものを重ねて、一枚ずつカッターで切って断層を作っていくんです。山の等高線地図みたいに」(hf) アイディアを練る田中義久と、アイディアを掘る飯田竜太によるアートユニット「ネルホル」。「ぼくもサカナクションの山口くんも作ってもらったんです。作品はすごくいいんだけど、自分の顔、飾らないよなあ……って。山口くんもそうだって言うんで、交換したんです」(hf) いつか、ヒロシバージョンも見せてもらいましょう。

3月7日——好きな角度

「ロボロボ園(さくら坂公園)から、南アフリカ共和国大使館前を通って、和食『かんだ」へ抜ける、リゾート地みたいな階段の小道があるんですけど、そこから見えるこの角度の景色が好き。好きな道。好きな階段」(hf) 昔の代官山の同潤会アパートの周辺の道と雰囲気が似てるんだそうです。わかる人ー。はい、わかります。

3月9日——メルヘンのフルーツサンド

「フルーツサンドといったら『メルヘン』。だいたい東京駅で買ってしまう。絶対、かな」(hf)意義なーし。

3月9日——SWITCH

藤原ヒロシ特集。発売は3月20日でした。上がりはどうですか? 「よかったですよ。自由にできたし。表紙も後ろ姿でも許してくれたし」(hf) 「脱皮するタイミングを逃した感じはある」っていうインタビュー中の言葉、刺さる。hfを語らせる男、鈴木哲也くん、うまいなあ。すごい対談満載なので、一生読めますよ。

3月10日——悲惨な話シリーズ2




レッドブルのイベントで、札幌国際スキー場へ。「すごいことがあったんですよ。札幌のホテルをAMEXで予約したんです。エグゼクティブルームってことで、チェックインの時にその料金を払って部屋に行くと、どう見てもエグゼクティブじゃないツインの部屋。これはおかしいと思ってAMEXに問い合わせたら、ダブルの部屋に変えてくれたんですけど、やっぱ狭い。ネットで調べたらその部屋は6000円。ホテル側は「お客様のご要望でダブルの部屋に振り替えたので、エグゼクティブの料金になります」って。頭きたと言うより、なんか腑に落ちないのでチェックアウトして、友人宅にお邪魔することに」(hf) 前回もありましたね、悲惨な話シリーズ。hfでさえこんなことがあるんだと思うと生きる力が湧いてきます。次回もお願いします。

3月11日——鮨 一幸


「一幸は2回目だったんですけど、この日は特に美味しいと感じたんですよね。もう一回行きたい。本当に美味しかったのか、確かめたい」(hf) のどぐろの握り、と言うよりのどぐろ丼で、前夜の不幸も吹っ飛ぶの巻。過疎化が進む町外れの寿司店を父から継承し、わずか5年で世界の食通を唸らせる名店に。新鮮なネタはもちろん、工藤順也の職人技が光る……とは「情熱大陸」情報。「予約取れない系ですけどね」(hf)

3月11日——友人宅でE.Tと


ホテルに泊まるつもりが泊まらなくて、友人宅に泊まることになった北海道の夜。
「奥さんと子どもがどっかに行っていると言うんで、子ども部屋に泊まらせてもらったんです。E.T.に見つめられながら寝ました。あんまり他人の家に泊まらせてもらうことって、最近ないから楽しかった」(hf)

3月11日——東千歳バーベキュー






「めっちゃ美味しい東千歳バーベキューです。鶏とご飯と野菜焼きだけ。そういう店なんです」(hf) これはなかなかの光景。トングとお箸とアルミの皿を配られて、自ら炭火で焼き上げるBBQスタイル。この怪しい瓶は? 「ブレンドした塩とコショウと多分味の素が入っています。絶対行ったほうがいい名所です」(hf)

3月12日——SACAI、COLETTE×FRAGMENT


あ。噂の。あの。スウェットシャツバージョン。Coletteバージョンも。「ロゴはプリント。ダイモのネームが貼ってあるみたいなプリントがアクチュアルサイズで」(hf) Sacai x Fragment Design Capsule Collection will be available exclusively at HBX at 9AM EST, Apr 7. Head over to the @HBX bio link to see the full lookbook and release details. とのことです。hfさんはFRAGMENTバージョンを着用されていました。

3月14日——hatori

「元スタッフで〈ヘッド ポーター〉で働いていた子がニューヨークで作ってる〈hatori〉というブランド。鎧みたいなバッグ」(hf) ニューヨークのスタジオで日本人の職人により作られるバッグ。侍の鎧や、木工、竹細工などの技術を組み合わせ、新しいデザインを輩出している。だそう。写真のものはプラスチックを使用、レザーバージョンもあり。ホームページによると、レザータイプで780ドルなり。

3月14日——OAKLEY×FRAGMENT

〈OAKLEY〉。hfご愛用のモデル「FROGSKINS」のアップデートモデル「FROGSKINS LITE」の一般発売を記念して、Fragment designとのコラボモデルが登場。オークリーストア原宿店と大阪心斎橋店で4月28日から数量限定発売。うきうき。さりげなーくこういう情報がアップされてるので、見逃すな、という教え。

3月14日——川口 猪股


え〜っと、猿股(さるまた)? 「猪俣(いのまた)。川口のめっちゃ美味しい寿司屋です」(hf) あ! 居抜きのところ?(2017年7/12記事参照) 「そう。居抜き寿司です」(hf) また行ったなー。みてるだけのコチラとしては捲土重来気分。

profile

藤原ヒロシ|Hiroshi Fujiwara
1964年三重県生まれ。DJ、音楽プロデューサー、ファッションクリエイター。英米で触れたクラブ文化を80年代の日本に持ち込むなど、音楽とファッションの両軸で日本のストリートカルチャーを牽引。現在、デジタルメディア「Ring of Colour」を運営する。京都精華大学ポピュラーカルチャー学部客員教授。